政教分離についてのエトセトラ | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

『もとより宗教とは信仰生活だけに還元される精神の営みではないのであり、不可避的に社会制度としての側面をもつ。たとえば人の生誕と死に関与する法律や慣習などの問題があり、教育や家庭など万人の人生を左右する生活上の問題もある。その上で宗教感情や神との対話など内面の問題ともなるのである。』

                    工藤庸子「宗教vs国家」

工藤先生については、以前 も別著についてちらっと引用させていただいたけれども、「宗教VS.国家」 という新刊が出たので改めてメモ。

当該書籍自身についての正統なレビューについては、パペッティア通信さま イスラム女性は、なぜ学校でスカーフを着用してはいけないのか? 工藤庸子 『宗教 VS 国家 フランス<政教分離>と市民の誕生』 に譲りますというか、これ以上のものは書けませんので割愛します。

工藤先生が担任だったときの印象としては、もっとソフトなフランス文学や映画、そしてカフェについて一家言ある格好のいい女性というイメージだったのですが、「ヨーロッパ文明批判序説―植民地・共和国・オリエンタリズム」 、そして当該書籍と読んでそのあまりのハードさに心のそこから痺れました。おフランス直輸入の「現代思想」とやらをありがたがっている連中が未だに棲息している中(左界隈で絶滅寸前としてもw)で、そのようなものはまったく見向きもせず「歴史」と資料としての「文学」でもって真っ向から、フランス幻想を解体しています。

自由・平等・友愛を掲げるフランス共和主義が一般にイメージされているようなお綺麗なものでは決してないこと。それは大革命で流された血がというようなレベルではなく、それら理念こそが外においては植民地拡大の正当化に積極的に用いられたこと(前著)、内においては教育の自由を侵し、女性の社会進出を拒んだということです(当著)。だから断罪すべしというような議論ではなく、むしろ理念を実現するには手を汚すことが必要不可欠(だった)ということをこそ主張されています。

日本では先の大統領選挙を含め、あまり話題になっていませんが最大の争点は若年失業、要は移民対策でした。そしてそれはスカーフ問題とあわせて「政教分離」の問題であったといえます。日本の「政教分離」に対する判決同旨な解釈は国家権力が宗教に介入することへの禁止という一方向のものですが、文字通り政治と宗教を双方向的に分離させることに苦悩しているのがフランスを代表とするイスラム系移民の急増に国民同一性をどう維持するか苦悩するヨーロッパ諸国であり、キリスト教原理主義に征服されたアメリカの図といえます。

そのような現代的緊喫の課題・危機を前に現代思想の無効を知ったからこそのこの構成であろうと考えます。もちろん、工藤先生が現代思想について疎いわけではないことは、授業素材としてカミュやサルトルを使っておられたので知っていることもありますが。未だ訳のないものも含めて最先端の情報を追い、あるいはを十二分にフランス小説を蓄積(近代合理主義を可とする、金もしくは恋愛で楽しく、宗教なんて糞食らえというような)したことで辿り着いた地平ではないかと愚考致します。

また、あわせて「アメリカの政教分離―植民地時代から今日まで」(著)エドウィン S.ガウスタッド をお勧めいたします。こちらは同じく「政教分離」について「歴史」とともに重要判決を紐解くなかでアメリカ社会を貫く、神との距離についてしらしめてくれます。

得られる結論は日本はこれら欧米諸国を他山の石としましょうねということ、歴史的遺産である葬式仏教やイベント化した宗教行事を大切に、現世利益万歳でいきましょうということです。まさしく宗教は阿片にすぎません、宗教が神がなければ倫理が得られず、社会秩序は保たれない?なに寝言言っているのでしょうね、日本は十分に十分すぎるほどに秩序が保たれています。


以下 おまけ、日本の「政教分離」問題、創価学会

「一緒にやりたくない」公明副幹事長の福本議員が離党表明
>公明党副幹事長の福本潤一参院議員は15日、記者会見し、引退を余儀なくされたとして「公明党は全体主義的だ」と批判するとともに、離党届を提出したことを明らかにした。

