>『世には「杞憂」という言葉もある。こと急性毒性に関するかぎり、ダイオキシンを猛毒とみて監視や対策にお金と時間を使うのは、小惑星や巨大隕石の衝突(その確率は、ダイオキシンで誰かが死ぬ確率より高いのではないか)を恐れて地球にバリアーをかぶせようという発想に似ている。』
>『ある学生が、「ダイオキシンというのは、聞いただけでこわそうな気がします」と言った。たしかに「ダイ」で英語のdie(死ぬ)を「オキシン」でトキシン(毒素)を連想する人も現にいる。だがこのダイはただの「2」、オキシンは「炭素原子のかわりに酸素原子が入った亀の甲(ベンゼン環)」にすぎない。元素名や物質名をカタカナにするときはドイツ語読みが基本だから、この物質もふつうは「ジンオキシン」と呼ぶのが正しい。そうなっていれば無用の騒ぎもいくぶんは少なかったのではないか。』
渡辺正+林俊郎「ダイオキシン 神話の終焉」
まずはメインディッシュの前に前菜としての記事を大量にメモしていきます。今まで狂牛病とか保存料とか変なコメントを付していた事をここに謝罪させていただきます。またそれとは別に「環境」「女・子ども」「戦争」といったキーワードで思考停止するかどうか+現状肯定か否かという軸で分類するとずいぶん見通しが良くなると思う昨今でございます。
朝日新聞社説「地球温暖化―プラス2度に抑えたい」2007年04月07日
>「熱が出ますよ。体の節々が痛くなってくるはずです」
アカヒの社説に熱が出そうなのはこっちです><
>私たちの地球は、お医者さんから、そんな診断を受けた。世界の専門家でつくる「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告だ。
>「熱が出ます」は、2月に出た第1作業部会の見立て。最近の地球温暖化は人間の営みによるものだとほぼ断定し、今世紀末の気温が20世紀末よりも1.8~4度ほど高くなると予測した。
断定ね…ふ~ん。
>そのうえに、今回、第2作業部会が温暖化の影響を見積もる報告で、地球のもろさを浮かび上がらせた。文字通り、自然と人間社会の「節々に痛みが出るだろう」という診断だった。報告が描きだした温暖化の影響は、食糧、水、人間の健康、自然の生態系など多岐に及ぶ。地球の平均気温が高くなるにつれて現れる症状は、こうだ。深刻な水不足に直面する人々は数億人以上の規模になる。穀物生産の低下が、とくに赤道を中心とした低緯度地域で起こる。人間の健康に与える影響では、栄養失調、感染症などが増え、生物界でも種が絶滅するリスクが高まる。
たとえ、温暖化したとしても、氷溶ける=水が増えるではないの?海水だってプラントで真水化すればいいだけ。穀物生産だって単純に考えて暖かい方が増えるでしょ…。
>欧州連合(EU)は、工業化以前と比べた気温の上昇幅を2度以内に抑えるとの目標をすでに掲げている。これは、90年との比較なら1.4度程度の上昇に相当するので、かなり厳しい数字だ。私たちも「せめて2度の上昇にとどめる」との覚悟を決めて、社会や産業の構造を再設計するときではないか。
既に日本は70年代に徹底的な省エネ化達成していて、欧米と並べてもまったく意味がないんですけれど…。そのたった2度のために貧しくなろうと?
交通事故の経済的損失6兆7460億、GDP1・4%
>内閣府は31日、交通事故による2004年の経済的損失は6兆7460億円で、同年の国内総生産の1・4%に相当したとする調査研究結果を公表した。治療費や車両の修理費、逸失利益などの「金銭的損失」は4兆4160億円だったが、全国2000人にアンケートを実施した結果に基づき、死亡者が失った将来の喜びや生活の充実感などの「非金銭的損失」を2兆3300億円と見積もり、合計して経済的損失とした。
>被害者1人当たりで見ると、死亡者の損失は2億5917万円、後遺症が残った場合は965万円、けがでは177万円だった。このうち金銭的損失は、死亡の場合で3317万円で、平均賃金の低下や逸失利益の高い若者の被害者の減少などにより、1999年の3645万円より減った。この調査研究は3回目だが、国際的に比較するため、今回初めて非金銭的損失を加算した。非金銭的損失を重視する米国は、死亡者の経済的損失を4億1341万としており、日本は英国(2億7412万円)などと同水準となっている。(2007年3月31日 読売新聞)
車脳キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!(排気ガスなどの環境負荷は計算に加えないのでしょうか?)
