昨日、華佗という人が行った手術で麻酔はどうしたかと疑問に思ったが、
どうも、世界初で全身麻酔下での外科手術を行ったのは、この華佗という人らしい。
その麻酔薬の名前が「麻佛散」といって、葡萄酒にまぜて服用。患者の意識を失わせる作用を持つ薬でチョウセンアサガオなどを主成分とした薬らしい。
この華佗という人は、こういった素晴らしい診療技術を本に記していたらしいが、
曹操に頭痛の治療として開頭術を勧めた事で、「俺を殺す気か」と怒りを買って処刑される。華佗は処刑前に、後世に医学書は残すべきと考えて牢の番人に本を託そうとしたが、番人は曹操の怒りを恐れて受け取らなかったらしい。落胆した華佗は牢内で医学書を燃やしてしまったのだそうだ。
もし、この医学書が残っていたら、もっともっと昔から外科手術が発展していただろうな。華岡青洲の妻が失明する事はなかったかもしれないと思った。
が、外科手術という行為は儒教の教えに反するとか。よってはるか昔から儒教国であった中国では外科手術が封印されたらしい。なので、たとえその医学書が残っていても、外科手術というものは闇に葬られた可能性がある。つまり、結局は今の流れは変わらないという事だ。
「出る杭は打たれる」
もしかして、時はその時代その時代で発展する限度が設けられていて、それから逸脱して発展し過ぎたものは「時」によって調整されてしまうのかもしれない。
この三国時代には、張仲景という熱病のエキスパートのような名医がいたらしい。当時、華佗が外科のエキスパートなら、張仲景は内科のエキスパートであろう。この人は医師である前に後漢の朝廷の役人だったらしい。この人の書いた「傷寒雑病論」は江戸時代の日本の医学に大きな影響を及ぼしたらしい。
戦争ばかりの世の中であった三国時代。二人も医学の偉人を生んですごい時代だと感じる。