第五回 バーチャル社会の弊害から子どもを守る研究会議事要旨~権力とたたかう良心~(後編) | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

http://ameblo.jp/fuyugare/entry-10107175475.html の続き


【A委員】(=坂元委員)
>問題なのは何が有害かとか、そうしたコンテンツに関する判断、これについて国が一律に決めてしまうのがどうなのかというもので、これについては意見が分かれているということだと思います。ですから、そのあたりについてどこまで国が踏み込むべきことなのかということ、それ自体が議論の対象
であるということで、中間報告ではまとめておくということではいかがかと思うんですけれども。

義家のような人間向けか、再度、江川委員の発言をなぞって説明してあげる辺り親切ですね。

【座長】(=前田座長)
>私なんかも全く同じ考えでして、さっきF委員(=江川委員)のご指摘にあったとおりで、有害というのは非常に難しくて、警察庁でホットラインを作っていただいたときに、結局一番問題なのは、何を有害かでどこまで通報して、プロバイダーがどこまでチェックを入れるかということなんですけれども、それを国が決めちゃまずい、警察が決めちゃまずいと

工エエェェ(´д`)ェェエエ工いつのまにそういう考えの持ち主になったんだ!!!おかしいw全部目を通しているはずなのにここに至るまでそのような考えの持ち主だとはまったく読み取れませんでした!!!

>ここで書かれた内容も、そのコンテンツの中身まで踏み込んで、国が一歩出るというのは絶対しないという趣旨は貫かれていると思いますので、ただまとめ方が悪くて申しわけなかったんですけれども。

有害図書に関してどんどんやれと前回述べた方と同一人物とは到底思えない発言キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!

【F委員】(=江川委員)
>それに関してなんですけれども、ですから有害情報に関しては、A委員(坂元委員)がおっしゃったように、どれで線引きするのかとか、どこが線引きするのかとか、やはりそういう議論を深めていく必要があると思うんですね。ただ、やはり違法のものについては、もうすぐさまやれるわけですし、やっていただかなければならないので、それについてやはり警察及び関係機関の一層の奮闘を促すような形にしたらどうかなという、中間ではそれにとどめておいたらどうかというような気がしています。

駄目押しの駄目押しw

【A委員】(=坂元委員)
>報告書の案の文言について少し気になっていることがありまして、それを少し申し上げたいのですけれども。「子どもが非行・犯罪を犯したり、犯罪に巻き込まれる危険性が高まっていること」というところから始まる節がありますけれども、アとイとウの3つに分かれていまして、アが「非行・犯罪に巻き込まれる危険性」、イが「出会い系サイトなどを通じて福祉犯被害に巻き込まれている状況」、ウが「子どもの携帯電話の悪用による被害の深刻化」となっていますが、内容的にアとイの区別とアとウの区別が少し分かりにくいかと思った次第でございます。

この下りは一言一句といっても過言ではないほどに以前展開された批判をなぞられておいでです。というか、お説ごもっともいわんばかりに拝聴しておいてその批判をまったく反映させず同じものを提出してくる竹花の厚顔さに対抗するにはこれしかないんです。・゚・(ノД`)・゚・。そして以下は細かい一見どうでもよさげな修正要求が続きます。しかし総てを修正した日にはいつのまにかに換骨奪胎、まったく違うものになるという、密かに毒を潜ませた積み上げ方の要求です!↓の例示辺りは明らかに根本的なものです!

>実は携帯電話を利用する子どもの方が、戸外での遊びや友達との会話が多い状況があります。例えば実際に次のページに調査結果がありますけれども、メールの利用頻度が高い子どもは、むしろ友達が多く、外でよく遊びます。ですから、ここはこのままでは不整合があります。そこで、「時間がとられ」ではなくて「時間がとられた場合」として、極端に使い過ぎた場合であれば、戸外での遊びや友達との会話さえも阻害される可能性が出てきますから、それを含意することで一応不整合を解消できるのではないかと思います。

