>『理性を踏み外すと情念がひとりでに突進する。弱い人間は自らを過信して、無謀にも沖に出すぎて安全に避難すべき場所を見つけることができなくなる。』
モンテーニュ「エセー」
一般家庭に普及しつつあるセコム
―――マンション2LDKで設置費3万、保証金2万、毎月4800円
イスラエルの企業がテロ防止目的で開発し、海外ではカナダのトロント空港のほか、各国の軍事基地などで導入されているナイスビジョン
、池田小に3台―――標準価格で一台1500万円から〆て4500万over
不法滞在者の摘発強化―――約29億円(前年度比25.9%増)
過剰収容問題が深刻化している刑務所の整備―――平成16年度補正予算(約653億円)
犯罪被害者等給付金の増額―――たったの2億円
一般市民、納税者の憂鬱―――Priceless
とめどない不安の醸成で作られる治安需要―――Priceless
大口叩くだけで頼れる政治家・マスゴミ像の形成―――Priceless
体感治安の悪化で買える利権がある。買えないものはマスターカードさらなる扇動、体感治安の悪化で。
秋田小1殺害 報道被害どう避ける 取材人数を自主規制
>98年の和歌山カレー事件を教訓に、報道各社は、メディアスクラム(集団的過熱取材)を避ける模索を続けた。
あれで避けていたんですか…( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー
>「報道の使命は放棄できない」と難色を示す社の一方、「報道側の論理を持ち出したら、スクラムは防げない」という声もあがった。議論の末、必要な取材を続けるための取り決めが成立した。(1)玄関前の張り込みをやめる(2)隣接地での待機は、活字メディア2人、テレビ3人、車は各社1台に限定(3)プライベートの撮影や路上駐車は自粛――などだ。
どうせ警察のおこぼれもらうだけで、あとは関係者をおいかけまわすだけしかできないんだから、それこそ記者クラブやら再販制度といった既得権の維持に奔走したように共同通信一社に任せてあとで配信受ければいいだけじゃないか。そもそもそんな大人数を投入するほどの事件なの、これ?
>翌日午後5時、現場から記者たちが一斉に引き揚げ、隣の待機場所に移った。
それでもずいぶんましかと思ったら、帰らずに隣に移っただけですか、いるだけでどれだけ異様な雰囲気を醸し出すか(一度同じマンションの住人が贈収賄絡みでスクラムにあっているので想像できます)ということも想像できない想像力貧困な粗大ごみどもですね。
その事件を報道することでどれだけの公共の利益が得られるのか(それはもちろんそのニュースを流すことで流せなかったニュースとの機会費用について思いを致さなければ話になりませんよ)数値化してみたらいかがでしょうか?そうすることで事後の審査に耐える必要がでてきます、そのニュースを流したことによるメリット、デメリットをきちんと詳細に検証することができるはず。それとも物差しは視聴率しかないの?そうならば数字の取りにくい報道なんてやめて動物か、子供か、美人でも無意味に写しておけばいいんじゃないの?
