新刊漫画感想11月前半 | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

今まで我らが守護神として社民党の保坂議員くらいしか賞賛してきませんでしたが、所属している政党に難ありで悲しさが否めなかったわけです。しかしここに強力な守護神となりうる存在を手に入れました!

今までその放言、毒ばかり(単に身も蓋もない正論に過ぎないものも多いですが)注目されてきました(詳細は→麻生太郎外務大臣(゜⊿゜)まとめサイト )。しかし↓を読んで私は感涙を禁じえませんでした。

麻生太郎 コミックを語る <NO.1>
麻生太郎 コミックを語る <NO.2>

>今、どれくらいお読みになってるんですか、コミック誌は?

麻生 え~、「マガジン」「ジャンプ」「サンデー」「チャンピオン」。厚いやつが4つ。それから、「ビッグコミック」「オリジナル」「スペリオール」「スピリッツ」「モーニング」。あ~、「ヤングジャンプ」「ビジネスジャンプ」。まだありますよ。

凄い、まさに壮観としか言いようがありません。私ごとき白泉少女漫画に偏重している人間など足元にも及ばない読書量です!

(中略)

>三省堂のコミックステーション渋谷。

麻生 そう、そこで、新しいのが出てきたら、探して……

>あの、ちょっとマニアックな品揃えのコミック専門店へ、こ自分で行かれるんですか?

麻生 行きます。護衛官と秘書と、運転手さんも来てくれて。はたから見てたら異様な集団だろうね。今じゃ護衛の人もコミック読むようになって、『ゴルフ漫画で、おもしろいの出てます」とか、逆に教えてくれる。毎号読んでるコミック誌以外の、新しいのは、なかなか知る機会ありませんから。

そのうち出くわす機会もありそうで楽しみです。渋谷においてはブックファーストと並んで書店として押さえておかなければならないポイントです。

>半世紀にわたって、コミックを、リアルタイムで、ずっと読み続けてこられて、最近、特に感じられることって、ありますか?

麻生 最近のコミックですか?主人公のキャラクターが、なんとなく輝いていないような感じがしますね。チーム組んで、キャラクター作りやってるって話じゃないですか。そのせいじゃないかな、と、僕は分析してるんですけどね(笑)。

端的で鋭い分析に脱帽! 最高に厨臭い設定の漫画について語るスレ で繰り広げられている愚痴も要は類型的な設定及びキャラクターによりかかった漫画と化している現状に対する不満に過ぎません。それらを完全に排することは夢想に過ぎませんが+αとしての独創性がないと…哀しいね。

>耳、痛いな。みんなでなでまわしているうちに、作者の思いというか、個性のトゲが落ちてしまうってことは、ありますね。ところで、一般的な認識だとコミックは、60年代までは子供のもので、70年代になって、やっとサブカルチャー扱いになって……

麻生 今、やっぱり、日本のカルチャーをもっとも支えてるのは、一番で言ったらアニメーション。二番がコミックで、僕は間違いないと思うけどなあ。だって,無視できな<なって、カンヌ映画祭もついに『干と千尋の神隠し』でしょ。次にハリウッドも賞出したわけでしょ。出さざるをえない。『タイタニック』上回ったんだぜ、興行収入。すごいことだと思うよ。『千と千尋』で,外国人がたまげるのは、あれ、多神教ですもんね。神様がいっぱい出るからね。多神教っていうのはヨーロッパには、ギリシャ以外ないでしょ。キリスト教にしても、イスラム教にしても、ユダヤ教にしても一神教でしょ。あれは多神教の極みでしょ。.だからその意味じゃ、あれは、日本のカルチャーそのものですよ。それから、あの.えらい流行ったやつ、なんだっけ、アメリカでやたら流行った…

日本のカルチャーを支えている漫画、アニメに被害妄想でもって襲い掛かってこようとしている勢力をどうか蹴散らしてください!