携帯の弊害ではなく有益性をとくものになっちゃうw

>「些細なことで友達関係を解消するなど、人間関係において人間の思考を短絡的にする」という文については、「短絡的な思考を行う」というのが行動でしょうから、そうまとめる方がよいかと思います。ただ、この報告書は、出されてきた意見をレビューすることを基本としているということかもしれず、そうであればあってもいいということかもしれませんが、短絡的な思考というのは私の分野では余り言われてはいないことでございますので、私の気持ちとしては、これは削除してほしいと感じもしております。

文として意味のなさないカタチに翻訳した上で、もう一段それでは意味がないと削除要求…凄すぎる♪

>調査の結果がございまして、1つ目の「1日50通以上メールをする中学生は、できないとイライラしやすい、22.9%」などとありますが、このパーセンテージの意味がよくわからないと思うんです。例えば「学校のことがおろそかになる」12.9%というのは、むしろ少ないように見える数字でありまして、これだけ見ますと、これが何を意味しているのかわかりません。もう少し数字に関する構造を示す必要があろうかと思います。

だせるわけがないと見越した上での発言だw

>「大人社会への不信感やルールの軽視」というのがございまして、「子どもが様々な情報に接し、インターネット上では違法・有害情報が氾濫している状況を大人が放置していることを認識して、大人社会への不信感を募らせるということも指摘されている」ということですが、これが本当かという気がいたします。むしろ放置しないでいろいろ規制する方が、自分たちはそんな問題を起こすはずがないのに、自分たちを信用しないでそんな規制をしてくるということで、不信感を募らせるかもしれないというようにも思いまして、これは、私はデータを示した方がいい話であると感じました。それがなければ慎重に扱って、これは言及しない方がいいかというふうに思っているわけでございます。

まるでこの種の記事にコメントを入れてくださる捻くれた方々のことをさしているみたいだw(え?自分?(∩゚д゚)アーアーきこえなーい)

【座長】(=前田座長)
>これについて事務局の方から簡単にコメントをいただけますか。

既に全面的に屈服した手前、ここで退けるわけにはいかないので事務局に丸投げw(いつものごとく竹花が出てこないのどうしてだ?というかもうむくれてしまったのかこの後全く口を挟みませんw)

【A委員】 (=坂元委員)
>アの方は情報が悪さをするもので、イの部分は人、すなわち大人が携帯を悪用して悪さをするものと捉えております。これに対し、ウは、今度は子どもが携帯を使って悪さをする、加害者になる場合です。アの場合は、人が直接ではなくて情報が影響を与えて、その結果問題が起こるということで、イやウと区別できるのではないかというのが私の意見でございます。

【座長】(=前田座長)
>ほかの委員がご納得いただければ、これで一応そこのところは、今言ったような論理的な関係で分けるということで。

【A委員】(=坂元委員)
> 一つよろしいですか。「子どもの成長にとって」というのをとって「重要な」というのは削除するということで、私の案を申しますと、「携帯電話の利用に過度に時間がとられた場合、戸外での遊びや友達と直接会話をすることなど多様な活動を行わない」。これはかなり細かい話なので、例えば私と事務局の間で少しすり合わせをさせていただくということでいかがでしょうか

直接纏め文書に手を入れる権利をさりげなく獲得しました!!!凄い、凄い、凄いよー!

【座長】(=前田座長)
>わかりました。今のレベルの話であればいいと思うんですが、ただ「大人社会への不信感やルールの軽視」というところ、これはデータがきちっとないのであれば、ここを落としたらどうかというご指摘があったわけですね。これについては事務局の方のお考えはいかがでしょうか。

【事務局】
>数字では示せないんですけれども、議論の中でこういう指摘がございました。良識のある子どもが、大人がそういう現状を認識しながら放置していること自体、不信感の原因になるんだというご指摘でございましたが、その部分も指摘の一つとして入れたものでございます。

さすがに竹花氏のもっとも言いたいことなだけにここを削ることには事務局も抵抗を示しています。

【F委員】(=江川委員)
データがあるわけでもないので、こういう議論が分かれそうなところのものを入れ込むよりも、多くの人がそれはそうだという納得できるものを、数少なくても出していった方が説得力があると思いますので、ここはこの項目そっくり削除しちゃっていいんじゃないかなというふうに思います。

