七月大歌舞伎 昼の部 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

母を連れて歌舞伎座に行ってきました。

『矢の根』と『加賀鳶』と『連獅子』という演目。
先日、ご婦人を亡くされた海老蔵丈。そして中車丈、巳之助丈などなどご出演の華やかな舞台です。

夜の部は海老蔵丈のご子息。宙乗り最年少という事で大人気。

昼と夜・・・すごっく悩みました。が、芝居オンリーより、色々あった方が楽しいと思い昼の部に行くことに決定しました。

開演は午前十一時。地下の木挽町広場も楽しみたいので、何かちょいと遅い出勤という感じで家を出た。電車・・・混んでいる。こういうラッシュに出会うと、本当に都心が職場じゃなくてよかったと思う。

家と会社の往復だけで疲れちゃう。

木挽町広場でお弁当を買って、いざ歌舞伎座に。

今日も当りの座席でした。いつもこの席で観劇したい。

しかし、今日の後ろの御婦人お二人はおしゃべりがうるさくてストレスだったな。

会場が薄暗くなってもベラベラ。

幕間になると、またまたベラベラ。誰かが「うるさい」と彼女らを見たらしい。そしたら「今はお芝居をしていないから大丈夫よ」だって。周りの誰もしゃべっていないでしょ!

どうも、お互い地方から出てきて、今日初めて出会ったらしい。

たまたまお隣同士になって話が弾んだらしい。

まあ、とにかく見栄っ張りのお話しばかりで聞いているだけで気分が悪い。

お弁当を食べながら、

「今日はいつも予約するお弁当が売り切れになってしまって、本当はこんなもの食べた事がないのですよ」と

どうも、話の展開から“天むす”のお弁当を食べているらしい。

・・・私も天むすのお弁当をその時食べていました。(私は天むす好き)・・・

「エビを揚げたものが嫌いなの」と

天むすが「名古屋の名物」と知ると、「えーっ!そうなんですか」と嫌悪の声。

好き嫌いはその人の好みなので何とも言えないけれど、嫌いなら黙って食べなければいい。

「嫌い嫌い」と言いつつ食べているじゃない。それに、天むすのお弁当じゃなくても他にあったと思うけれど。。。

うるさいだけじゃなく、気分の悪い会話で最悪だった。

 

『矢の根』を観たのは二回目。

前回は男女蔵丈の五郎で、国立の学生のための歌舞伎教室の演目として拝見。今回は「ウコンの力」・・・いえいえ、右団次丈の五郎。

最後の大根を鞭のかわりに馬に乗って去っていく場面が大好きだ。

『加賀鳶』海老蔵丈の悪役は魅力的である。最後の赤門前のだんまりが楽しかった。暗闇でもなんとなく相手を識別できると思うのですが、大昔は識別も困難なほどに暗かったんですね。

『連獅子』。けっこう何度も拝見する舞踊であるが、歌舞伎座で歌舞伎役者が踊る『連獅子』は初体験である。

海老蔵丈の親獅子は踊りがダイナミックであり、またまた歌舞伎座の一等のお客様から幕見のお客様、すべてを引き付けるようなオーラを感じた。子獅子の巳之助丈。さすがに名人のご子息だけあって踊りが若いのに「うまい!」。

さて、長唄連中。大好きな小間蔵氏の甘い美声に魅了された。

田中流のお囃子は、望月系のお囃子の手組とはぜんぜん違う。

乱序も吃驚するほど手が違う。

田中流のお囃子はお能に近いと言われているけれど、それにしても・・・あの太鼓はうるさすぎだと私は思う。

八挺八枚の長唄連中。その三味線の音をかき消す。小鼓の音も聞こえなく、なんと大皮の音もかき消されている。聞こえるのは笛と太鼓・・・。

そういうものなのかしら?たまに演奏会で聴いていても思う。でも、そういうものなら・・・三味線なんていらないじゃん。お囃子だけで狂い五段をやればいいじゃん。

太鼓がうるさすぎで、役者さんお二人の踊りに集中できなかった部分がある。「ああ、太鼓うるさい」と思いつつも気を取り直して髪洗いの迫力にパチパチ。

緞帳のファッションショー。私のお気に入りです。

「春秋」・・・・

そういえば、新羅から朝鮮半島を統一した王様が春秋といった気がする。「チュンチュン」と読むらしい。かわいいなぁで印象深い。

 

さあ、次回はいつ行けるかしら。