横並びだから一社だけやらないということはできない?そうであるならば再販制度や記者クラブなんてまったくその正当化理由を失います。多様な報道を維持するも何ももともと金太郎飴なら死んでいます。消費者が求めているものを流しているだけ?だからそれこそ、動物か(略)。知る権利に貢献する報道機関には同時にどんなものを報道するかの報道の自由、そして流すものに対する編集の自由が認められているのにそんな高尚な権利をあたら腐らせているだけ。ほりえもんがニュースなんて買えばいいと言ったのはまさに正論としかいいようがない。
論座 7月号 犯罪季評 ホラーハウス社会を読む(2)「凶悪化する少年たち」というウソ 芹沢一也(京都造形芸術大学非常勤講師)
(あと、論座の中では、本から時代を読む (4)格差論と数字の落とし穴 佐藤俊樹がお勧め)では、kitanoのアレさまがとりあげられている「奈良県少年補導に関する条例成立」
を材料に、社会全体の潮流にまで目配りを促している。要は、少年犯罪が増えていないという事実、増えているのは補導(これも検挙の増減のカラクリと同じように警察の方針次第でいくらでも増減する)であって、唯一明確に増えているのは犯罪報道であり、それでもって体感治安がとめどなく悪化していく現状に対する警鐘です(その先は以下次号を待てと引いているので)。おじさん、おばさんの心的埋め合わせにマッチするとはいえ、事実の無視のされ方が酷すぎる。
そこに善意があるかないかなどは全くどうでもいい話、それこそ地獄への舗装は善意で敷き詰められているたぐいのこと。それともマスゴミ各社においてはニュースの重要度、重み付けが己れではできないということなのだろうか?自分たちがもっている権力、影響の大きさが分からないということはまさにキチガ○に刃物の世界です。
参考;http://newmoon1.bblog.jp/entry/277438/
駐車監視員に暴行、男を妨害行為で逮捕…全国初摘発
>今月1日の改正道路交通法施行で駐車違反の取り締まりを行うようになった民間の駐車監視員に暴行を加えたとして、警視庁麻布署は6日、東京都目黒区中目黒3、店員近藤智彦容疑者(25)を公務執行妨害容疑で逮捕した。駐車監視員への妨害行為が摘発されたのは全国で初めて。
例えばこれまでも路上喫煙の禁止など同じような運動はあったけれども、どうしてこれは公務執行妨害でいきなり逮捕したの?それは警察の利権だからに決まっているじゃない。きちんと杓子定規で施行されることで初めて天下り先が確保されるということでしょ?朝日はさすがに一面で流したみたいだけれどバカみたいに路上で駐禁違反者追い掛け回すくらいなら、天下りした人間、この法案を通した議員を追い回すのが報道のあるべき姿と考えるくらい通常の知性、品性の持ち主であれば容易に分かることでしょうに。
駐禁取り締まり委託先36法人に警察OB 14法人新規
>警察から任務を託される全国74法人に朝日新聞がアンケートしたところ、回答を寄せた法人の7割が警察の再就職先だったことがわかった。14法人は、今回の業務にあたり54人を新規採用していた。小泉内閣の「官から民へ」の掛け声とは裏腹の実情が浮かび上がった。回答を寄せた53法人のうち、警察OBを雇用しているのは36法人。人数を回答しなかった3法人を除くと、警察OBは計334人(新規採用を含む)を数える。21法人は未回答だった。
>警察庁は、民間委託のねらいを「警察官を交通取り締まりから犯罪捜査へ振り向けることだ」と説明する。しかし、同庁の試算によると、捜査に振り向けられる規模は「全国で500人程度」にとどまる。
>違法駐車が横行する大阪市の繁華街で取り締まりを担うのは、財団法人「大阪府交通安全協会」。200人以上の警察OBを抱える全国屈指の「警察の天下り先」だ。
>和歌山市でも、県交通安全協会が受注した。免許更新時の講習など2億数千万円の受託業務を通じて県警とのつながりも深いが、警察OBの受け入れについては回答を拒んだ。
>東京・新宿では、警備会社「ジェイ・エス・エス」が取り締まる。警察官僚出身の亀井静香衆院議員が自ら「生みの親」と公言し、設立当初、亀井氏が顧問、元警視総監が代表取締役についた。今回、新たに5人の警察OBを採用した。「交通にからむ業務なので、経験者が必要だ。幹部としてではなく、全員現場で働く」(担当者)
はいはい、天下り天下りという部分を除いて、ポイントは下線部。警官を犯罪捜査に振り向けることと言うと今までいかにもそうしていなかったように思うけれど、浜井浩一龍谷大学法学部教授(犯罪学)が指摘、説明なされた検挙率低下のカラクリにそのまま被ります。金沢警察庁長官が従来の「検挙率維持」という目標を転換して「重要犯罪対策」に精力を注ぐべきだと指示した結果、昭和63年あたりから検挙率が落ちたという事実があるということです。駐禁から始まって、おそらく今後、自転車窃盗や万引き、痴漢のような検挙率低下の主要要因の軽犯罪も委託されていくのではないでしょうか?