訴訟で勝って道路を整備~加州運輸局、賠償金求め市や業者を提訴
(US Front Line 4.4)
>カリフォルニア州運輸局(Caltrans)が、土地開発事業を進める市や業者を相手取って次々と訴訟を起こし、州の環境規制を盾に「開発は道路を混雑させる」との理由で賠償を求めている。賠償金を道路建設の財源にするための計画的な作戦で、強引とも言える「取り立て」に被告は悲鳴を上げている。
>ロサンゼルス・タイムズによると、運輸局の訴えに対し、これまでにモンタレー郡は110万ドルの支払いに応じた。フレズノでは建設会社が数百万ドルを支払った。
>州都サクラメントのダウンタウンでは、240エーカーの鉄道操車場跡地に住宅、レストラン、ショッピングセンター、映画館などの複合施設建設事業が進んでいる。運輸局もこの計画を支持するが、「完成すれば周辺の複数のハイウェイの混雑は確実」との理由で、あるオフィスビル建設会社からすでに7万5000ドルを回収した。
>昨年には、運輸局はサリナスの商業施設開発業者に「訴える」と持ちかけ、110万ドルを支払わせた。フレズノでもアパート開発会社から17万ドルを獲得している。
車、ひいては自動車産業はなんで誰も叩かないの~?
大気汚染訴訟:原告、高裁とトヨタに解決金求め申し入れ
>東京都内のぜんそく患者らが自動車メーカー7社や国、都などに賠償を求めた東京大気汚染訴訟の和解協議で、原告側は9日、東京高裁(原田敏章裁判長)と被告のトヨタ自動車に「相当の解決金」を求めて申し入れをした。焦点の解決金支払いに向け調整中の7社に決断を促す狙い。同時に、文京区のトヨタ東京本社前で徹夜の座り込みを始め、亡くなった原告と同数の112本のキャンドルをともして全面解決を訴えた。(毎日新聞 2007年4月9日)
参考;http://newmoon1.bblog.jp/entry/279890/
(車脳)
痛いニュースさま「動物愛護団体から称賛を浴びる「人道的ハンバーガー」登場」
>英公共放送BBC(電子版)などによると同社はハンバーガーの材料である鶏卵や肉を調達する際、ニワトリや豚をおりなどに入れずに放し飼いなどで育てられたかを重視。鶏卵の2%、豚肉の10%について放し飼いで育てられた家畜に切り替える。食肉処理についても現在の電気ショック死から比較的人道的とされるガスや空気コントロール法を重視するという。
>これらの方針はまず米国とカナダで実施する。報道によると、動物愛護団体のPETAは「バーガーキングの取り組みが食用に動物の命を奪うファストフード産業によい連鎖を起こすだろう」と歓迎している。
(*゚∀゚)っ精進料理
40. Posted by 2007年04月02日 16:18
いいねw 自己満足バーガーって商品名で売れば良いと思うよw
41. Posted by 2007年04月02日 16:18
ハンバーガーっていうかハンバーカーだな
あわせて「自己満足バーカー」で決まりですね!
354. Posted by 2007年04月02日 19:43
大学で家畜専攻の俺が通りますよ
外で放し飼いにして飼育なんて、愚の骨頂。家畜ってのは人間並みに野生から離れているのに、それを外で飼うってのは、人間を裸で屋外の風ふきすさぶ所に放置して、屋根もないところで雨にあてながら、直射日光と地熱で腐りかけた飯を無理やり食べさせて、病気になったら即屠殺。
↑これは、人道的か?家畜を人間におきかえてる奴ら基地外には、ほんとうに死んで欲しい。
※これは励ましの言葉です
↑の最後の「この物語はフィクションです」みたいなつけたし文句は最近見かけるようになったのですがいいセンスですねw
645. Posted by 2007年04月03日 14:43
たしかロブスターは苦しまないように冷凍庫で感覚を麻痺させないといけない。人道的といえば、ギロチンは平民も貴族のような楽な死に方にすることが目的のひとつだったとか。すべての生き物を平等にということなんだろうね。
あー以前メモしたオーストラリアのニュースですね。
参考;http://newmoon1.bblog.jp/entry/306839/
691. Posted by 2007年04月04日 04:30
さかなくんをみならえ。鑑賞中はかわいい~というが、いざ食すとなるとおいしそ~~となるさかなくんこそ正義だろ。そして無駄なく美味しく頂くことこそ失われた命に対する礼儀。いただきます、ごちそうさまでしたを忘れずに。
住友商事、米WHに300億円出資
>住友商事は東芝傘下の米原子力発電大手ウエスチングハウス(WH)に5%出資する。WH株を77%保有する東芝から、6月をめどに約300億円で取得する。
>住商は業務提携策として、米国や中国の電力会社に対する原発機器の売り込みや資材納入を手掛けたい考え。住商が2010年からカザフスタンの鉱山で本格生産するウランを、東芝がWHの顧客に優先販売することも検討する。(日経新聞 3.30)
環境保護論者はCO2削減のために石油・石炭を利用した火力発電所の変わりは原発しかないことをかしらかしらご存知かしら?(…まさか北欧みたいな人口の少ないそれでいて国土の大きな国でなければクリーンエネルギーで賄うなど絵空事だし、あるいはドイツのようにフランスの原発から電力輸入でもしない限り無理ぽ)
で、ここまでが補助線。以下、渡辺教授×山形氏の対談『環境危機 「木を見て森を見ず」の愚』をご賞味あれ!
