戦神 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

先月下旬から、すっかり風邪をこじらせてしまって・・・。止まらない咳にすっかり寝不足の今日この頃です。

 

さて、

最近、鑑賞して面白かった映画を記録しておこう。

中国・香港合作映画。

倭寇と明軍との戦いの話である。

懐かしい。Gメン'75の倉田保昭氏。今もなおアクション俳優としてご活躍なのですね。

日本のアクション俳優というと、千葉真一に並んでこの人の顔が浮かぶ。

倭寇。なんか日本の海賊というイメージがあるが、実は日本人と高麗人で作られた海賊。これは前期倭寇。たぶん、この映画の倭寇は、明の海禁政策による懲罰を恐れた浙江省や福建省の中国人が中心で日本人・ポルトガル人など色々な民族で構成された海賊で後期倭寇と呼ばれた人たちだろう。

 

倭寇VS明軍のお話し。倭寇のリーダーは実は松浦藩の武士で明の財を奪って武器調達を目的とした人。つまり、倭寇という海賊を装って藩の密命を背負っている人が一部混じって構成された海賊たち。

ちなみに松浦藩というのはない。後期倭寇の日本対策は秀吉が出した海賊禁止令だそうだから・・・。まだ「藩」というものは存在しない時代である。

海賊として有名なのは松浦党。長崎平戸あたりの豪族。

嵯峨源氏の流れをくむ松浦氏。渡辺綱がーに始まる渡辺氏を棟梁とする摂津の滝口武者の一族。水軍として瀬戸内あたりを統括した渡辺党の分派だそうで・・・。始祖である松浦久は渡辺綱の子である奈古屋授の孫なのだそうだ。

鬼退治・土蜘蛛退治に出てくる渡辺綱と海賊。意外な接点に吃驚である。

天下分け目の関ヶ原で徳川軍に付いたんでしょうね。江戸時代にはいっ6万3千石の平戸藩の外様大名になる。

 

松浦藩の密命軍団の中に「若」と呼ばれている人がいた。もしかしたら、松浦のお坊ちゃん?!この若役を演じているのは、淫行騒ぎで活動自粛している小出恵介氏。たぶんギリギリ騒ぎの前に封が切られたんでしょうね。たぶん、あの時代売れていた彼は倉田氏以上の日本人向けの看板となる出演者だったんだと思うのですが、騒ぎの影響で小出君が出演していますという事が伏せられているような扱いだ。

さて、主人公である戚継光は本当に倭寇退治に活躍した人物らしい。彼の上司である胡宗憲も実在の人。この人の末裔が中華人民共和国第六代国家主席だった胡錦濤なのだそうで・・・これも吃驚。

 

明の軍隊はぜんぜん弱くて倭寇に全く歯がたたない。若き将軍の戚継光は自分の土地・財・家族を全力で守ろうとする庶民の力に注目。一般人を取り込んで倭寇に立ち向かう。その作戦がバッチリヒット。倭寇退治ができた。

自分たちの家族、土地を守る力は国土を守る力となる。民の力は偉大なり。ザ・中国という感じがした。

 

なかなか見ごたえのある映画でした。