嘘か本当か分からないですが、病院で処方する漢方の中で一番売れているのが、この抑肝散らしい。
名前から、はじめ「肝臓の薬」と思っていました。・・・漢方はよくわからん。
この薬は、子どもの疳の虫とか、大人の場合はイライラとか興奮とかを押さえるために使います。
認知症で不穏な状態。暴れたり、大声を出したり、興奮が止まらない患者さんに鎮静剤として処方されているのをよく見かけます。
が。。。西洋医学が基本の多くの医師は「あんなの気休め」「効かないよ」という方が多い印象がある。
看護師的には、人によっては効果抜群で、あんなに暴れん坊の人が穏やかになるなぁというイメージがある。また、代謝の悪い高齢者。向精神薬を続ける事で、どんどん薬効が溜まって、ある時、突然の過鎮静状態に。抑肝散はそういう事がないかなぁという印象がある。
ただ、漢方は独特な香りや苦みがある。ついでに量が多い!けっこう認知症の患者さんに服用を勧めるのが大変な印象がある。
そて、何ゆえに「抑肝散」なのであるか。
イライラとか興奮とか神経症的なものは
「肝(カン)が高ぶっているせい」なのだそうで、その高ぶりを抑制する事からこの名前がついたらしい。
中国や韓国の時代劇ドラマ好きの私・・・。何気にこの台詞を聞いた事があるように思う。
後宮の争いで、皇帝の寵愛を失った側室が焼きもちレベル最長にいたり卒倒。その状態を診察した医師が「○○様は肝が非常に高ぶられた状態ですので、その高ぶりを抑える薬を処方いたします」といった感じ♪
しかし、こういった宮廷ドラマの世界は非常にお上品であると感ずる。
今の医師だったら「ああ、ヒステリーが原因で卒倒されたんですね」という感じであろう。最高権力者の女。故に美しく外見は超上品な煌びやかな方に「ヒステリー」という言葉は今一つ似合わない。俗っぽい。「肝が高ぶって」・・・肝臓が興奮?・・・と思いつつも、非常に美しい表現だなァと思う。
中国や韓国の時代劇を観ていて、この医師の病状説明が非常に文学的で美しいところが好きだ。たぶん日本も東洋医学が主流だったころはこんな感じだったのだろうな。
先日、
『三国志』を観ていて、華佗という伝説の名医がいたらしい。卑弥呼とかそんな時代に彼は外科手術もしちゃうエキスパート。頭痛に悩む曹操に開頭して病因を取り除くことを勧めていた・・・。そんな時代から脳外科手術があったの!!驚いた。
しかし、麻酔はどうしたんだろうと素朴に思う私であった。
確か、初めて麻酔を使った外科手術は18世紀ころ日本の華岡青洲が朝鮮朝顔を使って乳がんの手術をしたというやつだった気がする。ただ、東洋医学だったし、世界的に認められる論文出したわけではない。なので正式な麻酔を使った外科手術は19世紀ころとなっている。
そけよりもはるか昔の華佗。まさか麻酔なしで大手術をしてきたのだろうか?