http://ameblo.jp/fuyugare/entry-10106751853.html の続き
Comments
QQ2Dさん、こんばんわ。
>だから、他のことに金を使うべきという考え方も、今から対策すべきという考え方もあります。私は後者をとりますが。
そこで私は前者をとっているとそういうことです。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/07/16 18:42
ご存知とは思いますが、経済学者が温暖化の緩和策に反対するとき、たいていは気候モデルの不確実性とは関係なく、割引率によるコストの割引を問題にします。コペンハーゲンコンセンサスの論理も例外ではなく、割引率が年5%ならGDP1%を使って対策をするには100年後の被害がGDPの1.3倍にならないと意味がないと言ってるのですから、これをそのまま聞いていたら今後数百年は実効性のある緩和策がとられることはありえないでしょう。
割引率の値の不確実性は気候変動の比ではありません。7%だという経済学者もいれば0.1%にしたスターンレビューを絶賛する経済学者もいます。それらを比較すると、割り引いた価値の差は100年で800倍に達します。1%変えるだけでも差は約2.6倍です。気候モデルの検討など問題になりません。予測される被害が増えてきたら割引率を1%上げればすみます。普段経済学者は割引率が2%か4%か6%かなどという議論を平気でしています。
もし経済学者が短期の予測に使う費用便益分析に基づいて現在の気候変動は喫緊でないと判断するなら、それは事実上永遠に対策を行わないことを意味します。そうでなく、長期の問題には別の割引率を使うという考え方もあります。どの割引率が正しいかという結論は全然出ていません。
だから、他のことに金を使うべきという考え方も、今から対策すべきという考え方もあります。私は後者をとりますが。
commented by QQ2D
posted at 2007/07/14 19:36
QQ2Dさん、こんにちわ。
>何か根拠はあるのでしょうか?
それこそ、よくご存知かと思うのですが、コペンハーゲン合意のように直接貧困対策などとしてお金を回したほうが援助という「投資」効果は高いのではということです。少なくとも現時点では温暖化予測も対策費も対策効果もまだまだ幅がある段階ですから、そういうものに注ぎ込むよりは、温暖化で被害を蒙るとされる「発展途上国」に直接援助するほうがいいんじゃないと素朴に思っただけです。
温暖化の是非についていったん棚上げするとしても、同じお金を使うなら(そして、QQ2Dさんは先進国の責任を問うているわけですから同じでは?)、普通に発展途上国に温暖化対策としてではなく、援助すればいいんじゃないかと。日本なんて、ODA自体削減続いて今や7800億程度なんですから…。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki.html
たとえば温暖化被害の象徴としても使われる「ツバル」に対する援助なんて↓の程度です。
http://www3.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/index.php
そんなことを考えると温暖化対策としてロシアやら日本国内で無駄に遣われるお金の10分の1でもあるいは100分の1でもこれらの国にという発想自体は別におかしくないかと。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/07/14 11:41
100分の1とか10分の1というのに何か根拠はあるのでしょうか?
IPCCの第4次報告では、4度の温暖化が起こると全球平均損失はGDPの3%(1%から5%)とされています。一方2度程度にとどめるためのコストはGDPの1.3%(0%から4%)で、そのときの被害ははっきりは書いていないのですが、温暖化による好影響と悪影響が拮抗するかのような書き方になっています。幅はかなりありますが、桁がちがうということはないのではないでしょうか。
スターンレビューでは、緩和策をしないときの被害額がGDPの5%から20%と書いてありますが、これは計算方法にいろいろ批判もあります。
commented by QQ2D
posted at 2007/07/13 00:59
QQ2Dさん、こんばんわ。
>被害が出るのは50から100年以降
ということで、先も紹介したブログに武田先生のメールが転載されていました。
「武田邦彦先生からのメイル」
http://bewaad.com/2007/07/10/197/
に30年程度を目安にする事由が記されていますが、少なくとも、あと10年くらいデータを集めてからでもいいんじゃないと思います。
>国内問題にその金を回すというのは話が違うように思います。
悠長とか無責任というそしりに対しては、ロシアに納めることになると言われる2兆円の10分の1でも、あるいは
