今の少女漫画について想うこと | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

初めに小学館の先月末の新刊の題名をいくつかピックアップ
バージン☆エキサイト(桜井美也)
泣かせちゃおーか 2巻(春日あかね)
先生は生娘がお好き。(わたなべ志穂)………ちなみに来月からもいくつか

R-18(すぎ恵美子)
禁断~この胸にある焔(刑部真芯)
僕は妹に恋をする 7巻(青木琴美)
官能小説 3巻(藤井みつる)
裏恋愛調教~ホスト遊戯~(わたなべ志穂)

これらはレディースコミックではありません、あくまで少女コミックです。
現在の少女漫画が陥ってしまった袋小路今の少女漫画に欠けているものとは の前スレに少し書き込んだものを元に整理。


178 名前:花と名無しさん 投稿日:04/10/13 03:42:21 ID:???

漫画についてのこの種の話題だと必ず「今はゲームやアニメに…」と出るけど、 少なくともゲームはものすごい勢いで斜陽です。10万売れたら十分ヒットというくらい。 アニメは深夜帯にけっこうやっていたり、DVDの女性の購入額が伸びていたりはするけれど、産業としては海外への外注が多く、働くにはかなり厳しい業界。
まあ売上げ減の最大の要因は携帯にお金が流れたことなのは明らか。
一人の人間が使うお金のパイの中で携帯に占める割合が高くなればその分他の部分で出費を抑えるわけだから。アパレル業界なんかでも普通に言われてる。音楽業界はそれをファイル共有ソフトや輸入盤のせいにして自分の首を絞めてるけどね。

659 名前:花と名無しさん 投稿日:04/10/31 08:04:13 ID:???

スポーツ→ほぼ絶滅
SF→消滅
ファンタジー→消滅。ファンタジーを描きたい女性はスクエ二系のライトオタク雑誌に行く模様。
歴史、大河→一部大御所が頑張っているものの、特に変わった部分は無いし
レベルのダウンは幅も少ない。
文学→文学的なモノローグを取り入れる作品は多いもの、かつての24年組のそれにはまるで達していない。書きたい人は青年誌に行く様子。(冬目景など)
女流コミック→。岡崎京子、安野モヨコ、桜沢エリカ、等に変わる作家は現れずフィーヤン部数激減
ギャグ→不作。新井理恵、岡田あーみんのような文句無く笑えるギャグは無し。
少年愛→少年の同性愛を通してジェンダーを見るというようなスタンスはほぼ消え萌え供給の為のライトなBLが中心。
恋愛の書かれ方→小学館を中心に恋愛依存症ともいえる恋愛至上主義を掲げる雑誌が増えた
ヒロイン・ヒーロー像→ヒロイン→積極的なようでとことん受身。(昔の漫画は受身なようで自主性があった気がします)
ヒーロー→常にヒロインを付け回す(見守る、よりこの表現が妥当でしょう)
舞台→現実世界が中心

660 名前:花と名無しさん 投稿日:04/10/31 08:05:28 ID:???

幼年誌→児童文学的なファンタジーは期待できない 「魔法少女モノ」はアニメの専売特許になってしまった更に幼年誌までもエロ&恋愛依存症の波。
少女誌→小学館を仲春にエッチを売りにする漫画激増。TLと名づけられる。いじめ、援助交際、ドラッグなどテーマに掲げ、厨房の冒険心を煽っている?
レディース誌→主婦向けと古参少女漫画ファン向けの二極化。どちらも高レベルとはいえない。 後者には頑張ってる作家もいるが「看板」や「購買意欲を高める」レベルには残念ながら達していない。

661 名前:花と名無しさん 投稿日:04/10/31 08:11:41 ID:???

長文スマソ自分で書いてて新しい動きといったらこのくらいかな…
■女の子向け少年マンガというジャンル(最遊記等)
■エヴァで一世を風靡したような内に向かうセカイ系ではなく外(攻撃性)に向かうセカイ系。
■TLティーンズラブ。

844 名前:緑川ゆき良いよ 投稿日:04/11/05 11:44:49 ID:???

>>659,660
につなげると、今の少女漫画に欠けているのは「多様性」だと思う。読者と出版社の共犯と思うが(簡易な内容、売れた作品の模倣作品の濫造)いわゆる適応が適応を締め出すことになったことが問題の本質だと思う。結果、多様性を失ったことで進化の袋小路に陥り、環境の変化(>>178)に対応できず現在の惨状があるんだと思う。学園もの、芸能界もの、性愛ものを否定するわけではないけれど、他の作品を意図的に載せる努力を出版社にして欲しい。まだ個人的には完全に絶望はしてません、してないから買い続けているわけだし。
資本主義な以上売れる作品が至上命題だと思うが、売る努力、手法次第では
その他の作品でも売れると思う(それこそメディアミックスでも何でも使えばいい)。

859 名前:844 投稿日:04/11/05 18:40:49 ID:???

