>『そもそも物質を「人工」と「天然」に二分するところがおかしい。DDTさえ、あとで述べるダイオキシンと同様、微量なら自然界でもたやすく生まれる。化学式を眺めればわかるとおり、人工物質だからといって特別なつくりをしているわけではない。そして、からだにあぶないかどうかは、人工・天然関係なく、摂取量や体内濃度で決まる。』
「からだと化学物質―カフェインのこわさを知ってますか? 」ジョン エムズリー (著)
(翻訳)渡辺正 訳者補遺『「安全・危険」は量しだい』
みのもんたのズバッ!発言は“禁止”検証委がクギ刺す
>見解では「問題は不十分な取材調査に起因し、司会者らの断定・断罪的言動によって誇張され、いっそうの悪印象を与える効果を発揮した」と指摘。「断定的コメントなどに起因する不適切な放送をしたことなどは放送倫理上、見逃すことができない落ち度であった」などと結論付けた。検証委は都内で会見。みのの発言について「取材の結果、裏付けができている範囲がどこまでか十分に知ってコメントするべきだった」と“何でもズバッ!禁止”との見解を示した。「4月の番組でみのが自分の言葉で謝罪すれば変わったか」と問われると「訂正放送のあり方として随分変わったと認識している」とズバッと斬った。
郷原氏とネット世論なかりせばここまでの断罪的コメントを引き出すこともできなかったでしょうね(感慨)
>TBSは「見解を真摯(しんし)に受け止め今後の番組作りに生かしていきたい」との談話を発表。みのについては「夏休み中。今のところコメントを出す予定はない」とした。(サンスポ 8.7)
同じ対応をそれこそ不二家なり、なんなりがしていたらどんな風に叩くんですか、こいつらは?
児童虐待の摘発24%増、関心高まりで通報増も一因
>今年上半期(1~6月)に全国の警察が摘発した児童虐待事件は、昨年同期比で24・2%増の149件に上ることが9日、警察庁のまとめでわかった。統計を取り始めた1999年以降、一貫して増加しているが、同庁は「虐待防止に対する社会的関心の高まりから、関係機関への通報が増えていることも要因ではないか」と分析している。
こういう分析がきちんと掲載されるようになったんですね・・読売万歳♪
>被害者数も、昨年同期比22・7%増の157人で、年齢別では0歳が22人と最も多かった。一方、死亡に至ったのは18人で昨年同期(28人)を下回った。摘発件数の増加について、同庁は、警察と児童相談所など関係機関との連携が強化され、早期に介入しやすくなっていることも原因の一つとみている。
こういう分析がきちんと(略)、治安悪化を煽る言説がめっきり減ってきた(アカヒ・毎ゴミ界隈除く)ように体感されているんですけれどw
>一方、児童買春・児童ポルノ事件の被害者は773人で、昨年同期(778人)とほぼ同水準。このうち児童買春事件は651人で、昨年同期(713人)より減少したが、児童ポルノ事件は122人と昨年同期(65人)より大幅に増えた。(2007年8月10日 読売新聞)
買春よりはポルノで満足させておいたほうがいいんじゃないとか思う自分は二次に親和性が高いからなんだろうか?(苦笑)
森林への期待、「温暖化防止」最多に 内閣府調査
>内閣府の「森林と生活に関する世論調査」で、森林に期待する役割として「二酸化炭素の吸収による地球温暖化防止」が複数回答で54%に達し、99年の調査以来初めて最多となった。2番目は山崩れや洪水などの災害防止(49%)だった。林野庁の依頼で、5~6月に全国の20歳以上3000人に面接調査し、回答率は61%だった。
既に京都議定書で日本はめいいっぱいよくわからない森林の二酸化炭素吸収を認めさせていますが何か?しかも森林だっていつまでも二酸化炭素吸収のほうが多いわけじゃない・・。
>日本は京都議定書で12年までに温室効果ガス排出量を森林吸収で3.8%減らす方針だ。こうした方針を説明したうえで森林整備費の負担について尋ねると、上位二つは「排出割合に応じ企業や国民が負担」(55%)と「森林の恩恵が広く及ぶ国民全体で負担」(54%)だった。(朝日新聞 8.12)
既に国土の7割が森林なのにこれ以上どうやってwということはさておき、公共事業の代わりに堂々と地方にお金を回す仕組み(林業や農業込みで)と思えばましなのかな~。
温室ガス削減は達成困難・原発稼働の低迷などで
>京都議定書による温室効果ガスの排出削減目標達成に向けた国の計画は、高い原発の稼働率を見込むなど欠陥が多く、このままでは1億5000万トンの削減分が不足することになるとの試算を、環境保護団体「気候ネットワーク」が2日までにまとめた。この量は、基準となる1990年の排出量の約12%にも当たり、目標達成は非常に困難。同ネットは「自動車の燃費基準の強化や、石炭火力発電から天然ガスへの転換などを進めれば、まだ挽回は可能だ」と国の政策強化を求めている。
