千秋



小春日和に瑞々しい緑葉が目に優しい芭蕉

この辺りには珍しい南国の趣き



田中一村展 カタログで見た奄美での作品を見て

どこかアンリ-ルソーを想わせ関心あり

画歴は長いのに生前は殆ど無名だった



奄美以前の作品は多種多様で多作

画家としての生業を感じさせていました

構図や精緻な色彩など独特な雰囲気で

画家の視点は何処にあるのか魅了されます

何故当時の画壇に認められなかったか疑問です



琴線にふれる佳い回顧展でした

海辺の景色は癒しになりますが昨今は

自然は猛威をふるいますね

海に因んだ映画も題名に惹かれて〜



〜海の沈黙〜

倉本聰の脚本で集大成の作品です

俳優陣が凄い‼️

孤高の天才画家で己れの美だけを追求していく

どのカットも迫力があり見応えありました

発端は贋作にまつわる事件からですが

作者の美とは〜の問いかけが心に沁みます

アイドルだった方々が達者な演技者に

脇役も個性的でした


主人公が命をかけての夕陽の絶筆が残像として〜

昔から美しい落日を眺めたいと想っていました


➖探した映像の拝借ですが➖


    〜 心に叶う夕陽に出逢いますように 〜





氷雨の朝方 山茶花が寒そうに咲いて

冬時雨の彩りです

微かに香りがするので茶花になりせんが

パッチリと並行に開き華やかな趣き



久しぶりに国立能楽堂へ復曲の( 実方 さねかた) 

不遇の死を遂げた藤原実方がアイ西行に

自らの供養を頼みます

後シテ老体の実方は中将面に白髪の出立ちで

立ち姿の設えに異形を感じさせながら

序の舞から波の舞と移り老残と年盛りの美しさの

残像を二重写しにする

シテは水鏡に映る姿に自己愛を投影させて

この演目の不思議な趣きを醸し出し印象的

でも難しい役柄ですね

地謡に耳を澄ますと分かり易かった〜


伝世阿弥作とも言われ何故廃曲にでしょうか

実方は道長と同時代を生きた平安貴族

源氏の君のモデルとも言われるらしい⁉️



16日は道長の望月でしたが雲隠れ

翌夜は少し十六夜って今年最後のスーパームーン

ビーバームーンと呼ばれて〜振返り調整〜意味

丁度大河ドラマのクライマックスが佳境で

道長の望月の歌が唱和されてましたー

  

 〜 この世をば我が世とぞ思ふ望月の

    欠けたることもなしと思へば〜

    

実方は舞の名手でもありさぞ美しかったでしょうね

西行との対峙で自意識と和歌への妄執が眼目と

感じ入りました



19日は宗旦忌で宗旦餅が振る舞われます

宗旦お手植えの銀杏木からの銀杏実だそうです

この日京都は初雪だったとか〜

餅皮らしくないけれど銀杏をあしらって銀杏餅

同じ生地の生干菓子 紅葉葉の吹寄せ



この秋は何度も美しい月たちに出会えて幸いでした

お月見のたびについ手を合わせ願い事

世界中同じ月を眺めているのに不協和音に溢れ

先行きは不透明

大国の思惑に一喜一憂となるのでしょうか

心許ない日々になりそー嗚呼



    安心安穏の世の中になりますように






立冬の暦日には木枯らし1号も吹きました

例年は桜並木には紅葉した櫻葉か見られるのに

秋の異常な暑さですっかりひと葉も無くて〜

花水木の紅葉葉をおもわず拾いました



開炉には心温まる愉しいお茶事の想い出あり

お仲間の訃報は哀しくて秋明菊を暫し眺めて〜




茶道の亡き師は炉開きには何時も粟善哉を

温かくほっこりする甘味が懐かしい

亥の日にはやはり亥の子餅

あまり可愛くない猪子になり〜です

暖房器具を出すことからも火の用心の意味合い

季節の行事は理に叶ってますね



埴輪展は見応えありました

国宝 挂甲の武人を中心にアメリカから里帰りや

各地の武人5体が勢揃いは壮観

修復過程で見つかった色味からの復元も面白い



様々な形象の埴輪から古墳時代の人々の暮らし

感性が想われ親近感あり



正座する女子 祈っているのかな




笑う男子の微笑みは慈愛に満ちてます



いつの時代も変わらぬ人間の営みがあったと実感

心暖まる佳い展覧会でした



寒気に縮んでましが 銘 宙 (マソラ)

前にも友人の訃報を知り佇んでいました