今月後半もあいかわらずあまり新刊漫画を読んでいない(店頭に並ぶ新刊は定期的にチェックしているのですが、手に取りたいという気を起こす新進作家の作品がない_| ̄|○)ので、代わりに趣きをかえてSS(というにも憚られるちらしの裏)を投下。
『 多数決の国ver2 』
「この国ではなんでも民主的に投票で決めているんだ。」
とライオン頭の男が絶叫した。
「以前、「本の国」で読んだ書物にあったのですが、投票はその投票の順序を弄るなど、設定する側の人間によっていいように相矛盾した帰結をもたらすからまったく民主的ではないと読んだのですが。」
キノはいう。
「『投票のバカマックス』ってやつだね。」 (注)正しくは不完全性定理の一つである『投票のパラドックス』
エルメスが補足する。
キノは無視して疑問を続ける。
「現実と思考実験は違うといいたいのかもしれませんが、そんな素晴らしい国なのにどうしてこの国には建築物どころか、住民が一切いないのですか?」
ライオン男はその問いに対して待っていましたといわんばかりに咆哮した。
「構造改革なんだよ、無駄なものを一つ一つ徹底的に省いて小さな国を実現したんだよ。他の国でできることをわざわざ自分の国でやる必要はないし、そうすればそれに関わる人間もいらなくなる。そして素晴らしいことにこれは私が独断専攻で決めたわけではないんだ。きちんと一つ一つなくすたびに選挙で直接民意を問うたんだからな!」
「で、このざまですか?以前旅人に聞いた話ではここは退屈だけど豊かでいい国だって聞いていたんですが。地図を訂正しないといけないですね。ここは既に国ではないです、単なる廃墟ですって…伝えようにも通信手段も絶たれているなら自分で伝えるしかないですし、これでお暇します。二度とここに来ることはないでしょう。」
キノは淡々と帰り支度を始めた。
「貴様、抵抗勢力だな!私は殺されてもこの改革方針を貫くぞ。」
とライオン頭はいきなり懐に手をつっこんだ。
その瞬間ふりむきざまにキノの銃が火を噴いた。
「何を出そうとしていたのかと思ったらチーズか、うん意外といけるじゃないか。さあ、いこうかエルメス。」
「いいの?これじゃあ無抵抗の人間を殺しただけじゃないの?」
「いいんだよ、抵抗勢力とはやるかやられるかの関係なんだから。殺される覚悟もあるみたいなこともいっていたし、まあそれにこれくらい…たいしたことじゃないよ。」
さらさらと5分程度で書いてみたけれどあまりの捻りのなさに我ながら絶望した!
マンガとコミックの米国流通(9/9)
>これまでコミックの流通はコミック専門店を通じて毎週新作が発売されるのが主流であった。しかし、それが日本マンガの出現によってこの6年で大きく変ったというのだ。つまり、コミック専門店だけでなく一般書店がグラフィックノベルとマンガを取り扱うようになったからだ。
>米国には伝統的なコミックのためのコミック専門店とマンガを主体とするグラフィックノベルのための一般書店のふたつの流通経路があることだ。コミック書店は回転が速く毎週通う必要があるが、他方で例えばCLAMPの『TUBASA』のような作品は全米の一般的な本屋ならいつでも手に入るという。これはまた、返品不能なコミックと売れ残ったら返品可能なマンガ・グラフィクノベルのビジネスのありかたの違いの反映でもある。
日本では一般書籍が再販制度の下、大量出版、大量返本で瀕死の状況が続いています。しかし、逆説的にこのシステム下で利益を出し続けてきた漫画は本当に強靭だとも言えます(売り上げは低落もしくは横ばい状況ですが)。このシステムの強みは長編になればなるほど、あるいは漫画家の作品が溜まるほどに強みを発揮することにあります。最新刊がでるほどに1巻(既巻)の重版がかかりやすくなること、あるいは同じ漫画家の本が売れることを考えると多少のコストを払っても本屋に置いてもらう事、それが重要だということです。マーケティングによって質を維持しつつ、その質に合わせた量を流すことを可能にするシステムを維持すること…とりあえず今までの遺産でもって海外市場で10年は戦えると思います。問題は今、ここ日本で海外でも戦える新しい漫画を生み出せていないこと。
ねがすぱ「何が漫画を殺した?」
1 :マロン名無しさん :2005/09/19(月) 12:21:45 ID:???