江川委員の援護射撃ですw

【H委員】(=義家委員)
>逆に言えば、その上にあるこの魚住レポートですね。この魚住さんのレポートの問題の方が非常に勘違いを呼ぶかなと思っているんですけれども、

さすがにここでは擁護に入ってきました。しかし根拠として大切にしていた魚住レポートを否定してしまう辺り墓穴にみえるw

>一般的な友達というの認識と、彼らの友達という認識は全く乖離している。例えば家も知らない、名字も知らないで「友達」と言い切ってしまう関係。つまり、薄くて広くて危うくて、悪いことは一緒にできてしまうという、それをもって「友達」と表現している部分が今非常に問題なんです。高い共感性、社会性の部分では発達しているというけれども、私はこういう人間たちの持っている社会性というのは、本来持たせるべき社会性とかではなくて、逆に言えばバーチャル社会性というんですか、成長のために必要な社会性ではなくて、自分たちで特別に作っちゃっている特殊社会性、現実社会と乖離した社会性、裏切られるだけで、思い通りにいかないだけですべてを壊してしまうとか、そういう問題が―だから、この項目自体が、説明が必要、でも説明するというのもちょっと難しい問題でもあるので、この項目の扱いと、先ほどA委員(坂元委員)が指摘した前後との兼ね合い、整合性の問題が、これを載せると逆に難しくなるというか、突っ込みどころが多くなるだろうなというのはすごく感じます。

さすがは品行方正な学生生活をおくられた方だけあって説得力ありますね!というか思春期のピアプレッシャーやらギャング集団みたいなものは最近出始めたものではなくて発達課題として教育心理ではずーっと前から言われている類のものなんですがw

【I委員】(=相原委員)
>データとしてきちっと出ているという形のご報告なので、それをあえて否定するつもりはないんですけれども、ここでそれを前提とするという話でいいのかどうかというところに関しては、反論的なところが出てこないのかなという思いもあるので、不安に思ったというところは正直いってございます。

苦しい擁護が続くというか、擁護すればするほどぼろがでてきました、そこをすかさず江川委員が指摘しますw

【F委員】(=江川委員)
>今、H委員(=義家委員)とI委員(=相原委員)の話を聞いていて、なるほどなと思ったんですね。私は、I委員が最後におっしゃった、両方これで落とすという方に傾きつつあるんです。というのは、成長にとって好ましくないというと余りにも広過ぎて、つまりこの子が犯罪に巻き込まれたり犯罪に加担するかということだけじゃなくて、この子がマナーも正しいいい子か悪い子かというところまで、ちょっと包含するような、かなり広い部分ですよね。ですから、警察庁が主催している研究会が出すところを考えると、やはりもうちょっと、このエリアをかっちり限定させた方がいいかもしれないなという気がします。もしこういった問題にまで踏み込むのであれば、もう少しデータをきっちりそろえて、それが犯罪との関連のきちっと言及して言った、言える段階になってから出すなら出すというふうにした方がいいかもしれないなという気がしますが。

【B委員】(=小林委員)
意見とか指摘については、きちんとした調査のデータに基づいている、あるいは一つの調査だけではなくて普通の調査でも似たような結果が出ているというような、かなり要するに、信頼性とか割と高いものと、あるいは専門家の方のある程度個人的な経験に基づいてのご意見のものと、後の方のものは、これは決して軽々に信頼できないというものではないとしても、もちろん違った意見を持っている方も世の中にはいるわけですので、後の取り扱いは多少慎重であった方がいいかなと。

4回目までの竹花―前田ラインの言説全否定キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!今までもずっと参加されていた刀だけにどうしてこれまで口を開いてくれなかったのかという想いとともにこれほど頼りになる方も参加されていたということが嬉しい誤算です!!!