ゲーム市場における「上流マーケティング」と「下流マーケティング」

「下流社会」についてはその刺激的なタイトル名だけが独り歩きをしそうな危惧(内容は至極真っ当)はありますが、今回メモったのはゲームに応用できるか否かの分析が、ソニーさまの適度に飽きやすいゲームを作るのは大切だ なる名言と被ってとても楽しかったから。私は若者圧倒的弱者、搾取論は遠くない未来において時間(←基本的に何でも解決するマジックワード!)が解決すると思っています。バブル期が記憶に鮮明ですが少子化が進めばいずれ売り手市場は復活しますから。それまでは適当に消耗しきらないように「飽きない」メディアと戯れていればいいと思います。


階級社会については↓辺りを参照ください。
http://newmoon1.bblog.jp/entry/106657/
http://newmoon1.bblog.jp/entry/162008/


以下 単行本感想(「ことのは」は一食抜いても是非とも読んでください!)

【幸せを届けてくれた作品群】

「ことのは」麻生みこと

先日あげた麻生みこと「天然素材でいこう。」~理「心」論~ にまんま被りますが、言葉でもってここまで心理描写をねっちりと描こうとするのは、言葉に対する信頼が根本にあるからだと思います。いちいち口にださなくても伝わるというのは幻想だと排した上で、もちろん言葉でも伝えきれない部分がでてくるのは仕方がなくても、その分は言葉を増やすこと(専門用語込み)で畳み掛けることで補えるはずという…方向性により深化した短編集がこの本です。つまりこれまでが話し言葉(会話)中心だったのが、書き言葉(書道、日記、詩)をもその射程に収めたということ。これまでもできるだけ文脈・雰囲気に頼らない言葉を文字通り解釈させる物語を意識してきていたと思いますが、書き言葉になると確定してより揺らぎが少なくなります。その上で逆説的に文間に溢れ出す何かを見ると少女漫画って最高!と叫びだしたくなります。


「デーモン聖典」7巻 樹なつみ

物語がいきなり怒涛の展開に突入です。遊び、ゆとりがなくなり総てが伏線としか思えなくなってきました。誰が敵かデーモンかといった点のみならず、デーモン利用法がきちんと設定に練りこまれていて感嘆!


【購入に値した作品群】

「みなみけ」2巻 桜場コハル

恥ずかしながら題名について無意味な4文字羅列だと思っていましたが「南家」なんですね_| ̄|○

とりあえず限定版はパスさせてもらいました、そこまでの何かはないし(同級生の友人たちは3姉妹のどの学友かといったことも軽くスルーして緩~く読んでいます)。


【暇潰しにはなった作品群】

「ブルーラムン」2巻 有木涼

新人でファンタジーを描いているというだけで、個人的には評価が甘くなるんですが…この既視感、古さはどこに由来するのでしょう。おそらく単純な設定や、垢抜けない絵柄がその答えなんですがそれが個性のような気もして…とりあえずもう少し執筆スピードを上げてもらわないと1巻は既にダンボールに収納済みでしたよ。登場人物を増やす、真の悪役を新たに作る、世界を広げる(魔法の構成要素が根本的に異なる3カ国を思い描いているならなおさら)といったことは最低限必要だと思います。ファンタジーなのにまるで「冒険王ビート2」みたい。


【惰性と言う慣性の法則が働いている作品群】

「よろしくマスター」筑波さくら

筑波さくら著作というだけで地雷臭はぷんぷんしていたにかかわらず、その拒否反応を抑えて手に取りましたが案の定_| ̄|○

柔らかい絵は大好きなんだけど、ここまで話がおざなり(柱では苦労したとか書いているけれど)…っておそらく筑波先生の引き出しは小さすぎやしない?下僕ものという王道もので、唯一の売りであるサンタ設定(きっちり生きていたのは第1話だけだったような)を無視するかのようなお約束イベントの連発。「囚われの身の上」(後半はヽ(゚∀。)ノアヒャヒャヒャヒャだけど前半は確かに快作だった)の爪の垢でも煎じて飲んだほうがいいです。