ここ数年、ジャンプやサンデー、マガジン等の少年誌は勿論、青年誌やはたまた成年誌でも深刻な新人不足が続いている。中堅を何とか張れる新人は出てきても看板を新たに張れるようなパワーのある新人がいないのだ。おかげでどの雑誌もワンピやコナン、一歩やバキなどの看板漫画が、かつて無い延命措置を獲られ長期政権が続いている。これまでは長くても4~5年で一つの漫画の政権は終わっていたのに。
そしてここ数年の間にもう一つ起こっているのがベテラン作家の失速。90年代安定して高い水準の内容を維持してきた森川ジョージや藤田和日郎や板垣恵介、キバヤシ、高橋ヒロシ、三浦健太郎などもこれまでと比べて明らかに勢いや質が低下、もしくは手抜きが始まっている。
これらの全ては、申し合わせたかのように二十一世紀初頭から始まって現在に至っている。一体、漫画界に何が起こっているのか?何が現在の漫画をここまで失墜させしめたのだろうか?
鉱脈を掘りつくしたとか、漫画のみを読んで漫画を描いているという底の浅さとか、作画重視の流れで絵しか描けない(原作あり、あるいは原作は編集とか)などいろいろ理由は考えられます。もちろんつまらないと感じる側が現代の感性からずれているだけという恐れも多分になきにしもあらず(回りくどい言い回しなのは明らかに低俗なだけの作品がそこそこ売れていたりするので)ですが。殺し「た」と過去形にするのはまだ早い。おそらく無理矢理引き伸ばしている上記のような作品を切れば時間は若干かかったとしても新たな芽がでてくると思います(90年代に一時失速したジャンプを見れば分かります)。
以下 単行本感想
【幸せを届けてくれた作品群】
「だって好きなんだもん」2巻(最終巻)吉住渉
あまりにも想い入れがある先生の作品なので内容については特に書けることはないです…こういう枯れたというよりはクールな大人向けの恬淡とした恋愛関係はりぼんメイン読者には共感されないだろうなと思うくらいで…私はそこがたまらなく好きなんですが。
今回は何よりも柱で述べられていた他誌での連載を始めるというニュースにやっとキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!! という想いでいっぱいです。以前にも書いた覚えがありますが、りぼんにこのような若干背伸びした、いずれ中高年になったときにじわじわとその魅力が伝わる作品の存在は重要だと思いますが、のびのびと制約なく描ける場でも発表してもらえることがファンにとって長年の悲願でしたので本当に嬉しいです。
49 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/08/05(金) 12:55:01 ID:???0
うちの大学のOBらくて吉住氏のロングインタビューが学内新聞で読めるんだけど、この人NECで働きつつ四重奏ゲーム書いてたんだってな。テラスゴス。
ママレのファンブックにも載っていましたが、登場する図書館のモデルは母校である一橋大学であるのは有名な話。
51 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/08/05(金) 13:09:03 ID:???0
>>49
スキャンかデジカメ何卒宜しくお願いします…
53 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/08/05(金) 13:26:45 ID:???0
>>51
・経済学部卒
・大学在籍中はテニス漬け
・授業はあまり出なかった(体育会系なのがウチの校風なんで普通ですが)
・高校が進学校だったので初めてペンを持ったのは大学に入ってから。
・大学にいる間は3~4ヶ月にネーム一本。たいして描いていなかった。
・NEC在籍中も仕事は他人と同等にこなしていた
・会社にマンガを描いてることはダマっていた
・マンガはずっと副業でやっていこうとしていた
・マンガは自分のために書いてる
・マンガだけ描いていれば幸せっていう人間でもない
…etc
箇条書き下手でスマソ。近日中にデジカメ買うと思うんでそうしたら試し撮り兼ねてうpします。OB研究という名目で男なんだけど初めて少女マンガ読んでますw
54 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/08/05(金) 13:44:38 ID:???0
ありがとう!期待してます。
自分のために書いてる…か。漫画ってのは構想練ってる時は意識を高められるから分からないでもないな。1人の作者が思想の違う多くのキャラを生み出すのはすごい作業だと思うし。
55 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/08/05(金) 14:20:45 ID:???0
>マンガは自分のために書いてる
吉住さんが言うとなんかすがすがしいな。あくまでも、漫画からはそんな空気がしなかったので、意外。