ちなみに渡辺教授に惚れこんだのは→情緒原理主義者死すべし~科学者の鑑~
及び、同じ対談の別途一部抜粋
です。で、著書を読ましていただいた上で、探してみたら2003.8月号の「諸君」を発掘(渡辺教授のおかげで狂牛病も含め今までの私の環境問題に関する認識は見事なまでに一新させていただきました)。
渡辺
>そもそも環境学というか環境問題は、レイチェル・カーソン「沈黙の春」を原点とすれば、たかだか半世紀足らずの歴史しかない。四千年くらい歴史のある数学にしても、未だに解けない命題があるわけですが、環境の科学は、何か新しい発見やデータが出てくるたびに「通説」がころっと変わるぐらいの未熟な学問だという認識をもつべきなんです。例えば、ほんの三十年前には「地球寒冷化」の恐怖が声高に叫ばれていたのに、今や「地球温暖化の恐怖ですからね」(笑)。
全体図ということでは間氷期から氷河期への変換の方が圧倒的に怖いですよね。
>4年前の1999年2月には、テレビ朝日「ニュースステーション」が「所沢産野菜から高濃度のダイオキシン」が検出されたと誤報して大きな話題になりましたが、その直後に農水省、厚生省、環境庁が「ダイオキシン対策連絡協議会」を作り、たちまち同年の7月には「ダイオキシン(類対策特別措置)法」が成立してしまった。 この法律のせいで焼却炉に専用装置を付けたりといった施設改善のために億単位の莫大な負担をする義務を各自治体が負ったばかりか、小型焼却炉メーカーが倒産の憂き目にあったりと、いろいろ不条理なことが起きています。
またアカヒか…ということはさておき、いったん法律のようなものができ、鉄の四角形が出来ると固定化するというのは「犯罪不安社会」で浜井教授の指摘されていたところでございましたね。
山形
>法律が制定される前後に益永茂樹氏(横浜国大教授)と中西準子氏(同大教授)たちが、日本においてダイオキシンが一番残存しているのは除草剤を使っていた水田であり、また魚経由で摂取される量が極めて多く「焼却炉からのダイオキシンの発生量を減らしても、人の摂取量にはさほどの影響はない」と指摘していました。この点を見落として、焼却炉から出るダイオキシンを限りなくゼロにすべきだといったような極端な議論は、環境問題を考える上ではかえって勇み足となる面があるのは事実ですね。
ありえないリスクゼロをめざしての暴走って本当に治安問題ともパラレルだ。そんなにリスクに耐えられないなら(自主規制)ばいいのに。
渡辺
>リスクゼロなんてあり得ない。我々が吸っている空気にしても、有害物質を大量に含んでいる。フグを食べたって、時々毒にあたって死ぬ人が出ますが、だからといって人類に危険だからと海の中にいるフグを全部処分しろなんて誰も言わない。なのに、ダイオキシンといえば、焼却炉から出てくるものだけだと誤認した上に、それをストップすれば万事解決するといった安易な発想でダイオキシン法を制定したのは、投資効率・費用対効果の面からしても、まずかったというしかありません。
口実の正しさがどうあれ、結果的にやらないよりはやったほうがいいでしょうみたいな意見に対しては、「費用対効果」「機会費用」って知っています?というようなコメントはこれまでもふしたとおり。
山形
>渡辺さんの本に書かれていたように、我々が飲んでいるコーヒーにしても、実は有害物質がある。濃い目のコーヒーにはカフェインが0.1グラム入っていて、一日五杯飲めば致死量(5グラム)の十分の一になるそうですね。
このようにわかりやすく、ほかのものにたとえてもらうといかにダイオキシンなんかで騒いでいる連中が滑稽か腑に落ちます。
渡辺
>日本人が摂取するダイオキシン類の95%以上は食品からですが、ダイオキシンに一番弱いモルモットの実験データを人間にあてはめたところで、人生十回分(820年分)の食物を「イッキ食い」しない限り、‘急性毒性’で倒れることはないんです。 こんな極端な動物実験の結果を絶対視すると、もし現時点でジャガイモやアルコールが発見されたら、「危険物質を含むから食品としては適さない」とWHO(世界保健機関)も各国の厚生省も判定するでしょう。
じゃがいも全個検査クル━━━━(゚∀゚)━━━━!!w