ここで原発促進や自動車廃止(買い替えたらその分の環境負荷は?)と書けないのが環境保護団体の限界ですねw
>試算では、国が達成計画の中で、原子力の利用拡大、自動車の燃費や建物の省エネ性能の向上などで見込んでいる削減量を現状と比較するなどして評価した。計画は87―88%という高い原発稼働率を想定しているが、実際にはせいぜい75%と推定され、その分、石炭火力の比率が高まる。この結果、排出量は想定より7600万トンも多くなるという。また、建築物の省エネ性能の向上で2550万トンの削減を見込んでいるが、現在の傾向では達成の見込みは薄く、1267万トンが不足。これらを中心に、全体の不足分は1億5000万トンに達すると試算された。
これからの自動車選びさま「二酸化炭素排出権取引が急拡大 1 t =30ユーロ(4470円) 欧州市場」
などを読むと・・相場の乱高下や円安などありますが1t=4000円と概算しても、原発稼働率の低下分で、3000億円は海外に上納、全体で6000億円(絶句)!これでも武田先生の2兆円ロシア寄付よりはましなシナリオですね。
>同ネットの畑直之常任運営委員は「新潟県中越沖地震で原発の稼働率はさらに低くなることが明白で、このままでは不足分はさらに多くなるだろう」と指摘している。(日経新聞 8.3)
お口直しに以下のエントリーでは上記あとがき部分から渡辺先生の快刀乱麻というより、妖刀とでもいうべき切れ味のコメントを抜粋いたします♪
>『万物は化学物質でできている。(中略)むろん人体もあらゆる毒物を含んでいる。高感度の機器を使えば、水素からカドミウム、白金、水銀、鉛を経てウランまで、すべての元素がつかまる。「猛毒」のカドミウムは、体内にある量が全身にまんべんなく散らばると、組織1グラムあたり5000兆原子になる。同じ組織1グラムは、平均でダイオキシンを10億分子、PCBを1兆分子も含むけれど、それくらいでは毒にならないのだ。摂取量や体内濃度が度を越せば、なにげない砂糖や小麦たんぱく質を始め、あらゆる物質が毒になる』
渡辺正「同上」
以下 環境「問題」というバーチャル社会の弊害から(以下略)続き+血液型性格診断というバーチャル社会の弊害から(以下略)
「環境問題」を食いものにする人々・・・。恐怖を煽る本が出版される背景とは?
>『Amazonのページを使い、過去およそ二十年間に発行されて「ダイオキシン」を主題か副題に含む日・英・独・仏語の本を数えてみた(2002年9月)。ひところ「ダイオキシン本」が書店に山と積まれた情景が目にちらつき、海外でもずいぶん出ているのかと思いきや意外に少なくて、品切れ(絶版)を除けば和書を合わせて130冊しかない。内訳を見たところ、130冊のうちなんと105冊、率で8割以上を和書が占めている。しかもその大半は「こわさ」を語り、「身を守る方法」を教える一般向けの本だった。そのほか、題名に「ダイオキシン」を使っていないがダイオキシンを準主役にした和書も10冊どころではない。また、105冊の六割にあたる62冊は1998・1999年の2年間に出ていた。なお、わずか25冊の洋書のうち、題名や解説から一般向けとおもえるものはほとんどなく、英語2冊、フランス語3冊の計5冊だけだった』
>これは「ダイオキシン-神話の終焉」(渡辺正、林俊郎共著 日本評論社)からの引用である。世界で発行されるダイオキシン本の8割以上を日本が占めているのだ。
渡辺先生はこの事実を指摘した上で「ダイ」オキシンという名前がいけなかったんじゃないの?と身も蓋もないことも仰られています。欧米の人にとっては酸素化合物という意味に過ぎないのに「ダイ」=「死」?みたいにとっちゃうんじゃないのと・・一笑に付すにはあまりにも穿ちすぎているような気がしてならないorz
>日本の出版社が世界に先駆けてダイオキシンの危険性に気づき、競って発行したと考える人は余程おめでたい人である。「売れる」と判断したから発行したまでである。そして「売れる」という状況を作り上げたのはいつもながらの集中報道の付和雷同メディアなのだ。メディアは科学的な評価能力を欠き、ダイオキシンを史上最強の毒物と喧伝し、恐怖を売り物にすることによって視聴率を稼いだ。英語圏、仏語圏のメディアに比べわが国のマスメディアは次のような特異性を備えていると推論してもよのではないだろうか。
だからこそ、とりあえず「犯罪不安社会」に基づいたニュースを広め始めたといえる読売新聞は高く評価します。
①科学分野の評価能力が大変低い→危険性を過大視する