別に恋愛という要素を一切排除する必要はないと思う。ただ、他にメインテーマを据えられないのかなってこと。
男性の自分が言うのも変だけれど、みんな恋愛だけでいいの?多様性と丁寧な作画こそがその他の漫画との差異だと思っていたんだけれど違うんですか?
そもそも恋愛という要素だって隠し味として使われる方がひきたつような
気がするんだけど。恋愛ばっかりじゃしつこくて飽きない?

867 名前:花と名無しさん 投稿日:04/11/05 20:39:38 ID:???

完全に絶望していないのは、短編を書ける新人がちらほらといるから。短編でも恋愛を主題にすれば「起承転結」簡単に書けてしまうが、その他を主題にすえるとテーマ設定、配分等かなり難しいと思う。
今の少女漫画に欠けているものという主題に付け足すと「短編」を書ける漫画家を育てないことだと思う。少しでも人気が出ると、短編をそのまま長編にしてしまう。するとテーマも練りこみもないため、だらだらとキャラ萌えに寄りかかったお約束をなぞった話ができあがる。読者も最初は支持をしていても、やがてその作品に飽きるとともに、少女漫画自体からも卒業していってしまうのではないか?
いっそのこと小説スクールみたいに三大噺ならぬ、三大禁忌でも設定して
長編においてそれらを使用することを禁止とかどうだろうか。幼児期の虐待とか女装とかレイプとか801とか…解決法というよりねたみたいだ。

870 名前:花と名無しさん 投稿日:04/11/05 21:16:43 ID:???

>>868ごめん、最後の一段落は調子に乗りすぎた、もうROMだけに回ります。
短編をそのまま長編にした場合の最大の弊害は2点だと思っています。一点目は収束点が定まらないこと、人気がある限りは編集側に求められて書き続けないといけないから、どんなに快作として始まったとしても最後は駄作としてしか終えようがない(人気がなくなるまで引っ張り、急遽切るわけだから、伏線も伝えたかったことも何も表現しようがない)。
二点目は漫画家を疲弊させてしまうこと、長編を書き続けるほどの蓄積(経験・実力)もないまま書いているうちに、表現しようという意欲も出版社側の事情・惰性に飲み込まれて、いざその作品が終わったとしても次回作はせいぜい焼き直しでそのままフェードアウト。
この点は特に週間少年漫画でも同じだから少女漫画に限定した問題ではないと思うけれど、漫画家という点でスキルの蓄積は不可能にしてしまうと思う。


まず上記のログに付け足すと、ことここに至るには至るなりの理由・ターニングポイントがあったに違いないはずだということ。
小学館において現在の性コミ化が始まったのは、北川みゆき→新條まゆ→刑部真芯の流れの中で、とりわけ新條まゆの存在が大きかったと思う。本人が積極的にマスコミ等に露出し、少女漫画家としての成功を胸をリアルに書いたこととアピールし道を築いた。後進作家はその道を粛々と、性行為の過激化・露骨化というランナウェイ過程を走っている最中。
講談社は、特定の作家というよりも、「セーラームーン」と「カードキャプターさくら」という2大成功メディアミックスの呪縛に罹ったまま、少女漫画独自の表現可能性を見失って、3匹目のドジョウを狙って未だに幼児向けに同じテイストの作品を提供し続けています。
集英社は90年代半ばに「ママレードボーイ」「ご近所物語」「花より男子」と日曜朝という最もおいしい時間帯を押さえ、メディアミックスで成功しかかっていたものを「花より男子」が利益が出なかったということで安易に手放したこと。その後同じアニメスタッフで「おじゃまじょドレミ」「デジモン」と次々とヒット作を今に至るまで創り続けています。その後は、中途半端な時間帯や衛星で作品を放映していますが、もはや手遅れで本体も少年漫画で稼いでいるということもあり、お荷物・見捨てられ感が漂っています。

結局のところ、90年代に角川によって使い果たされたという言説もあるが、今、現実的に少女漫画というパイを広げようと思えば、アニメを使わざるをえないということ。なぜパイに拘るかといえば、特定の年齢層の特定の嗜好の構造を持つもののみに供給するとなると、アンケート等を通して多様性が安易に失われるから。幅広い年齢層・嗜好をとりいれることでその多様性が確保され、表現可能性は豊饒化する。またパイそのものが大きくなればその分だけ、隙間、余剰が異端を受け入れるゆとりを作るということです。