地域共同体を不安共同体として再構築しようとする権限委譲が、取り締まり業務の委託というのは笑わせてくれます(地方分権に関しては財政含め消極的極まりないくせに)。
マスコミは報道したニュース自体の重要度や、そのニュースの中で報道した事実の評価を数値化すべきと考えるのは、体感治安のテーマに即すると非常に見通しがよくなると考えるから。飛躍するようだけれど、保守派の好きそうな安全保障にかかわるような言葉で、安全と水がただの時代は終わったというのものがあります。この言葉の言いたいのは安全に金をかけろということだけれど、裏返せば安全はただではない以上安全とコストの均衡点が必ず存在するというだけのこと。それこそほとんど治安の改善(4%程度)に効果のない監視カメラなんてそのコストには完全に見合っていないことは言うに及ばずですし、重罰化やバカバカつまんない犯罪で逮捕して放り込んだあげくいっぱいいっぱいの刑務所なんて行政にとって自業自得としかいいようがありません。
なんて書くとではその1%の改善で犯罪被害を免れたものは、あるいは犯罪者が再犯を犯した場合を考えれば純粋な経済学の考え方というのは間違っているというような安っぽい正義感の発露もありうるのでしょうか?でも、そんな犯罪がゼロになるまで費用をつぎ込むだけの余力がいったいどこにあるの?ただでさえ危機、危機と騒いでいる財政には限りがある以上、その他の必要な予算との兼ね合いで削ったりつけたりしているわけですよ?そんな実効性の明らかでないものをいれることで社会保障費が削られたりするわけです…実にくだらないことです。何度でも繰り返します、安全はただではありません。
なにはともあれ安全だという考え方を敷衍していけば、究極的には核兵器+長距離ミサイルを持たなければ国の「安全」は保障できませんし、貴重な国内のぶつを流出させる輸出、何が入ってくるかわからない輸入なんておちおちしていられないという極論はいずれ個人レベルでの自給自足に近いところまで降りなくては辻褄あわないし、ゲートタウン以外には住めなくなるし、それこそ全土を監視カメラで覆い、監視カメラを監視する人を監視する人も必要になってくるしと…もういくらでもコストなんて無限に吸い込まれること請負です。それこそ、安全を得られた代わりに国敗れて山河ありという状態に陥るに決まっています。そのようなあまりのバカ騒ぎぶりをざっと大まかに知らしめてくれるのが↓
河合幹雄教授(法社会学) 治安が「あぶない」は「あぶない」
>外因には、「不慮の事故」「自殺」「他殺」が含まれる。外因による死者数は、2003年、日本全国で7万5638人であった。このなかで他殺は、たったの705人で、なんと1%にも満たない。
>他方で、自殺は、3万2千余りもある。百歩譲って「自殺は本人の責任である」という意見を考慮して除外しても、交通事故死者数、1万0913人と比較して、他殺は、その6.4%にしかならない。交通事故は、不慮の事故の最大カテゴリーであるが、その他の不慮の事故についても見ておく。不慮の事故全体は3万8714人、交通事故を除くと、残りは2万7801人である。このうち、1万1290人の死亡場所は家(家庭)である。家庭内事故の内訳は、風呂場で2936人、のどを詰まらせて2432人、転倒・転落で2186人等である。
車の運転なんてしていれば人を撥ねる危険性を認知しているという意味で本来誰しも未必の故意が認められるはずなのに、過失がありうるというのは要は、車社会によって得られる便益と、車社会によって失われる人命を秤にかけて前者を優先しているだけの話。↑の纏めに戻すならば完全に安全な社会を目指すという人はまずは何よりも車の廃絶を主張する必要がある。
>家にいるときが最も安全であり安心できる場所であると感じるのが常識であろうが、実態は全く逆の結果である。場所として、最も危険な風呂場にこそ監視カメラをつけてみんなに見てもらったらどうかという冗談が生まれるほどである。
監視カメラをつけたとしてもセコムの笑わせる例ではないけれど到着にかかる時間を考えると1人暮らしだと無意味。それこそご近所同士で相互監視できるシステムを構築しないといけなくなる。裸というプライバシーを犠牲にすることで得られる安全…冗談だとしてもこれは別におかしな結論ではないはず。
>そもそも、一件一件の殺人事件に大きなニュース価値があるとは思えない。それに対して、犯罪をめぐる社会の全体像を正しく捉えることは、社会問題を明らかにしてくれ大いに意味のあることだと考える。たとえば、少年犯罪の増加も凶悪化も全くの誤認であるが、少年犯罪の全体像を観察すれば稚拙化しており、今の少年たちは「犯罪さえできない」ぐらい問題をかかえていることがみてとれる。報道機関は、全体像を捉えることを常に意識して報道すべきである。また、統計を取る側も、わかりやすい指標を記録して報告すべきである。