>マスコミの「洗脳」、報道の悪影響も多分にある。例えば、昨年、東大の文系学生(一、二年生)130名にダイオキシンのイメージをアンケートしたところ、「焼却炉から出る猛毒」「近代文明の生んだ悪の権化」といった答えが大半でした。マスコミや煽動的な「ダイオキシン本」を鵜呑みにした結果でしょう。私にしても、80年代後半は、数百人規模の環境研究者集団の事務局の仕事をしていて、ダイオキシンはまあ危険なものなんだろうなという印象を抱いていました。
>1996年に「逆説・化学物質」という英国の有機化学者ジョン・エムズリー教授の本を訳したのですが、その中で、「ダイオキシンは昔から山火事が起きれば発生していた物質で、そんなに恐れたり騒ぐ必要はない」という指摘があって感じるところがあった。そこで、この説が正しいんだろうかと調べていったところ、専門家たちのトリックとでもいうべき統計操作や針小棒大な議論の展開に気づき、結論が「ダイオキシンは怖くない」とならざるをえなかったんです。
結局、化学物質(←総てのものは化学物質ですけれど)の場合、単位がわかりにくくて数値だけきくとものすごい多く感じてしまうといったところに原因があるのかも。だからこそ、じゃがいもやコーヒーといった他の食物あるいは、820年分イッキ食いとかわかりやすいカタチに落とす、そういった言説が本当に大切だと思います。
山形
>同じ体験をロンボルグさんもしています。彼は統計学が専門で、環境問題に関してはむしろ破滅論信者で実はグリンピースのシンパでもあったぐらいなんです。ある時、アメリカの経済学者の「先入観とダメな統計に基づいて環境が破滅的だとみなすのは間違っている、公式統計をちゃんと分析したら自分のそういった主張(環境破滅論の嘘)が正しいことが確認できるだろう」という趣旨のコメントを読んで、「まったくアメリカの右翼学者がいい加減なことを書いているな。こいつの使っているもっともらしい統計を精査してやろう」と思って調べだすと、あれあれ、不思議なことに、その経済学者の論点がかなり正しいことに気づいたのがきっかけで、この本(=『環境危機をあおってはいけない――地球環境のホントの実態』)を書くことになったそうです。つまり、「先進国の空気は、汚染が進むどころかきれいになっている。発展途上国の人々の飢餓も、増えるどころか減っている」と。
>例えば、『地球白書』などで日本でも著名なレスター・ブラウンがしきりに強調する人口爆発による食糧不足論なども「手に入る証拠では何一つ裏付けが取れない」と否定している。そして「エネルギーも天然資源も枯渇しそうにない。世界人口の一人あたり食糧はどんどん増える。飢える人はどんどん減る。1900年の期待寿命は30年。それが今日では67年だ。国連によれば、過去50年での貧困削減は、それに先立つ500年より大きな実績をあげていて、しかもそれはほとんどすべての国で起きている」と。
>森林資源にしても、よくアマゾンの熱帯雨林は危機に瀕しているといわれますが、著者によると、「この50年間、世界の森林面積は減っていない」「木材や紙の総消費量は、現在の森林面積における新規の材木成長分のわずか5%でまかなえる」ものなんです。
まあ、そもそも温暖化(CO2が増加)すれば植物はよく育つはずですよねw
>ロンボルグさんは、この問題(=地球温暖化)では、先述したように、「京都議定書でも、5兆ドルをつぎ込んで二酸化炭素の排出を何割か削減したところで、100年後に2度上昇するのが、106年後になるだけだという話でしかなく、それだったら、その5兆ドルを発展途上国に回して上下水設備や教育環境の整備になどに使うほうが効果的だ」と指摘しています。何故なら、「衣食足りて礼節を知る」ように「衣食足りて環境を知る」 ことになるからだと。
この辺りは山形氏がフェミ系の言説に反論してエイズ対策について触れていたくだりと綺麗に被りますね。
渡辺
>サミットなどでハングローバリズムを主張する環境運動家たちは、マクドナルドやスターバックスのようなアメリカ企業をよく襲うくせに、何故か、欧州系のグローバル企業は対象外にしてしまうのも不思議ですね。もっとも遺伝子組換え食品に関しては、欧州系企業もやり玉にあがっているから、要するに「大企業は嫌い」という左翼色の影響は否めない。日本でも週刊金曜日の『買ってはいけない』は、そういう反大企業的な視点からのものだったでしょう。
