本日、ずいぶん長く入院した方が旅立って行った。
本当に、ずっと何もない方で、影薄くあの場所に随分長い間入院していらした。
最近、貧血が進んでちょっと心配ではあったけれど、
顔色が悪い程度で何一つ変わらない方であった。
昨日の夜勤者が何気に呼吸の変化に気が付いて、あれあれ血圧も測れないでバタバタしたそうな。
私は、この方が入院して以来、ご家族を見たことがない。ある情報では、毎月入院費を払う際に顔だけちらっと見る程度で帰っていくご家族を見ている人もいる。ふーん・・・そうなんだ。と話を聞いて思った。ずっとずっと独りぼっちと思ったから安心した。
が。。。
まあ、一人娘が嫁に行くとそうなるんだろうな。
結局は娘の旦那にとっては他人なわけである。元気な頃の娘夫婦の関わり方なのかも知れない。
他家に嫁いだ娘はなかなか率先して介護ができないのは現実である。
嫁ぎ先が優先。
一人娘だったりすると辛いものがありますね。
危篤となって、午前中に娘夫婦登場。医師の説明を聞いてさっぱりしたものである。まあ、超高齢者。望むのも酷であるが。
臨終時に、あまり早く行けないかもという事で色々と医師に説明を受けていた。
しかし、この段階で「お寺さん」という言葉を聞いたのはお初である。それくらいさっぱり。
東京には在住ですが、東京も広い。連絡を受けてもすぐには行けない・・・。
こちらで確認をして退の準備可という話を耳にして、色々事情はあるけれど寂しさを感じた。
医師から説明を受けて、すぐに帰宅してしまったご家族。が、すぐに状態急下降で旅立った患者さん。
行ったり来たり・・・なかなか決着つかずより、本当にご家族思い。
それも、呼び戻して臨終に間に合った。超凄い。
死後の処置後、娘の夫は死後のご遺体を見ようとしなかった。勢いに押されて娘さんの奥様も「いいです」と。
霊安室に運んで、綺麗にしたのでお顔を見ませんかともう一度促したら、娘さんは初めて感情をあらわにそうです。
すべてがスムーズ。
一旦岐路に付いたご夫婦をすぐに呼び止める事ができて、、、
本当にご家族思いです。
ついでに、あっさりと・・・。嫁の立場の娘にとって本当に好都合です。
何気に人は、看取る人の事情を考えて出発している気がします。
地味な患者さんてしたが、本当に教科書的なよい臨終だったように思います。