②メディアに個性が少なく、一斉に同じ方を向く→異なる見解の情報が伝わらない
③視聴率を稼ぐための大衆迎合が徹底している→集中報道となり一層過大に伝わる
私は「地球温暖化」は日本の「ダイオキシン騒動」の欧米版と踏んでいますw
>著者、出版社は事実上、環境問題の恐怖を売り物にして商売しているのだ。厄介なことに恐怖を喧伝する本は一見科学的で、センセーショナルで、かつ、わかりやすいのに対し、誠実に書かれた本は面白くないうえに理解するのに努力が必要だ。教科書が面白くないのと同じである。大量に売れるのは前者である。またこれらは電磁波防止グッズや健康食品の売り上げにも貢献している。彼らのつけ込む分野には共通点がある。完全に白とは証明されず、僅かに未知のリスクが残る分野である。これを針小棒大に煽るのだ。そして水俣の有機水銀汚染などの例に出し、彼らだけが危険性に気づいているという立場をとる。
あるある大辞典です!!!リスク評価という観点とはかけ離れた悪魔の証明でもって無限のコスト投入を求める人たちです><
>現在、ダイオキシンや環境ホルモンの文字が新聞に出ることはほとんどない。ダイオキシンも騒がれていたほどの影響はなかった。結局、メディアに押された環境庁が規制を強め、環境機器メーカーに数千億円の特需が舞い込んだ結果となった。
渡辺教授も、浜井教授も記事数と事件数の乖離、記事数と不安の高まりの相関関係を実証しておられます!
>2004年6月、環境省は環境ホルモンとして指定していた67種の物質の指定をすべて廃止した。98年の指定以来調べてきたが、哺乳類にはその影響が認められなかったという理由による。かつて大騒ぎした新聞はこの事実を無視するか、目立たない小さな記事にしただけであった。だからほとんどの人は廃止の事実を知らない。数年前、環境ホルモンで大騒ぎした後始末の態度として、無責任の感を否めない。(パブリック・ジャーナリスト 岡田 克敏【京都府】)
この記者は間違いなく渡辺先生のファンです(・∀・)人(・∀・)ナカーマ・・まったく同じ趣旨のことをおっしゃっておられます!
科学オリンピック 金で理科復権!
>実行委員長の渡辺正・東京大教授も「世界から七十カ国、三百人くらいの高校生が来るので、将来の研究界・実業界を担う人材の養成に一役買いたい」と言う。
>渡辺教授は「日本の学生の学力レベルや資質は決して他国に劣るものではないが、学校のカリキュラムが国際的な水準に達していない。そういうこともオリンピックを通じて訴えていきたい」と、高校の理科教科書のあり方についても、情報を発信したいという。(中日新聞 8.7)
そして渡辺教授はこうして地道な理科教育の普及に努めておられると。・゚・(ノ∀`)・゚・。(また、学力テストに関しては単に翻訳が悪い部分もあるなかで相当よく頑張ってるともおっしゃられています)
>『量・濃度の目で日常を振り返ってみると、私たちはずいぶん「怖い物質」に接しながら生きているのだとwかる。たとえばエタノールは致死量が300グラム強なので、お酒好きの人ならふだんの数倍で命が危ない。アスピリンも、鎮痛用に1日4錠飲むとして10日分(20グラム)が致死量になる。(中略)ニコチンの致死量60ミリグラムはタバコ数箱分だし、カフェインもコーヒー50杯分が致死量になる。(中略)そうしたこわい物質が獅子なら、ダイオキシンは蟻のようなもの。』
饅頭ならぬコーヒー怖いw
>『ダイオキシンにいちばん弱いモルモットは、半数致死投与量LD50が体重1キログラムあたり1マイクログラム。それを体重60キログラムのヒトに引きうつせば60マイクログラムになる。かたや私たちは食事から1日に100ピコグラムのダイオキシンをからだに入れる。「マイクロ」と「ピコ」は100万倍違うため、1600年分の食べ物を「イッキ食い」しなければモルモットのLD50にも届かない。猿のLD50が当てはまるなら「10万年分(!)のイッキ食い」が必要になる。』
胃袋が四次元ポケットでないと無理です><
>『どこかの土地を分析したら「基準」の何千倍もダイオキシンが出て企業が何億円も補償金を払ったとか、工場排水に数千pptのダイオキシンが検出されたとか、なにか画期的な事件のように新聞はかきたてるのだが、そのダイオキシンが人体に入る確率はゼロに近いし、たとえ入っても健康に障るはずはないのだ。そんなことを報じるなら、レストランの排水に大量のエタノールやカフェインが出ても報じてほしい。また、都会のオゾンと一酸化炭素はぜひ盛大に騒いでほしい。あるいはアルコール飲料や自動車の撲滅キャンペーンを張るのも筋がいい。それが科学記者の姿勢だろう。』
「科学」と限定せずとも記者全般についてこれまで何度も書いてきましたが、情報の重み付けに関する秤が狂っています!
