「この日を目指して頑張ろう♪」と、母がこの日を目標に一日も早く怪我を治そうと思ってくれるように用意したチケット。
怪我の治癒段階では、銀座までの往復が困難かなとか、椅子に座るのが困難かなと色々と当初は心配したけれど、そんなのは取り越し苦労でした。
十二月大歌舞伎の第三部に行きました。
『瞼の母』と舞踊『楊貴妃』。
『瞼の母』の中車丈の芝居に涙した。
幼い頃に行き別れた母親を探す主人公。やっと巡り合えるのだが母親である女性に親子である事を拒絶された。
何か、彼の実生活に同じような出来事があったなぁ。どんな気持ちで演じているんだろうと思った。
去ってしまった息子。拒絶した事を後悔した母親は息子を追いかけていくのだが・・・。物語では自分を拒絶した母を許さず去っていく。
しかし、演じている方は父に対する思いが天に届いて、父の歩んだ道を遅れながらも歩き始めている。
『楊貴妃』は玉三郎丈の美しさにうっとりとした。
そういえば、過去にこの『楊貴妃』を演ずるにあたって、玉三郎丈は中国に行って京劇を学びに行った事を思い出した。
京劇の動きがところどころに感じた。やはりあの扮装にはあの動きが似合っている。
ただ、筝曲・胡弓・尺八・長唄連中の唄というのが、扮装や舞に対してインパクトが薄い感じがした。
でも、大満足。今年は例年以上に歌舞伎に行くことができて良かったです。
来年も良いお芝居に出会いたいなぁ。
そして、母が元気なうちにもっともっと母の好きな歌舞伎を見せてあげたいな。