まさに週刊金曜日(笑)ですからね。大企業・政府といった権力的なものを入力するとなんでもかんでも自動的に悪という記事を吐き出す機械ですか?(←そこまで言っていないw)
山形
>それは、要するに水戸黄門シンドローム なんですよ。必ず悪巧みをしている商人と悪代官がいて、両者は結託して町民を蔑ろにしているから、そのネットワークを潰すのが正義なんだと。だから、渡辺さんのような議論をすると、必ず出てくるのが、「この学者は塩ビ業界とつながっているとしか思えない」というものですよね。これが一歩進むと「業界からあいつは金をもらっているに違いない」ということになる(笑)。
面白い言葉なのでφ(..)メモメモ
渡辺
>いや、勿論そんなことはありなないけど、似たような邪推はすでに頂戴しています(笑)。ただ、世界最大の塩ビメーカーは日本の信越化学ですが、工場はテキサスにある。日本では無論のこと、アメリカでも当然、反ダイオキシン運動は盛んだったのですが、それももっぱら90年代初期までで、今はもう反対運動もそれほどない。欧州も同様のようです。おかげで信越化学の生産量はこの不況下だというのに年平均で5%以上の上昇率だそうです。
いまや信越化学はその時価総額において世界でも名だたる化学メーカーですからね。
>ダイオキシンのみならず、シーア・コルボーンらの『奪われし未来』で火がついた環境ホルモン問題にしても、研究開始段階で危険性のイメージのみが拡張されて一人歩きをしてしまうと、引っ込みがつかなくなる研究者が少なくないのが現状のようです。先ずは数千万円、億単位の予算を政府などからもらって研究を進めていくと、途中で大した危険性はないと判明しても、そういう事実をレポートすると、もう予算がつかなくなるし、悪いニュースを待ち望んでいるマスコミの期待にも沿えなくなる。環境ホルモン問題にしても、98年度の補正予算で百数十億円の予算がつき、早速研究所が作られましたが、そうなるともはや‘環境ホルモン問題は大山鳴動して鼠一匹程度の話でしかなかった’という事実を口にできなくなってしまう。
知の虚人立花隆に代表ですが見事なまでにバカ検出装置としての役割は果たしましたね。
参考;実は “知の虚人”? 【 立花隆先生 】 大論争―検索で見つけにくい関連書も集めてみました
山形
>ロンボルグさんによると、男性の精子数が減少したように見えるのは環境ホルモンのせいではなくて、単に射精間隔が短くなったからだという。「射精を3日ではなく10日間控えたら、精子の濃度は60%ほど上がる」「つまりセックスの間隔を一日減らすと、精子細胞は1300万ほど減る」「1940年に比べて1970年には、男性は毎週はるかにたくさんセックスをしているし二倍の回数の射精をしている」と。
渡辺
>最近、科学研究費の成果も、マスコミで何度取り上げられたかで評価する傾向があって、ますますセンセーショナルな報道が増えてきているんです。研究者自身が、大した発見でもないことをもっともらしく新聞記者に話したり、マスコミも悪い暗いニュースは歓迎する傾向があるので、針小棒大に騒ぎ立てがちなんですよ。
かくも世には現状否定派が蔓延ると。
>中西準子氏が、ある雑誌で、‘環境ホルモン空騒ぎ’を皮肉る論文を発表したら、ある県の環境科学研究所の人がやってきて、「先生、こんな論文を発表されては困ります」というから、「危なくないものを危なくないと指摘しただけじゃないですか」と反論すると、「いや、危ない、危ないと言えば、国民もそう思うし、予算もついてくるんです」と言われたことがあるそうです。とにかく、いったん、法律や組織が作られてしまうと、お役人の世界は自律的に拡張していく一方なので、後戻りなりお役御免で組織解体というのがやりにくい。これこそ、本当の意味での環境問題改善のガンになるんです 。
カッコイイ渡辺先生!もはやガン呼ばわりw
>ダイオキシンの女性ホルモン作用が子宮内膜症や尿道下裂など性ホルモンがらみの疾患を増やしている、そういう‘慢性毒性’が怖いんだと訴える人もいますけど、違うんですね。たとえば大豆は女性ホルモン作用物質を大量に含んでいて、その活性と摂取量や体内量を考えたらダイオキシンの影響などゼロに近い。それにだいいち、ここ30年ほどダイオキシンの摂取量も体内濃度も順調に減ってきたから、‘近頃増えた疾患’の原因になるはずは絶対にないんです。
あるある大辞典も真っ青な事実です!
