お菊さん | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

『番町皿屋敷』。昨日初めて生でお芝居を拝見いたしました。

「一枚・・・二枚・・・」と夜な夜な井戸から現れるお菊の幽霊・・・。私が小学校の頃から知っている怪談話です。

噂によると、麹町にあった旧日本テレビは、その番町皿屋敷・・・青山主善の屋敷があったらしい。という事で、女人の幽霊が出現すると心霊スポットとされているそうだ。

このお菊さんの話。江戸バージョンと姫路バージョンがあるらしい。姫路城にもお菊の井戸が存在する。

どちらもお皿を割ったお菊さんが井戸から夜な夜な現れるお話しである。

しかし・・・

昨日のお芝居を拝見して、江戸バージョンはあり得ないなぁと思った。

確かにお菊は主人に殺害された。

しかし、恋仲で主人に心から愛されていたお菊。外から聞こえる雑音についつい疑念を抱いて主人の愛を疑ったお菊。

家宝の皿が大事か、自分が大事か試そうと大切な皿の一枚を割ってしまう。

青山氏は皿を割った事に対してはちっとも怒っていなかった。でも、それが自分のお菊に対する愛を試すために故意に行われた事に非常に怒り狂った。

お菊に、割らなかったお皿をすべて箱から出させて、バリバリに全て自ら割ってしまう。よほどの怒りである。

もともと、喧嘩早い気性の荒い青山君。カーッとなってしまう。アドレナリン分泌急上昇。

 

お菊の気持ちは女性としてとってもよく分かる。特に身分違いの恋愛ですもの。

でも、彼氏の性格くらい分かるでしょ。地雷をすみすみ踏んでしまったお菊。気づくのが遅すぎです。

結局、青山氏の下男が止めるのも聞かず、お菊は成敗されるけれど、

お菊は手を合わせて覚悟を決めていた。

無念といえば自分に対する無念が残っているだろうけれど、

青山氏を呪うなら、それはお門違いの気がするし・・・、現代に至るまで夜な夜な「一枚・・・二枚・・・」なんてないだろうと思われてる。

姫路の方。お菊は謀反に巻き込まれてという感じ。話の筋から言うと出ても仕方がないかなと思いますがね。

 

あの辺りは、徳川家康の孫娘である千姫の屋敷があったらしい。

愛する豊臣秀頼と無理無理に引き裂かれ、本田忠刻に嫁がされた千姫。本田忠刻は姫路の大名・・・フムフム。それ系か。

けっこう速めに本田氏とも死に別れ。女ざかり30歳という年頃で後家となり、吉田御殿付近を歩くイケメンを屋敷に引き入れては欲求を満たし、男はその後口止めに殺してしまう。そんな非道な人生を送ったとか。

その吉田御殿も、この麹町界隈にあったとか。

なるなる曰くつきの地域。どちらかと言うと、この千姫の犠牲者の方が化けて出そうですがね。

ということで、あの界隈が心霊スポットであるのは変わりない気がします。