56 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/08/05(金) 21:54:05 ID:???O
なんか吉住先生の漫画は他の少女漫画とは違う雰囲気がありますな。男でも普通に違和感無く読める面白さと言うか・・・連れが遊びに来て、俺の部屋にあるママレを発見。「なんやこれ、少女漫画か?(笑)」 などと言いつつ、しっかり全巻読破。しかも、かなり真剣に読んでたのでかなり笑えた。
57 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/08/05(金) 23:25:21 ID:???0
>>55
自分も意外だった。なんとなくだけど、自分のために描いてるものであっても他人(読者)に見せるもの、りぼんっていう商業誌に載せるものっていう意識がしっかりあるからああいうしっかりした構想の話が描けるのかなーと。自己満足に走って単なるオナニー漫画ばっか描く漫画家さんもいるけど、吉住さんの場合は「自分のため」と言いながらも作品自体は自己満足には走ってないから面白いのかも。
柱であまりにもファンから職人として崇められることに苦笑されていましたが、↑のカキコミに全面的に同意です。
【購入に値した作品群】
「僕と彼女の×××」3巻 森永あい
1年に1冊ペースなんですがいまのところ面白いです。男性⇔女性ものはテレビドラマにもなったように一時期そこそこあったように思いますが、現在では目立つものはこの作品だけだと思います(「天使な小生意気」も面白い作品だったけれど違う)。性差をより鮮明に描く為に異性に対する違和感を、翻って元の性に対する気付きをもたらすというところには今や全く切り込めていませんが…。とりあえず実写化も決まったようですし、「あひるの王子さま」のような、姉との交流をいきなり切って捨ててなんとなく初めからの想い人とくっついたとしかいいようがないぐだぐだな終わり方にならないことを切に切に祈っています(今回の作品で言うと千本木の扱いがどうなるかということ)。
【暇潰しにはなった作品群】
「フルーツバスケット」18巻 高屋奈月
あぶれた由紀へのフォローという脱線も終わって本編に戻ったので、完結まで(あと3~4冊くらい?)この新刊感想というカタチで触れることはしないつもりです。終わってからきちんと全編通した何かを書くつもりでいます。
ただ、「幻影夢想」は全5冊と比較的短かったので、結局は愛が欲しかっただけというオチでも問題ないと思いますが(「翼をもつもの」も結局のところそうだったではないかといわれる向きもあるかもしれないが、きちんとSF的要素を織り交ぜ「翼」についての解を用意している点で違うと考えます。)、20冊を超えんとするこの作品でそのヲチだけは回避して欲しい…神の呪いとは別にいかにもな母親が出てきたので。
178 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/09/20(火) 14:52:53 ID:???0
太洋社 調査期間:2005/9/12 ~ 2005/9/18
総合
1 講談社 のだめカンタービレ 13 二ノ宮 知子 2005/09/13
2 新潮社 エンジェル・ハート 16 北条司 2005/09/09
3 講談社 きみはペット 13 小川 彌生 2005/09/13
4 白泉社 フルーツバスケット 18 高屋 奈月 2005/09/16
5 集英社 DEATH NOTE 8 大場 つぐみ 2005/09/02
6 講談社 School Rumble 10 小林 尽 2005/09/16
7 秋田書店 WORST 12 高橋 ヒロシ 2005/09/08
8 集英社 NANA―ナナ― 13 矢沢 あい 2005/08/12
9 マッグガーデン 僕と彼女のXXX 3 森永 あい 2005/09/10
10 マッグガーデン ARIA 7 天野 こずえ 2005/09/10
少女漫画
1 白泉社 フルーツバスケット 18 高屋 奈月 2005/09/16
2 集英社 NANA―ナナ― 13 矢沢 あい 2005/08/12
3 集英社 NANA-ナナ- 2 矢沢 あい 2000/12/11
4 集英社 NANA-ナナ- 1 矢沢 あい 2000/05/15
5 集英社 NANA-ナナ- 3 矢沢 あい 2001/05/15
6 集英社 NANA-ナナ- 4 矢沢 あい 2001/12/10
7 集英社 NANA-ナナ- 6 矢沢 あい 2002/09/13
8 集英社 NANA-ナナ- 5 矢沢 あい 2002/05/15
9 集英社 NANA-ナナ- 7 矢沢 あい 2002/10/15
10 集英社 NANA―ナナ― 8 矢沢 あい 2003/05/15
貼り付けながら大笑い 白癬系情けなさ杉w
それともNANA大人買いツアー一行でも現れたか??