これがまさに結論としかいいようがない。安全というのはむしろ危険があるというよりも勇気のいることになっているというのはなんとも奇妙なことです。これまで書いてきたような記事によるならば王様(=青少年)は裸(=安全)と指摘することこそが今政治家及びマスゴミに求められることにほかならない。
分かりやすい統計、図表なんていくらでもあります。それが人口に膾炙していないというのは一体誰の責任なのでしょうか?えせマッチョを気取っている人間は単純にそのおつむの貧困さを誇っているにすぎません。そもそも安全なんてちょっと考えれば生まれたときから死ぬときまで完全なものなんて得られるはずはないでしょう?それもまた極論?そうですよ、ただ安全というのはあくまで確率の下にあるもので、コストとパフォーマンスを慎重に加味しながら均衡点を探るべきたぐいのものというだけのことです。
>『権力はあらゆる徳の中の徳だ。それにはひとつしか欠点がない。ところがそのためにすべてが台無しになる。権力は決して完璧にはなれない。だから権力は飽くことを知らぬ。全能の権力だけが本物の権力だ、だがそれは不可能。』
ミヒャエル・エンデ「鏡のなかの鏡」
- のものもさん、情報ありがとうございます。
もう電波に関してはおなかいっぱいですよ、本当にorzとか言いつつも「文藝春秋」是非読ませていただきます。楽しい笑える電波だといいなー。 - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2006/06/13 03:04
- ところで「文藝春秋」での齋藤孝や櫻井よしこの言説がまた電波とばしてましたよ。
- commented by のものも
- posted at 2006/06/13 02:05
- どうぞ、どうぞいかようにもお使いください。そもそも転載したうえで批評し放題のブログなんですから、ここで無断転載厳禁とか言えようはずもありません!
まあ、それにこの記事自体が回答としてこしらえたものですから! - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2006/06/09 00:43
- >家にお風呂を構える場合には毎年の健康診断義務付け、入浴前の飲酒は厳罰化、できるだけ溺れないように湯張り量でもってスピード違反ならぬ深度違反の抜き打ち検査ともうやること目白押し!
↓
はははは(爆笑)!!!お風呂場温度監視システムも必要ですね。
おもしろいのでこのままうちでエントリーにしていいですか? - commented by 安原
- posted at 2006/06/09 00:21
- 安原さん、もういっそうのことお風呂も免許制度取り入れないといけないです。家にお風呂を構える場合には毎年の健康診断義務付け、入浴前の飲酒は厳罰化、できるだけ溺れないように湯張り量でもってスピード違反ならぬ深度違反の抜き打ち検査ともうやること目白押し!
さらにいうと、もっとも死者が出る病院なんて怖くておちおちいけたものではないですよね!病院行く前に病院行く資格があるかの検査とか、考えれば考えるほど安全対策は奥が深い! - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2006/06/08 22:33
- 遊鬱さん、おはようございます!
>それこそご近所同士で相互監視できるシステムを構築しないといけなくなる。裸というプライバシーを犠牲にすることで得られる安全…
ほんとそうですね。
たいへんだー「風呂死だー!!」。
日本の風呂事情は先進各国に比べて大変貧相です。治安はいばっていいですが、風呂はえばれません(笑)
http://www.tokyo-gas.co.jp/tamago/9812.html
東京ガスの数字によると年間1万人が風呂で死亡。下手すると交通事故死より多いんじゃい?という考え方もできます。日本の大切な命を救うなら、セキュリティ産業より東京ガスと結託して、日本の風呂の暖房事情を変えたほうがいいようです(笑)
ちなみに今月、風呂をなおす安原です。・・・・うれしいがすごーいお金かかるよーえーん(泣)こういうところにお金出してほしいな、まったく。
- commented by 安原
- posted at 2006/06/08 11:33