山形
>誤解してほしくないのは、レスター・ブラウンやグリーンピースのように「地球環境は悪化する一方で滅亡寸前」と主張するのは、統計を無視した暴論でしかないと主張する一方で、環境問題には「全く心配はない、何もしなくてもうまくいく」といった態度も間違っているとこの本ではちゃんと指摘している点です。つまり、「環境は改善されつつある、だがまだ不十分なところがあるから努力をしなくてはいけない、そのためには優先順位をちゃんと付けて、やるべきことや効果のあることを先ずやっていこう。意味のないことはやるべきではない 」という立場です。
費用対効果とか何度も記しているのはこういうことですよね。あの~円で何が出来たかみたいな。
渡辺
>そういう正論が、世間の議論からすっぽり抜け落ちていますね。
山形
>環境運動をやっている人たちには流行があって、ある時は牛乳パックのリサイクル、ある時は割り箸廃止と騒ぎますが、部分だけを見て全体を見ないから、結局地球環境の保護にはあまり意味を持たず、やがて流行も下火になる。
>人類の貧困化にしても、従来の議論は、一番豊かな国と貧しい国とを比較して貧富の差が拡大していると言っていたけど、地球全体で見れば、かつての貧困国だった中国とインドが急速に中進国化しており、当然ながら人口比で考えても人類全体の所得が増大していることは分かる。データでも裏づけられている。こういう事実を幾ら指摘しても、「それは俺の実感とは違う、統計なんてインチキだ」と否定する環境運動家がいるけど、「世界の所得水準の実感をどうやってあんて感じ取ったの?」と言いたくなります。僕自身、世界中の発展途上国を回っていますが、客観的なデータ以外で貧富の格差がどうなっているかを感得するのなんて不可能ですよ。そう追求しても、「いやあ、絶対そんなことはない。世界の貧富の差の拡大は定説です」と言われると、もう議論の余地はない。
当時はパナウェーブ騒ぎがあったからの言い回しでしょうが皮肉たっぷりw
渡辺
>マスコミの流した「地球は破滅に向かっている」というエセ情報が頭に染み付いているからでしょう。
社民党議員様がついこの前の予算委員会でも堂々と述べておられました!