>特に、この「行動への影響」については、ご指摘があったにしても、A委員(=坂元委員)もそうですけれども、私も研究者でありますので、子どもの発達に関わる学問的な観点から見ると、どんどんこういう意見というのは学問的に信頼を受けるデータ、ベースできちんと立証されているか、共有されているかということについて、自信を持って確定的に言えない部分も少なくないので、やはり慎重であってほしいなというふうに思います。以上です。

あー真っ当な専門家二人目をここに確認。・゚・(ノД`)・゚・。

【座長】(=前田座長)
>警察でも生活安全部門というのは、やはり行政的なもので前に進めるという側面を持っているんですね。やはり少年を取り締まるところもあるんですが、少年育成課というのも現場は置いているわけですね。ですから、どうしても教育的なところに入っていって、積極的によくしてあげようという側面を警察が全くしないかというと、そうではない

警察でもないのにその内実について汲み取られたいいお話ですね(棒読み)。余計なお世話です!

>我々の世界では論証がなくても、例えば堕胎罪は実際には年に1件も処罰しないんですよ。だけれども、現実には30万件ぐらい中絶が行われていて、だからこんなものがあるとやはり国民が法規範を信用しなくなるじゃないかと。

堕胎罪を見逃すことをもって、論証がなくても警察が取り締まれるようにすることをどう正当化できるのか全く分かりません><

【座長】(=前田座長)
>事務局にお伺いですけれども、この中間報告というのは、これは公表ということは記者レクしたり何かしてということなんですか。

【事務局】
>はい、記者発表をさせていただければというふうには考えております。

【座長】
>あくまでも中間報告として、ただネットなんかを見ていると、それこそ非常に注目されている会議であって、こういうことをやっているんだというのは示す必要はやはりあると思うんですね。その意味で、今日大体ご議論伺っていて、もちろんご不満、全く解消されたということではないと思うんですけれども、今いただいたご意見を全部修文して入れて、それをまたネットで
回すことを前提にして、いつ出すかは、またご相談してということではあると思いますが、この次もう一回会を開いてから、中間報告を出すというのは、ちょっとタイミングを失しちゃうと思うんですよ。ですから、ちょっと私がまとめさせていただいて、これは今日の段階のご意見を踏まえたものを一回外に出すということで、事務局どうですか。

【事務局】 そうさせていただければありがたいです。

【座長】
それで、いよいよ本格的にやはり、ある意味で本丸なんですけれども、原因の問題とかに進んでいかないと。もちろん書き込もうと思えばいろいろあるし、フィルタリングをもう一歩やって、もう一歩具体的なものを書いていった方がいいに決まっているんですけれども、やはり今の段階では、ここら辺で中間報告とさせていただいて。 では、今日の段階としては以上のご議論を踏まえてこれを修文することを条件に、中間報告としてご承認いただくということでまとめさせていただいてよろしいでしょうか―それではそういうことでまとめさせていただいて、よろしくお願いいたします。

まさに中間報告をこのタイミングでだすために最後は丸呑みのポーズというか(ただちゃっかり自分が纏めるとしているのが小賢しいところで、ここで修正を求められたようなことが読み取れるようなものにはなっていない!)、なんでもありといった感じです。ただ実際のやり取りは批判側の正論がほとんど通ったものという公文書が残ったということを高く高く評価すべきかと。坂元、江川両委員、そして今回旗幟を鮮明にされた小林委員の本丸(中身については一切触れないと述べていたのはこれまたなんなのでしょうね?一つの文章で立場を二転三転させる素晴らしい倫理観です!)での闘いを引き続き要注目!

Comments
りずさん、違う、違うよ~!

