一週間前はこんな感じでしたが、昨日見たら巣が空っぽになっていました。みんな旅立ったのでしょうか。
暖かい季節ならではの光景。癒されます。
昨日の日曜の出来事です。
胃がん末期の患者さん。緩和目的の入院。
痛みに対してはオピオイド使用で何気にコントロールされつつありましたが、身の置き所のない倦怠感に欝々とした入院生活を送られていました。
ご飯は当然の如く召し上がるのも難しく、点滴で水分補給。が、「もう、十分に幸せな人生を過ごして来たから、すっと死にたいのです」と訴え、点滴も中止となった。何気にお好きな炭酸飲料を少々口に含まれる程度で週末を迎えた。
オピオイドが終末より増量となったが、補助薬となるものが中止となり、このまま苦痛を感じながら、欝々とこの方はエンドステージを迎えるのかなと感じていました。
ところが、想像とは反対に元気になってしまいました。「ラリっている」とある看護師が言っていましたが、まさにそのような感じでハイテンションの上に興奮状態。所謂せん妄を起こしている感じです。
土曜日、日曜日と元気というか、興奮している感じで怖いくらい。正気かと思えば訳の分からない事を言ってくる。
急にあれもこれも食べたいという意欲が出てきたり・・・。あまりの変化に看護師たちは戸惑ってしまった。
日曜のお昼に、見舞いに来た息子さんに「ビールを飲みたい」と希望したらしい。息子さんは、看護師に相談もなくビールを買ってきて・・・カンパーイ♪のところで担当看護師が発見。
その時、リーダーだった私に報告有り。
一般常識で病院内での飲酒などありえない事。過去に飲酒して強制退院の処置を行った病院もあった・・・。
えーっ!どう対応したらいいの?!
せめてノンアルコールビールだったらよかったのに・・・・。
土日は常勤医師もいないし、役職の看護師もいない。
休暇中で申し訳なかったけれど、師長に電話報告&相談。
「大目にみていいんじゃない」という回答・・・。さすが師長は女神だ。
彼はこの日の早朝に転倒して、前額部を打っている。つまり、頭部打撲しており・・・飲酒していいの?の状況。
また、オピオイドを使用している。相乗効果が生じて重大な副作用の出現が予測される。
・・・
が、彼はターミナルで「もう、安らかに死なせて下さい」と言っている。
そんな状況で
「○○したい」と希望はできる限り叶える事も重要叶える事も重要。
新橋や渋谷で飲み歩いた現役時代を思い出して、彼はビールを飲みたいと希望したらしい。
一週間の寿命が、三日になろうと・・・今更な事である。
出来る限り、やりたい事をやらせてあげたい。この方の場合はそれでいいのかな。
しかし、浅はかな看護師もいて、
この人の場合は・・・なのに、誰もかれもOKと勘違いする看護師がいる。
ここで線引きが乱れない事を願うばかり。