参考;http://newmoon1.bblog.jp/entry/358955/
>ある消費者団体の幹部をお招きして、環境ホルモンの議論をしたことがあるのですが、あまり勉強なさっていない。会報に書いてあることもサイエンスからは遠くて、とにかく合成物質は危険だという煽動でしかないんです。けど天然物にも発ガン性のあるものは幾らでもあるわけで、天然モノは安全、合成モノは危険という単細胞的発想は危険極まりない。天然モノは素晴らしいという思い込みや呪縛にとらわれるとトリカブトを添加物に使いたがるようになるかもしれません(笑)。
痛烈極まりない皮肉キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!同じ毒物は天然だろうが合成だろうが同じ毒性です><
山形
>環境問題を議論するときによく直面するのが、問題のすり替えですよね。例えば、食糧問題を議論していたくせに、その不足の恐れがないとなると、今度は農薬による健康問題を言い出す。ダイオキシンは危険物質で死産を招くと声高に言っていた人が、そのダイオキシン自体にさほどの危険性がないと科学的に証明されると、今度は環境ホルモンが問題だと言い出す。人口爆発を懸念する人に対して、その恐れもないというと、生物の多様性が保護されないようになってきて心配だと言い出す。いや、その心配もないよと証明すると、今度は森林が破壊されている、遺伝子組換え食品が心配だと言い出す…。
永久課題に取り組むのは勝手ですがそれこそちら裏で満足してもらいたいです!(…私みたいにorz)
渡辺
>IPCCの気温グラフは地球寒冷化が言われていた70年代までは、低下していた。その後、確かに上昇カーブを描いていますが、それは二酸化炭素云々より都市化も効いているのではないか。気温は百葉箱の温度計で計るわけですが、海上には置けない。地上の都市部に置かれる百葉箱はどうなるかというと、まずビルになる以前は原っぱだったから、そこでは草や木が水を吸い上げる蒸散作用で周辺を冷やすし、わずかとはいえ太陽光のエネルギーを光合成で物質に変えていた。その植物がなくなると、それだけでも温度はプラス傾向を示すはずです。
目から鱗の地球温暖化説否定キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
山形
>ロンボルグさんは水問題もちゃんと俎上にのせていて、住民一人当たり30リットルの水しかないクウェートで水不足が起きないのは、海水の淡水化を行っているからであり、そのためにはかなりのコストがかかるにせよ、「お金さえあれば、水は十分に手に入る」から、「環境ではなく貧困」を解消すれば、水不足の心配はないと指摘しています。具体的には「太陽発電の脱塩工場を一つサハラ砂漠におけば、地球上で現在消費されている水の量を全部まかなえるのだ。太陽電池を並べるのに必要な地域はサハラの0.3%以下だ。」と。
サウジなどその金力にものを言わせて地下水もばんばん汲み上げて小麦輸出国にすらなっていますからね。
>生物多様性を保障するためにもアマゾンなどの熱帯雨林を保護しなくてはいけないという議論につながっていくのですが、「ブラジルのアマゾン雨林の約86%はまだ手つかずで残っている」し、ブラジル動物学会の調査でも、大幅に森林が伐採された地域を調べても既知の動物種で「絶滅したと言える種は一つもない」とロンボルグさんは指摘しています。
>それに対して、生物種が危機に瀕していると主張する生物学者などは、「種の生息数、相互関係、あるいは毎年の消滅数について知らなくても、地上生物相がすさまじい痙攣的な絶滅発作に突入しつつあることは認識できるのだ」と豪語しているのですが、「これで科学者たちは、自分で正しいと思う限り、絶滅数を立証しなくてかまわない、ということにしてもらえるわけだ。こういう主張は、社会が現実的で納得のいく選択をできるように客観的に証拠を集めるという、ふつうは科学者の義務と思われているものを放棄している」とロンボルグさんが皮肉っているのもむべなるかなです。
渡辺
>鯨だって資源的に増えてきているのに捕るなという議論ばかりでしょう。科学ではなく感情が優先しているのは明々白々です。日本では最近はオオタカの巣があったらダム工事も中止なんてやっていますが、今まで人間が豊かになるために行ってきた開発や工事でさんざん野生動物を殺してきたし、牛肉や鴨南蛮蕎麦を食べている身で、矢や釣り針の刺さった鴨やタマちゃんが可哀相だと、いい歳した県・都庁のお役人たちが鳩首協議するのは矛盾していると思うんですがね(笑)。
ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
山形
>アマゾンの熱帯雨林にしても、アマゾンのマナウスに博物館を創設した橋本捷治さんが、朝日新聞に載った「アマゾンには森がない」という記事 を強く批判していました。その新聞記者はアマゾンの森林内の道路を車で走っていたところ、道の両側に木が全然ないのでそう書いたようですが、「道のまわりは牧場だから、その周辺は木がないなんてあたりまえ。でも、ちょっと奥に入れば、何百キロにもなる原野が広がっているのに」と。
渡辺
>まさしく、「木を見て森を見ず」といった感じですね(笑) 。
またアカヒか(略)ということはさておき、見事に記事タイトルに落ちました!上手い、座布団10枚!