そんな責める意図なんて微塵もないです。ただ、今回に限り、委員会を糾弾するよりもその無難な落としどころ(中間報告だからまだ気は早いけれど)を評価すべきではないかと。いや、それでも内容についてまだここが、あそこがという気になる点はあるかもしれないけれど、当初の竹花―前田の意気込みを考えればまさに原義としての有り難しではないかと。

この種の問題に関して0か100かといった稚拙な評価をしがちなマスゴミとは違うという誇りを示しましょうよといった感じでございます…。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/10/02 22:48
まずは日記のほう坂元先生の評価を書かなかった非礼を詫びます。
すいませんでした。
本当あの人の力がなければもっと酷い自体に陥っていたでしょうしねぇ…。

とりあえずこの問題これからも油断できないようなので警戒を続けていきたいとこですよね。
美しい日本ってほんと怖い

であであ失礼しました。
commented by りず
posted at 2006/10/02 20:33
安原さん、本当に東京新聞どうしたのかと逆の意味で目をこすりたくなるような記事でしょ!!!

通った法律をずらずらと並べたり、改憲によって戦争の足音が~といった類のテンプレ的な批判(それも重要だと思いますが、進歩のなさから既に狼少年みたいに説得力を失っていますからね)ではなく、手続き部分、具体的な進捗過程への批判を向けたその着眼点が素晴らしすぎます。

今、緊喫の課題は後者に他ならない、逆に言うと後者の部分がしっかりしていればおかしなものがでてこないのは、このバーチャル委員会しかり、さきの総務省のネット規制に関する提言しかりです。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/09/28 02:15
こちらのブログを隅々まで読んでいただいてるのかというくらい感動的に既視感ただようご指摘の数々。・゚・(ノД`)・゚・・・・。
私も朝日新聞から東京新聞に変えたので、うれしゅうございますぅ。リベラルの拠り所として、独自の視点を貫いてくださーい!!

>疑問なのは議事録だ。公開される議事録には、発言者が記載されていない。

さんざんいってますが、議事録なんで名前ないと「議事録」って呼ばないってー。

>先の刑法学者も「少年犯罪の重罰化や被害者の声の反映、
>テロ対策などを求める意見が強く、与党も昔なら難しかった立法を
>どんどんやっている」と危機感を募らせ、こう提言する。
これは浜井先生も昔はもっと練っていたのがすごいスピードでできていて、穴だらけというのは指摘されています。

>「刑事立法は時代の要請や政党の思惑でやると、後で困ることになる。
>(空洞化している)法制審も廃止するより充実させ、慎重な議論を定着させてほしい」
このような注目も浴びていない審議会でサクサク大変な法律がとおってます。がんばってる人いるんですよーと世界の片隅で叫んでみる。検証してください。ほんとそのとおりです。

>「氷山の一角」にすぎない。野蛮からの脱出を原点とする近代刑法が崩れつつある。
>目を凝らして、想像力を駆使するしかない。
。・゚・(ノД`)・゚・・・・
遊鬱先生、私、泣いてよろしいですか?久しぶりに感動しました。あの大して目凝らさなくてもウェブにのってますからー。夜討ち朝駆けするよりラクですからたのんますう。
commented by 安原
posted at 2006/09/28 00:36
もう一本、いかに坂元先生が、そして江川氏が異例中の異例の人財であるかということを示す記事。というか、東京新聞を非難した日から立て続けに二本もこんな記事がでてくるとは…人がいないという部分は謹んで撤回させていただきます。加古陽治記者に引き続き、この記事を書かれた牧記者のお名前も覚えておきます。

法制審議会を問う~法務省のお目付け役? 追認機関?~
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060927/mng_____tokuho__000.shtml
■批判封じる人選

>一例として、共謀罪法案を審議した当時(二〇〇二年九月から十二月)の刑事法部会の構成をみてみる。委員は十五人で最高裁、東京高裁、最高検、警察庁から各一人、日弁連と法務省から各二人、大学教授ら学者から七人だった。まず、賛成が明確な政府寄りの委員の多さが目を引く。

>学者委員はどう決まるのか。この部会に加わった学者委員の一人は「法務省から依頼があった。学会の推薦はない。法務省の推薦で大体決まる」と話す。京大の中山研一名誉教授(刑法)も「かつては日弁連と法務省の対立の中、学者集団が主導権を握れた。出席した委員も学会で結果を報告した。いまは法務省の意向に合う人が役所から一方的に選ばれる。学会への報告もない」という。

ここ!法務省を警察庁に置き換えると今回の委員会になるはずでした、申し訳程度に呼ばれたはずの二名の批判派の坂元先生、江川氏はそういった意味でも奇跡です!