>2050年CO2排出量70%削減に関わる技術の直接費用は、年間約6兆7千億円~9兆8千億円である。これは想定される2050年のGDPの約1%程度と見られる。なお、必ずしも温暖化対策が主目的ではない、国際競争力強化、将来の安全・安心で住みやすい街づくり、エネルギー安全保障等のために実施されるインフラ投資等の対策コストは含んでいない。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8032
の100分の1でも、直接、熱帯の途上国に援助すればそれで済むとは思いません?少なくとも日本国内やらロシアなんかにそんな膨大なコストを緊喫でかけなければいけないという理由がわからないです。予算は有限なのですから、そのあたり優先順位が必要なのではないかと(この辺りはロンボルグ氏ら経済学者が予算配分について語っていたものと、国内国外の差はあれ同類かと)考えるということです。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/07/12 01:51
温暖化が脅威と思えないというのには同意しませんが、基本的に大きな被害が出るのは50から100年以降で、主に熱帯の途上国においてですから、日本にとって緊急性がないというのは間違ってはいません。ロンボルグなどが「京都議定書は費用対効果が悪いから直接途上国を援助しろ」といってるのはその意味で目的が同じで効率が良いからです。この考え方は理解はできます。
しかし国内問題にその金を回すというのは話が違うように思います。目的が違うのですから。
commented by QQ2D
posted at 2007/07/12 00:38
QQ2Dさんには脱帽です、厭味ではなくて本当に感嘆いたしました。
数字について単年でみないと削減成果は図れないというのは最もですし、逆に「温暖化」への寄与度という点では滞留することが問題なのですから通年でみるというのも最もということなのではないかと思います…無難なおとしどころみたいな言い回しでなんですが。
で、ひとつ誤解していただきたくないのは別に私は日本のえごを押し通せとは全く思っていません。私は発展途上国が先進国だけ勝手に化石に燃料をじゃんじゃん使って経済成長しておいて、自分たちにそうするなというのは理不尽だという理屈は実に正当なものだと思います。だからこれほど資源が高騰するなかでどれほどのものが出せるのかは知りませんが、出せばいいんじゃないと思います。
また、「温暖化」対策をやりたい国がやるのはかの2000年問題と同じようにやりたい国がやる分には別にいいと思います。ただ日本にとって緊喫の課題か、数兆円も費やすような課題かと言われれば違うんじゃない?というのが私の認識です。それに対して未来において手遅れになった場合の「リスク」を考えると、何もしないというのは倫理的ではないというのがQQ2Dさんの認識ということでしょうか。
私は日本がこれ以上二酸化炭素排出量を減らすには、発電エネルギーで化石燃料由来を全て原子力に変え、そもそも化石燃料を日本にいれないようにすること、及びQQ2Dさんならご存知のこととは思いますが京都議定書以降も日本の二酸化炭素排出量が増えているのは工場経由ではなく、自動車経由であることから、自動車台数自体の「減少」に向けての強力な「環境税」(ロンドンのような都市部乗り入れ規制も含め)の導入が必要だと思います(人口が大きく減少するまでにうてる手としては)。
…で、そんな経済の屋台骨を揺るがすようなことが出来るのかということです。私が今とりわけ何もしなくてもいいんじゃないというのは、「地球温暖化」が前々から記しているような理由でそれほどの脅威とは思えないからですし、そんな予算があるなら「今」苦しんでいる人たちへの普通の社会保障に使えばいいと思うからです。
それに早晩日本の人口は減少し、自動的に排出量も減ると考えているからです。またその頃には「地球温暖化」についてもより精緻な議論ができているだろうし、それからでもいいのではないかと(…まあ、ここには「地球温暖化」そのものの否定も含むとしたいところですが(笑))。また、「地球温暖化」について検証する行為自体を否定しているつもりは毛頭ありません。私が否定しているのは必要以上にその脅威を煽り立てているマスコミ連中です(せめて車批判でもしてから言ってもらいたいと)。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/07/09 23:10
ゴアの言っているアメリカの排出量が30.3%ヨーロッパが27.7%というのは、CO2情報分析センター(CDIAC)による1751-2004年の合計排出量の割合のようです。過去の責任という点で意味はありますが、今から削減できる1年あたりの量とは関係がありません。
cumulative global emissionsという図がそれです。
http://www.pnas.org/cgi/content/figsonly/104/24/10288
ゴアの本の日本語訳では地球温暖化への寄与率としてそれらの数字が図になっていました。原書は確かめていません。これを現在の排出量と誤読したのは武田先生でしょう。