>『人類は誕生から数十万年、ほとんどの時間を洞穴で木を燃やしてきた。いまはモダンな家に住み、昔の暮らしなど忘れかけている日本人も、つい最近まで囲炉裏の煙にいぶされていた。訳者が育った40年前の農村なら、煙にむせない日などまずなかった。ダイオキシン入りの煙を数十万年も吸い続けたヒトという種は、遺伝子レベルで耐性を獲得しているだろう。その証拠に、ダイオキシンで死んだ人間はほとんどいない。』
ダイオキシンがそんなに有害な物質ならとうに人類滅んでますたw
>『1963年から37年間に、車は交通事故だけで1000万の命を奪い、10億人以上の負傷者を出し、何百種類という未知の毒性物質も含むはずの排ガスで人々の健康をそこない(そしておそらくは多様なアレルギー疾患も引き起こし)、窒素酸化物の光化学変化が生むオゾンで大都市近郊や高速道路まわりの樹木を枯らしてきた。この話をするとたいてい、「車は役に立つ。多少のリスクはやむをえない」と反論がくる。それなら、わずかなダイオキシンを不純物に含んでいたとはいえ、食糧生産にめざましい貢献をした農薬はどうなのか?また、年々30万人の事故死が「多少」だろうか?』
_ ∩
( ゚∀゚)彡 車撲滅!車撲滅!
⊂彡
>『数年来、一試料に数十万円かかるダイオキシン測定が数かぎりなく行われ、「ダイオキシンの出ない」大型焼却炉の全国展開に向けた行政・業界の動きが始まっている。所沢市だけでダイオキシン対策に50億円ほどつぎこんだらしいし、研究費や調査費、自治体の事業費、「ダイオキシン本」の出版費、番組制作費などを合わせ、全国では数兆円のお金を無駄にしたのではないか?』
どう見ても悪名高い公共事業以上に金をどぶに捨てています(いやこの場合札束燃やしていますと言うべきか?)。
>『焼却炉を大型化すれば、「いい運転条件」を維持するためにゴミをどんどん出さねばならない。景気低迷の昨今、雇用を増やし経済を活性化するのは無意味ではないとはいえ、環境浄化に逆行する営みは納得しがたい。』
痛烈な皮肉です、環境対策の名の下に環境が犠牲にされている (;´Д`)l \ァ l \ァ
>『実体のない影におびえて莫大なお金とエネルギーを浪費し、塩ビというすぐれたポリマーの生産者を非難し、ゴミを発生源でらくらく始末できる小型焼却炉を封印させ、たき火という秋の風物詩を抹殺する行為はなんともむなしい―――たとえ無知ゆえの善意に発する行為だとしても。』
渡辺正「同上」
情報の真偽を問う前に、まず頑迷なる善悪の基準があって、その基準によって情報が針小棒大にまた歪められて「解釈」されているんじゃないんでしょうか?(例)「人工=悪」が善悪の基準→「遺伝子組み換え=悪」がそこから導き出される答えみたいな・・。
【参考】
http://newmoon1.bblog.jp/entry/348992/
(渡辺×池田教授対談)
http://newmoon1.bblog.jp/entry/366184/
(渡辺教授×山形浩生氏対談)
http://newmoon1.bblog.jp/entry/379046/
(安倍美しい星50)
http://newmoon1.bblog.jp/entry/383142/
(武田邦彦教授)