歌舞伎座昼の部を鑑賞してきました。楽しみの歌舞伎だというのに、あいにくの天気。がっくり・・・(涙)
家から歌舞伎座までは一時間くらい掛かります。お弁当を買ったり、木挽町広場を散策する事を考えると10時には歌舞伎座に到着していたい。
朝のラッシュアワーに揉まれながら。けっこう大変だ。普通に仕事に行く感じ。
ばっちりお着物姿の方がいらっしゃいますが、あの混み混みの電車で大変だったでしょうねと思っちゃいます。
が、母曰く、
「ああいう方は電車なんかで来ないから」だそうです。そうか、とか色々な手段がありますよね。
混んでいる電車。超非常識女に遭遇。満員電車に犬用バギーで乗り込んできた。通勤時間。ベビーを保育園に連れて行くママ達にたまに遭遇。仕方がないけれど、けっこう迷惑。自宅から保育園は自転車でお願いしたいものだけれど、、、。近場の保育園に外れたママだと思うと「邪魔!」と思いつつ、仕方がないと思う。しかし、犬用のバギー!この時間に電車に乗る緊急性ある理由もない感じ。本当にお犬様状態。人間たちは押し競まんじゅう状態なのに。かさばるバギーじゃなくて、バック型のとか色々あるじゃない。それこそタクシーで異動をお願いしたいものです。
殺気だった人々に押されたバギー。ブレーキが掛かっていないから、ツルツルと座っている私の方に向かってきて前輪で足を引かれた。なのに「ごめんなさい」ものない。本当に朝から非常識女に出会って、これから歌舞伎鑑賞ウキウキ気分が一瞬半減してしまった。
さて、気を取り直して歌舞伎座到着。母と二人で「ハイ♪チーズ」。
本日は『金閣寺』・『紅葉狩』・『河内山』の三本のお芝居だった。
『金閣寺』と『河内山』は初体験。食わず嫌いではないけれど、私としては「観たい♪」という気分を最大限にしてくれるお題ではなかった。が・・・。脳溢血で長らく療養目的生活をしていた中村福助丈の復帰という事で「観たい♪」の気分ポイントを最大限までアップさせた。
三姫の一人、雪姫。ピンクのお着物でとっても清楚な感じですが、何か地味だ・・・。本朝二十四孝の八重垣姫みたいに好きな彼氏の為に狐の霊力で諏訪湖を渡って行ってしまうバイタリティーのある姫が好きだ。
『金閣寺』
雪姫は中村児太郎丈が演じていた。あっという間に時代が過ぎていく感じだ。ついこの間まで、彼のお父様である福助丈が演じていたお役なのに・・・。そうそう、福助丈の襲名公演でこの雪姫を演じていたな。六代目の歌右衛門丈も七代目の芝翫丈もこの雪姫を美しく演じていた。
父から子に子から~そんな伝承というものを感じる。
『紅葉狩り』
同じ演目でも演出が色々。今回は松羽目もの感の強い感じで新鮮だった。
この演目は何度か観ている気がする。先代の芝翫丈の更科姫・・・。調べたけれど何の公演だったかな?!矢車会だったかな?!あれは良かったな。それから、何処で観たか覚えていないが亡くなった中村勘三郎丈の山の神は迫力があって良かった。そうそう、故富十郎丈の山の神も迫力があった。どれも国立劇場で拝見したのは間違いなし。が、国立劇場主催の歌舞伎公演ではないみたいなので、何だかの個人の勉強会とかリサイタルの出し物だったように思う。
故団十郎丈のパリ公演もこの演目を出していた。私の知っている演出はこのタイプのものである。
大きな違いは背景と、義太夫・常磐津・長唄の掛け合いであったのが、今回は義太夫・常磐津・大薩摩の掛け合いだった。
『河内山』
吉右衛門丈の滑舌のよさに感心。
最近、日本の映画を観ていてげんなりするのはセリフが聴き取りにくいからである。
音声を最大限に上げても、役者が何を言っているのか聴き取れない事がある。日本映画なのに、時々字幕スーパーを出すようにしている。とにかく台詞が聴き取れない。
リアルを目指しているのは分かるが、演じているのだから、技術を持ってナチュラルに台詞を言えば良いのだが、、、。要するに技術を持っていない役者が知った風に「リアルに台詞を言っている」から何を言っているか聞こえないのである。論より証拠。新劇出身でしっかり基礎を訓練している役者の台詞は小声でも普通の音の大きさ設定で何を言っているか分かる。滑舌だな・・・。滑舌と発声法が悪すぎる。
歌舞伎も同じ印象を持つことがある。
歌舞伎を観ていて若い人に感ずることは滑舌である。たまに何を言っているか聞こえないことがある。
が、昔の役者さんって・・・そう思わせる人が一人もいないですね。なんでだろうな?!と思う。
本日は京樽にしてみました。ほどほどの量で美味しかったです。