>開発といっても、放牧地にしたりするわけでしょう。ならば緑地ですからまだいいじゃないですか。アマゾンの緑地が失われると「『地球の肺』がなくなる」なんて言う人がいるけど、アマゾンのような成熟林の場合、ロンボルグさんが指摘していた通り、酸素と二酸化炭素の出入りは同量、つまりプラスマイナスゼロですから、そんな心配も起こりようがない。小学校で習う光合成など理科教育の基本すら忘れた暴論が罷り通っている。困ったことです。
渡辺先生は光合成の専門家ですからまさに正論キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
>遺伝子組換え食品にしても、私は以前、アラン・マキュアンの『遺伝子組換え食品――どこが心配なのですか?』という本を共訳で出しました。ロンボルグさんもその内容を紹介していましたね。マキュアンは遺伝子組換え食品を作っている研究者ですが、所詮、組換えも一種の品種改良でしかない。昔などは、植物に放射線を当てて突然変異を起こさせ、見た目によさそうなものをピックアップして新種を作ったりしたこともあった。その時に生じる遺伝子のでたらめな変化のほうがはるかに予想がつかず問題であって、現在の組換えは、あくまでもピンポイントで接ぎ換えるだけですから、従来の品種改良に比べてもずっと安全なんですよ。
「銃・病原菌・鉄」にも記されていますが、人類は太古から品種改良ようは遺伝子組換えして現在ある作物を手に入れてきているわけですが何か?という感じですか。
山形
>気持ち悪いという感情が先立つんでしょう。アメリカでも、アンケートをすると、6割ぐらいの人が、普通の食品には「遺伝子は入っていない」と思い込んでいるそうですからね。
渡辺
>縦横無尽に論じたロンボルグさんの本は、環境問題を考える上でバイブルのようなもんだと思いました。一人でも多くの人たちに読んでほしい本です。
私はむしろ渡辺教授の本こそ読んでもらいたいと思います!!!
・「ダイオキシン―神話の終焉」渡辺 正 (著), 林 俊郎 (著)
・「これからの環境論―つくられた危機を超えて」渡辺 正 (著)
(←特にこちらが超絶ディーモルトお勧め♪一気に読めること請負!環境問題に関して盲が啓かれます。私はロンボルグ氏の大部よりもむしろこちらのほうが読んだときのインパクト大きかったです。)
- nobさん、ありがとうございます!!!!!
教えていただいたのですぐに録画予約入れたのに…一時間間違えてorz 再放送を入れなおしたのでそのうえで別途文字お越しすることになるかも(笑) - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2007/04/12 03:04
- tdkさん、こんばんわ。
まあ、そう簡単に作れるものではありませんが(渇水だって結局いつまで続くか、今年限りのものかという見通しが立たないと大規模投資にはなかなか踏み切れないかと)、経済絶好調のオーストラリアは淡水プラント作りに舵をきっているみたいです↓
・VIC州でも脱塩淡水化プラント
http://www.25today.com/news/2007/04/vic_38.php
>4月7日付エージ紙は、VIC州政府の依頼で専門家のパネルが脱塩淡水化施設に関する調査を行ない、「VIC州はすでに他の州に遅れを取っている」と警告した、と報道している。QLD、NSW、WAの各州はすでに上水道用脱塩淡水化施設の建設に着手または完成している。
>メルボルンの水需要を満たすためには日産3億リットルの淡水化が必要。施設は段階的に建設。立地としては、高塩濃度の排水という問題があるがポート・フィリップ湾が候補として上がっている。WA州ですでにパース市の世帯向けに稼働しており、NSW州でもモデルとして採用された、WA州水道公社の施設設計モデルを購入するかどうかを検討中と報道している。パースの施設は日産1億4,400万リットルで、イスラエルとアラブ首長国連邦の脱塩淡水化施設についで世界第3の規模。
>この記事の意図するところ何かは分かりませんが
実に単純なことのつもりです。「環境保護」みたいな錦の御旗の前で条件反射的に思考停止に陥らず、よくよく考えてみましょうと。機会費用とか、費用対効果を考えてみましょうとただそれだけです。 - commented by 遊鬱◆jnhN514s
- posted at 2007/04/12 03:00
- 遊鬱さん、こんにちは。
今日の NHK 教育「視点・論点」に刈谷剛彦教授が出演します。
- commented by nob
- posted at 2007/04/11 11:49
- >>プラントで真水化すればいいだけ
それがこの言葉のように簡単に行ってれば、オーストラリアが水不足で苦しむことなどなくなってるでしょう。
再設計が、この記事の意図するところ何かは分かりませんが、それによって貧しくなる、という結びつきはおかしいのでは。単純に消費を減らせば支出も減るはずです。
専門家の断定にリアリティーを感じられないのは、普通の日本人ならば仕方が無い気はしますがね。 - commented by tdk
- posted at 2007/04/10 23:51