>こうして事実上、役所主導の人選が進む。加えて、疑問なのは議事録だ。公開される議事録には、発言者が記載されていない。法務省は〇四年十一月の衆院法務委員会で「部会の性質によっては、外部からの圧力等の恐れがある」と非公開の理由を説明した。

法務省といい、警察庁といい発言者が記載できない秘密討議とはいったいなんなのでしょうか?その程度の責任も持てないひとたちがどうして他人の人権を直接規制する類のものに対してどんな意見をもてるの!?行政の言いなりの発言しか出来ないことを恥と思うからでしょうかね?

>だが、共謀罪審議で部会委員を務めた岩村智文弁護士は「『法制審は政策的観点から発言するから、自説と違うこともありうる』と言った学者委員がいた。一度も発言しない人もいた。しかし、選ばれたからには責任持って発言しなくてはならない。だから、発言者の名前は公開すべきだ」と反論する。

>では、実務である部会での審議はどんな調子か。これも共謀罪法案を例に議事録からのぞいてみよう。ちなみに、この法案は窃盗、公職選挙法など六百以上の罪種を対象にするとして、国民世論や野党が猛反発。審議が四年近くも長引いているが、安倍新政権は成立を急いでいる。果たして、国民の疑問はきちんと審議されたのだろうか。

>第一回会合が開かれたのは〇二年九月十八日。〇二年十二月十八日まで計五回催され、最終的に一部修正された要綱案が賛成十三、反対一(日弁連委員)の圧倒的多数で可決された。第一回会合の最後には、「法相から来年の通常国会に法案提出したいとのごあいさつがあったので」という発言がある。こう時間が切られたのでは“追認”以外の選択は難しくなる。

この時間が迫っているから案を出したいという台詞、ごく最近どこかで見た覚えがありますよ!!!

 
■名前伏せて公開

>審議の中身はどうだったのか。法案の国会提出後は野党や日弁連から▽政府が共謀罪創設の根拠としてきた「国連国際組織犯罪防止条約」で「共謀罪」以外に「参加罪」という類型を選択しうる▽日本の現行法体系でも条約を批准しうる-などの指摘が出ている。

>ところが、〇二年九月の第一回会合では、事務当局が「参加罪は慎重な検討が必要。(中略)共謀の犯罪化(共謀罪の創設)を選択したい」と、委員たちの意見も聞かず、のっけから共謀罪を“指名”した。

>さらに一部の委員から「国内的に今回の法律に必要な理由が指摘されていないが」との疑問が出た。後に「共謀罪を作らないから日本には批准させない-などと国連から言われるわけではない」という批判にもつながる問いだった。しかし、これも事務当局が「条約締結のために必要な犯罪化等を図っていきたい」と一蹴(いっしゅう)してしまう。

>ほかにも「(運用には)通信傍受や室内傍受など盗聴が必要になる」と危ぶむ意見も出たが、別の委員の国際潮流を理由にした「この法律は、きちんと作らなければいけない」との声にかき消されてしまう。

この批判を事務当局や座長が一蹴する流れ、これまた既視感漂うやりとりではございませんか?

>同様に審議に加わった神洋明弁護士は「学者委員の意見に期待したが、ほとんど発言しない人もいた。委員になるのがステータスと思っている人もいるのでは」と手厳しい。こうした法制審の現状を刑事法に携わる関係者らはどうみているのか。

>関西地方の刑法学者は「(八年前の)少年法改正論議で、国会議員から『法制審は時間ばかり食って使えない』といった無用論が高まり、法務省は存在意義をアピールしなくてはならなくなった。それで、人数や回数を減らした結果、原案通りという傾向が強まってしまった」と憂慮する。

