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杜子春 (角川文庫)
648円
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この数年、CS放送やBS放送で韓流や華流の時代劇を良く観ている。
中国や朝鮮半島の人たちの苗字は大概一文字だなぁ。なんて最近気が付いた私である。
若気の至りで演劇をやっていたころ、学校巡回の仕事をしていた頃があった。芥川龍之介の『杜子春』の杜子春を随分長い間演じていた。仙人の鉄冠子のお爺さんもお母さんも杜子春の事を「とししゅん」と呼んでいたなぁ。私はこの主人公の名前が「とししゅん」だとずっと思い込んでいた。しかし、最近になって気が付いたのだ。彼の名前は子春(ししゅん)である事を。杜は苗字だ(驚)
普段の生活で、その間柄や立場とか場所とかで呼び方は違うと思うけれど、
「○○さん」と苗字を呼んだり、「〇子さん」と名前で呼んだり・・・どちらかだなぁ。なかなか「○○ 〇子さん」と氏名で呼ぶ事は少ないように思う。
中国だと「王さん」・「李さん」・「張さん」、韓国だと「金さん」・「李さん」・「朴さん」とよく目にする苗字がある。調べたところ、韓国の苗字の種類は約260種類なんですって。中国は実は一字だけの苗字だけでなく、二文字や三文字の姓もあるらしいけれど1万2000種類ほどしかないそうだ。二文字の姓は100種類程度。三文字の姓は稀。すなわち、ほとんどが一文字の姓であるといってもいい感じですね。ちなみに日本は29万1129種類もあるそうだ。
日本では集団に石を投げれば「佐藤さん」や「鈴木さん」に当たると言われるけれど、中国では「王さん」に当たるだろうし、韓国では「金さん」に当たるんでしょうね。
しかし、
今になって、あの芝居の台本に疑問あり。仙人の鉄冠子が「杜子春」と彼を氏名で呼ぶのは間違えではないと思う。
が、親しい周りの人が日常会話で「杜子春」と氏名で呼ぶだろうかという事である。「杜さん」か「子春さん」だろうな普通。特に母親は絶対に「子春」と呼ぶに違いない。
あの頃は主人公が「杜子春」という名の少年と信じて演じていたので何も疑問を感じなかったけれど、
今更に気が付いて大笑いである。
そうそう、私は『三国志』の曹操も個を示す名前と思い込んでいた。そして、本当は曹が氏で操が名前である事を最近になって気が付いた。
なんとも間抜けである。