179 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/09/20(火) 15:17:24 ID:???0
フルバ空気嫁w
180 名前:花と名無しさん 投稿日:2005/09/20(火) 15:31:23 ID:???0
無理w
少女15位まででNANA全巻揃うんだろうな
フルバ終了後の花ゆめは大丈夫なのか?
もうこれまでも充分にひっぱって貢献したと思いますよ…おそらく身体の故障というアクシデントがなければ、リハビリ的なサブキャラ話が減っていて全15巻くらいで収まったのではないかと推測します。あと花ゆめではないですが、もう一つのドル箱「ホスト部」をアニメ化という噂が流れていますがどうなんでしょう、ソースらしきものが一切見当たらないし現時点ではがせ?
「さよなら絶望先生」1巻 久米田康治
久米田先生の作品は賞味期限が短いので新鮮なうちに読まないと微妙な気持ちにさせられますがまさに週刊連載向け作品だと思います。ただ前作は途中でオオバケした羽美ちゃんという魅力的なヒロインが作品を引っ張ったけれど、今回は赤松先生を見習ったのかヒロイン候補をわらわらと出して曖昧になっている分パワーが弱いかも。
講談社として木村カエレはぎりぎりセーフなの?
【なぜ手に取ったのか理解できない作品群】
「デスプリ」1巻 吉田蛇作
見るからに地雷臭が漂っている作品も、その地雷っぷりを確かめるために手にとってしまうことがある罠。エロ萌えを狙っているのだと思いますが、シンプルな造形(「エイリアン9」に近い?)の為非常に健康的な作品に仕上がっているように思うのは私だけ?「はれぐぅ」亡き今(続編もあるなんて(∩゚Д゚) アーアー きこえなーい)、この明るく黒いギャグ作品で面白いもの出てこないかな…。
【惰性と言う慣性の法則が働いている作品群】
「スクールランブル」10巻 小林尽
八雲と沢近の直接対決のシーンは見所あるのに、肝心の播磨がいつまでも旧ヒロインに拘っているため盛り上がらない。無駄に増やしたキャラはようやく打ち止めになったみたいだしもう少し踏み込んだ展開希望します(本来、萌え4コマに近い芸風だったのに、随分宗旨替えしたよね)。
1 名前:六商健一ψ ★ 投稿日:2005/09/30(金) 15:22:43 ID:???
制作:スタジオコメット
(C)小林尽/講談社・マーベラスエンターテイメント・創通エージェンシー・テレビ東京
OP・EDはOVA用、初回版もある予定、値段7140円
以下のサイトにて情報を確認(現在は消去されてます、またgoogleのキャッシュも削除)
http://www.neowing.co.jp/anime/index.html
http://www.geogp.com/
消去される前にあった画像
放映直後から続編の呼び声高かった(セールスも各巻1万枚以上出ているようだし)だけにまずはOVAでファンを繋いでおくということなのでしょう。ただこのサンプル画像を見る限り最終話で次回予告を作ったサバゲー編ではなくて温泉話のようですね。