>福本氏は夏の参院選で改選を迎えるが、党公認を得られず引退を通告されたと主張し、「初心を貫徹できずに無念だ」と述べた。その上で公明党について「所属議員の意向を聞かずに政策が決まる。ヒューマニズム(人道主義)を標榜(ひょうぼう)していても全体主義的で、アンチヒューマニズムな政党だ。これ以上一緒にやりたくない」と批判。「野党時代の公明党は鋭かったが、今は与党の中で妥協している」とも語った。

>これを受けて、公明党の北側一雄幹事長は緊急の会見を行い、「裏切り行為、利敵行為そのもので、断じて許されない」と福本氏を厳しく批判。「全体主義的」との批判については「どこの政党もすべて自分の意見が通るわけではない。わが党は民主主義政党だ」と反論した。(産経新聞 2007.6.15)

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1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 16:29:29 ID:v0w5ZlbB
仏敵確定?明日からの聖教新聞が楽しみだ。

12 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 20:09:09 ID:d4+Ue57J
公認漏れの原因は、彼の秘書の親戚の葬儀のやり方に批判が集中した事が原因だそうな。

日蓮正宗の僧侶でも呼んだんかいな?

13 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 20:10:01 ID:d4+Ue57J
>>12
ソースは民主党の鳩山幹事長の会見。

26 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 20:54:37 ID:d4+Ue57J
本人は鳩山にそう語ったらしい。民主党HPの幹事長会見の23分辺りで記者の質問に答える形で出てきた。

27 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 21:06:16 ID:IkaU2BON
>>26
確かにそう言ってるね。

2007/06/15
【ネット中継】鳩山幹事長記者会見 15:00頃~
http://www.dpj.or.jp/news/dpjnews.cgi?indication=dp&num=10183
の<ビデオ>16:00頃~
300k
http://asx.pod.tv/dpj/free/2007/20070615hatoyama_v300.asx
56k
http://asx.pod.tv/dpj/free/2007/20070615hatoyama_v56.asx

22分45秒あたりからの時事通信の記者とのやりとりだね。

(lll゚Д゚)ヒィィィィ

30 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 21:18:49 ID:???
秋谷は公明党の議員には宗教的中立を求めてると言い張ってたけど秘書の親戚には宗教的従属を求めてるんですか?

そうみたいです>< まだしも共産党のように党が秘書も用意してやれよw

31 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 21:22:01 ID:???
聖教4面座談会(予想)

竹内 :とうとう福本潤一いう増上慢が病死したようだな。
原田 :全く見苦しいだった。不摂生と堕落した生活でブクブクに太った体は全身チューブだらけ、退転者の苦しみの形相は、まさに堕地獄としか例えようがない。
正木 :思い出すだけでもおぞましい。あんな男が公明党副幹事長を務めていたのだからペテンだ。
原田 :我々を騙し、脅し、支配し続けた極悪人だ。
竹内 :あいつは本当にたちの悪い悪党でした。愛媛大学助教授時代も素行が悪かった。
原田 :全くどうしようもない傲慢な悪党だ。(笑)
正木 :東大大学院卒のエリート気取りの人間の性根なんてそんなものだろう。福本は愛媛大学助教授として自分の教え子の教育さえ、まともに出来なかったんだ。
竹内 :あの学歴狂い、名誉狂いがまともな教育を出来るはずがない。
原田 :福本の選挙活動のために、どれほどの貴重な学会員の時間が使われたか。
正木 :あのふざけた豚の死体を肥料代わりに売れば多少は弁償出来るのではないか(笑)
原田 :それは豚に対して失礼な話だ(笑) 

うわーなにこの実際にあった座談会のテンプレw

32 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 21:33:45 ID:3d1hxuY/
>>31
ネタでなく本当にそう書きそうだなw

34 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2007/06/15(金) 21:38:51 ID:???
>>31
完全にネタだな
本当の予想なら(大爆笑)が入ってるはず。

あと「大勝利」とかねw