ただこの数字を(誤って)使ったとするならアメリカの削減によって世界全体の19%、EUによって17%の削減となるはずですが、よくわかりません。どちらにしろ根拠とする数字が間違っているので無意味です。
commented by QQ2D
posted at 2007/07/07 16:20
どうも数字に違和感があったので調べなおしましたが、武田先生の挙げている排出量の割合は現在知られているものと大分違います。web上で見られるもので、違う機関が調査したものをいくつか下に貼っておきました。これを見ると2000年以降アメリカが30%出しているデータはありません。ヨーロッパというのは範囲が不明ですが、EUの旧15ヶ国で12.8%、人口は旧15ヶ国で3.9億、EU全体で4.9億ですから、現在EU全体で排出量が27.7%ということはないでしょう。実際IEAのデータでは16%となっています。日本の3.7%というのはなぜか(というのも白々しいですが)少なめになっていて、下のデータでは一番少ないもので4.8%です。
さらに一人当たりのGDPと一人当たりの排出量を比べました。アメリカは明らかに悪くて、日本にあわせるとしたら現在に比べて32%くらいは削減できるのですが、それでも世界全体としては7%程度の削減でしかありません。EU旧15ヶ国については日本より効率がよいです。残りの国を足したらどうなるのか良く分かりませんがもともと16%なのですから、世界全体に対して12%削減というのは全く不可能です。つまり現在の日本の効率に合わせたところで33%の削減というのはありえませんし、日本が何もしなくて良いなどという結論はどこからも出てきません。日本が何もしないなら途上国に今以上の経済的不利益を押し付けることになります。
私のデータはすべてweb上のもので、出典は書いておきましたので、調べれば確かめていただけるでしょう。EU15ヶ国については合計した数字はなかったので電卓で足し算しました。GDPは算出方法がいくつかあるのですが、誤差はせいぜい10%程度だと思います。
武田先生のデータは出所がよくわかりません。アル・ゴアが本に書いてある数字なのでしょうか。ゴアはアメリカ人ですから、アメリカに不利になるような数字を出していたとしても我々が口を出す必要はありませんが、日本人がそれを使うのは『国益』には適っていても道義的には非難されるべきでしょう。
全て2004年の数字です。人口、GDPはWikipediaから、排出量はEDMCのグラフからとりました。
日本
人口 1.3億 GDP 4.0兆 US$ 一人あたりGDP 30*10^3 US$
排出量 4.8% 一人当たり排出量 3.7*10^-8%
アメリカ
人口 3.0億 GDP 12兆 US$ 一人あたりGDP 41*10^3 US$
排出量 22.1% 一人当たり排出量 7.4*10^-8%
EU(旧15ヶ国)
人口 3.9億 GDP 11兆 US$ 一人あたりGDP 28*10^3 US$
排出量 12.8% 一人当たり排出量 3.3*10^-8%
EDMC http://www.env.go.jp/earth/cop/co2_emission.pdf
IEA http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/06_hakusho/ODA2006/html/zuhyo/zu010061.htm
オークリッジ研究所 http://www.nies.go.jp/escience/ondanka/ondanka03/lib/f_02.html
commented by QQ2D
posted at 2007/07/07 12:55
QQ2Dさん、コメントありがとうございます。
>電卓をお使いになれる遊鬱さん
手厳しいご批判ありがとうございます。ただ、基本的に二酸化炭素排出量は「経済」があって、はじめて「人口」という乗数がきいてくるものと考えております。純粋に「人口比」が問題ならアフリカや中国、インドの排出量が問題となりますが、現在のところ人口比1割強程度の欧米で6割占めていますということです。
>現在GDPの低い国に対してこれ以上GDPを増やすことを許さないと言っているに等しいわけです。これが何らの意味で現実的なのでしょうか。
欧米諸国が減らした分でお釣りくるんじゃないですか?現実的なことを言えば、現在GDPの低い国々がそんな欧米並に経済成長するシナリオこそ非現実的じゃないですか?発展途上国が排出量を激増させようとすれば、これだけ石油・石炭などの化石燃料が高くなった以上、森でも燃やすぐらいですが、古代文明の衰退から現在ならハイチの惨状に明らかですが永続的に貧しい国が排出量を増やすのは難しいかなと思います。
ちなみに今回武田教授を絶賛させていただいていますが、「武田邦彦先生の信頼性」(http://bewaad.com/2007/07/04/191/
)のような批判意見があることは承知しております。ただ、少なくとも当該論文については「現状肯定派」にとって素晴らしい論文と考えましたのでメモさせていただきました。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/07/07 05:46
ゆーきさん、おはようございます。