>岩村氏も国会審議のあり方に疑問を呈す。「特に刑事法関係の法案が素早く通ってしまう。ピッキングに関する法案は、日弁連が意見書を作っている最中に通ってしまった。共謀罪は対決法案になったが、他はシャンシャンと通っているのが、今の日本の状態。審議会は法務省の翼賛機関ではないのだから、しっかりしなくてはならないが、国会の方も考えないと」

>先の刑法学者も「少年犯罪の重罰化や被害者の声の反映、テロ対策などを求める意見が強く、与党も昔なら難しかった立法をどんどんやっている」と危機感を募らせ、こう提言する。「刑事立法は時代の要請や政党の思惑でやると、後で困ることになる。(空洞化している)法制審も廃止するより充実させ、慎重な議論を定着させてほしい」

ここ!ここ!空気に拠ってまったく冷静な議論を重ねることなく感情論で持って暴走(制御する行政側はシニカルにそれを利用しようとしている)しようとするというところが問題です!

<デスクメモ>ここ数年、日々気づかぬ間に新しい法律ができる。そして、社会は息苦しさを増している。「こちら特報部」は一昨年以来、共謀罪反対キャンペーンを張ってきた。でも共謀罪とて「氷山の一角」にすぎない。野蛮からの脱出を原点とする近代刑法が崩れつつある。目を凝らして、想像力を駆使するしかない。(牧)東京新聞 9.27

。・゚・(ノД`)・゚・。全くです、近代の「建前」が崩れかかっていることこここそが問題なんです!
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/09/27 23:42
安原さん、こんばんわー。いつも具体的数字をありがとうございます(本当は委員会ででるべきものですがね!)。今回小林氏が批判されているように個別具体例によって「本質的」な対策の必要性を説きつつ、その「本質的」な部分を問う統計的データの検証は拒否ですもんね。いったいどういうことですのん!

>■「食事中に携帯電話を利用し続ける」とかも書いてあるけど「犯罪」と「有害」と「しつけ」とかごっちゃまぜじゃないですか。

この部分は江川氏がしつこく追及していた部分ですよね。境界がいつのまにかに融解、まさに環境犯罪学の家庭・学校版ですな。

あと別途記事をあげるのではなくて、関連情報としてこのコメント欄利用させてもらいます。

ネットスター、朝日小学生新聞と共同で「親子インターネット利用アンケート」を実施
http://release.japan.cnet.com/release/abstract.html?release_id=12220
1)ほとんどの保護者が、ネットの知識は必要と回答
2)保護者の55%が、子どもがネットを使う上でのルールを、自身では伝えていない
3)小学生の2割弱が、インターネットを使っていて嫌だな、恐いなと感じた経験がある

と、これは今回参考人として招かれているネットスター社がだして調査ですがまさに安原さんが指摘されている「中学生、高校生が多いので情報リテラシー教育で十分だと思う」の部分を小学生にも拡張すればそれで終了という部分ですね。誰も竹花―前田的(今回前田は宗旨変えめいたことを述べていますが)、携帯・ネットを環境から物理的に排除しようというようなことは誰も望んでいないです。

■調査の方法
本調査は、朝日小学生新聞の読者である親子を対象に、2006年8月13日から8月31日までの間に実施したものです。調査方法としては、2006年8月13日付け朝日小学生新聞紙面上に調査項目を掲載し、郵送・FAXにて回答を募集しました。回答者である小学生の男女比は、男子:39.3%、女子:60.7%。学齢別構成は、2年生:2.6%、3年生:12.8%、4年生:18.8%、5年生:29.1%、6年生36.8%、有効回収件数は117件でした。

ただ、あくまでも調査対象が「朝日」小学生新聞をとろうというような読者であるということ、そして有効回収件数から考えると小学生という成長著しい時期であることを考えるとあまり信頼置けませんがねえ。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/09/27 23:23
nobさん、わざわざご丁寧にありがとうございます。また些細と思われる点でもお気づきの点がありましたら指摘のほどよろしくお願いします。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/09/27 22:41
こんばんわー。いつもお疲れさまです。

