うちの病院はここまでひどい身体拘束はしませんが、ミトン・つなぎ・三点柵・センサーと、全く身体拘束をしないわけではありません。
私的には、ミトンは最悪な身体拘束だと思います。まだ、紐で上肢を抑制したほうが、見た目は悪いけれど害が少ない。
ミトンは、手の拘縮や手の白癬の発生とか良いことがない。安易な身体拘束をして、たった一週間で普通の手だった患者さんが、全く運動のできないマネキンのような手になってしまった事を今でも覚えています。
急性期の病院の方々にお願いしたい。
最近、大学病院を始めとして、急性期病院では、内頚部にCVを挿入するのが流行しているらしい。確かに、鎖骨では気胸のリスクがあるし、鼠経では感染のリスクが高い。リスクを考えると内頚は一番安全である。
しかし、一般の皆さんでも、首に何かあると気になりませんか。ちょっと首を動かせばCVが気になるはずです。
頭部はけっこう動きます。動くたびに首の異物が気になると思いますよ!
また、一番、「こんなの嫌」と自己抜去しやすいところにある。
生活の場である療養型病院では、患者さんの尊厳を損ない、基本的人権の侵害となる身体拘束はなるべくしたくないのです。
何故なら、治療上仕方がなくではないからです。
生活の場ですから、大切なのは患者さんの尊厳です。
しかし、経口的に食べられない患者さんに対して、急性期の病院て経管栄養や 経静脈栄養を施して療養型病院に転院してくる。
非経口栄養を選択されている患者の中にも、いやいや実は食べられちゃう人がいます。
たまたま、その病院のご飯が口に合わなかったり、介助のされ方が悪くて拒食を示す人がいます。
うちの病院は、よその病院に比べて味付けが濃い。高齢者に美味しさが伝わりやすい食事を用意するので、拒食だった方がパクパク食べるケースが時々あります。
非経口で来た患者さん。そのルートを安全に確保するために、身体拘束するケースがとても多いです。
「食」は生命に関わる事です。食べられなければ餓死となるのです。生命に関わる事は抑制はしかたない・・・。
たぶん、多くの施設でもそう判断するとでしょう。
そして、身体拘束は死ぬまで続き、ご本人は尊厳を失いながら終末を迎えるのです。
いやいや、このCVのルートが鼠蹊部だったら・・・。経鼻栄養でなくてPEGだったら・・・。
その人の尊厳を損なわれずに済むのにという事が多々あります。医療者の説明や判断で、その患者の一生が台無しになるのです。
急性期の病院の方々。その人がいかに尊厳を保ち基本的人権が確保されるか工夫して療養型に送ってほしいです。
内頚のCV確保は、しっかりした人でも気になって自抜事故を起こします。
医師が安全に主義を提供する事も大切ですが、
以降、数年の失われる尊厳の方が重要と私は思います。