あいもかわらず切れ味鋭いコメント参考になります、生ぬるいですといわれないよう私も精進致します(笑)
>バイオ燃料となる作物には肥料をあたえるわけで、これには当然石油がつかわれ・・・(どこがニュートラルやねん)
ちょっと話は違いますが、環境に良いとされる「有機農法」なんて単なる金持ちの道楽と渡辺教授は仰っています。もしも今本気で農業を全部「有機」に切り替えたら餓死者が世界で激増しますと。農薬による「毒」?植物なんてそもそも「毒」をもっているものなんですが何か?みたいな感じですからね(←こういうところが大好きなんです)。
【欠陥憲法】(上)環境権 降り注ぐ黄砂
04/25
>気象庁によると、日本における黄砂の観測日数は、平成18年が42日間で、9年から昨年までの10年間の年平均は33・4日間。30年さかのぼった昭和42年から51年までの10年間の年平均は16・4日間にすぎない。
>護憲派には「憲法に環境権が明文化されていなくても、環境基本法などの法律を充実すれば対応できる」との慎重論がある。しかし、基本法があっても、環境対策がスムーズに行われるわけでもない。ガソリンなど化石燃料や電気を課税対象とする環境税は、環境省が地球温暖化対策のため創設を悲願としているが、経済産業省や経済界の反対で進展していない。
↑産経の言いたいことは要約すると、改憲への口実探し(公明党は見事に環境権をいれるような改憲という文句にひっかかっていますが)と、黄砂をばら撒く中国嫌いということでしょ。わかりやすすぎて乾いた笑いしか毀れません。これまた渡辺正教授の言を借りると、
70年代まで日本は本当に環境問題は深刻でした、しかしそれからまさに中西準子教授のような方が地道に地道に活動し、それこそ「環境基本法」や「環境影響評価法」などの法律などに基づき80年代半ばまでにほとんどの環境問題は「解決済み」です。残るは車とゴミ処理問題ぐらいです。
という状況なのに、いまさら環境問題、環境問題言いたいならトヨタ批判の論陣のひとつでも張ってから出直してこいという感じですな。
【主張】安倍温暖化対策 実効性ある計画へ総力を
05/26
>安倍晋三首相が、世界挙げて地球温暖化対策に取り組む新たな構想「美しい星へのいざない」(英語名はクールアース50)を発表した。前途多難で課題も多いが、構想の持つ意味は大きい。
>今後の課題は、日本の削減義務を果たすこと、特定の国が不利にならぬよう公平の原則を貫くこと、構想の合意を目指すことなどだ。
↑本当に見事なまでの「馬鹿への誘い」ですね。まず、日本が削減義務を果たせるとするとそれこそ、この50年で人口が減る自然減によるものしかありえないです。そして「公平の原則」って日本が馬鹿を見て、実利で笑うアメリカ、ロシアそして理念で笑うヨーロッパ(植民地拡大を支えた「自由・平等・民主」の概念みたいに(笑))の構図で何がって感じですね。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/07/07 05:10
日本の二酸化炭素排出量は世界の3.7%であるわけですが、日本の人口は世界の2%ですから、アメリカとヨーロッパ以外の国も日本の排出量に合わせたら世界の排出量は現在の1.8倍になってしまいます。電卓をお使いになれる遊鬱さんならすぐに確かめていただけると思いますが。
武田先生は一人当たりのGDPに合わせた排出量を提案していますが、それは現在GDPの低い国に対してこれ以上GDPを増やすことを許さないと言っているに等しいわけです。これが何らの意味で現実的なのでしょうか。
commented by QQ2D
posted at 2007/07/06 12:57
温暖化うんぬんは安倍政権が環境対策として温暖化対策に取り組むことを前面にだしたため、政権の太鼓持ちである産経もひどいこと書くようになってます。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/53718/
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/49189/
この温暖化言説の今一番の問題は二酸化炭素排出権という形で市場原理を取り込もうとしたため、カーボンニュートラルとよばれるバイオ燃料に脚光をあびせてしまったことでしょうか。
そのため十数年後には世界中で飢餓がますます進むことでしょう。もちろん日本も今のような食生活をすることなんて絶対不可能です。
しかも、バイオ燃料となる作物には肥料をあたえるわけで、これには当然石油がつかわれ・・・(どこがニュートラルやねん)
石油消費大国のアメリカはこれを積極的に進めてますが、アメリカは食料輸出大国ですし、穀物メジャーかかえてますから、穀物高騰でお金はころがりこむし、京都議定書は脱退済みで自身は余計な金ださずにすむ為ウハウハでたまらんでしょう。
日本は食糧輸入国なんですから温暖化対策も輸入国としての意見をださないといけないのに、安倍氏ときたら、この分野は国際国内的ウケがいいと考えたのか「良い子」ちゃんになってます・・・。
commented by ゆーき
posted at 2007/07/06 02:21