■前田教授が出してる「案」がてんてんてん・・・・・。

数値的根拠になってるのが
この警察庁の調査だと思います。

http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h18/pdf30.pdf
H18年の
出会い系サイトを契機として行われた児童売春が365件。
児童ポルノが54件。青少年保護条例違反260件
児童福祉法違反46件
18才以下の児童ってざっくり出てるけど

平成18年上半期の内訳をみたら
小学生が3名 中学生193名 高校生 240名
 ■まず中学生、高校生が多いので情報リテラシー教育で十分だと思う
 ■まず被害にあった児童のプロパティを
 政策対応するんであれば、きちんと統計的に出すべきだと思う。読んでると「興味本位で売春しちゃたー」的な思い込みで動いていると思います。家から放り出されている子供かもしれないわけだし。家で虐待されてて、家出サイトに助けを求めたのかもしれない。
 前田教授いうようにそういった犯罪の「本質」的な部分の
 データが何も出されていないと思う(嫌味)。
 情報遮断して犯罪が減るようなことはないと思うけどね。
 義家先生にそれぞれ訪ねていってもらうっていうのはどうでしょう(笑)
 1日2~3人で1年間で終わるよ。

 ■「食事中に携帯電話を利用し続ける」とかも書いてあるけど
 「犯罪」と「有害」と「しつけ」とかごっちゃまぜじゃないですか。

 さらに元データのほうで凶悪犯罪のほう確認したけど

平成18年上半期
 殺人 2
 強盗 12
 強姦 22
 略取誘拐 1
 強制わいせつ 10

 ■凶悪犯罪の数自体はたいしたことないね。
 殺人の理由、ひとつだけのってたけど

 (殺人) 
 被疑者は出会い系サイトで知り合った男性を別れ話のもつれから殺害した。

 「合コンで知り合った」「見合いで知り合った」人を殺したら
 「合コン禁止令」とか「見合い禁止令」とか出すのかしら(笑)
 それは出会い系サイトのせいではなくて、人間関係の
 もつれではないのかー。
 たのんますーー警察。まじめに仕事してください・・・orz
commented by 安原
posted at 2006/09/27 21:39
こちらこそ、お忙しいところ確認していただき、ありがとうございました。

大変でしょうがこれからもがんばってください!
commented by nob
posted at 2006/09/27 13:38
nobさん、はじめまして。

ぐぐって見たら本当に少数派…一体どうして「チェジュ」と読むと思ったのやら、我が事ながら思い出せません。大多数の方がというかWikiで「チュチェ」とふられていたので後者の方が正しいかと。ご指摘ありがとうございました。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/09/26 23:00
遊鬱さん、はじめまして。

チェジュ思想がどういう思想なのか知らなかったので、色々調べたのですが、分かりませんでした。でも、似たような言葉に「チュチェ思想」がありました。

どっちが正しいの「でしょうか?
commented by nob
posted at 2006/09/26 15:50
TAKESANさん、こんばんわー。

もうね、本当に坂元先生の折られる方向に足を向けて寝ることなど、恐れ多くてできないほどですよ!しかし、今回ここまで坂元先生が批判のボルテージをあげられたのは、中間報告を控えて議事を欲しいがままに、坂元、江川両氏の批判をなきものと扱いかねない竹花―前田の姿勢に危機感を抱いてのものであろうと推測します。

いよいよ中身、コンテンツについてと(これも毎回締めで述べてくるものなのでいいかげん狼少年みたいですがw)述べているだけに中間を過ぎても、いやこれからいっそう委員会の議事の行方には目を向ける必要があろうかと思います。

>もし坂元氏や江川氏がおられなかったら、と想像すると…。

想像したくありません、というか実はその最悪の想像を第一回時点では抱いていました…。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/09/25 23:50
今晩は。

 >坂元先生万歳!
激しく同意です。
坂元氏は、学者としての誠実な態度を、決して崩しませんね。素晴らしいと思います。
しかし、語り口はとても丁寧ですが、批判は、かなり具体的で徹底的なものですね。お見事というか。

もし坂元氏や江川氏がおられなかったら、と想像すると…。
commented by TAKESAN
posted at 2006/09/25 18:15