思い出の監督 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

 
懐かしい映画です。いわゆるタイムスリップもので自衛隊が戦国時代にタイムスリップしてしまうお話し。
ところでこの映画の監督さん。とっても思い出深い監督さんです。
この方は今村昌平氏のもとで学ばれた監督さん。
この方の光の使い方がとても好きで、その光をうまく使うために独特なアングルを使う事があって、その画像が大好きな方でした。
 
演劇学校時代に何度かこの方の監督される番組で仕事をさせていただきました。
朝からワンカップを片手にご機嫌というイメージ。
しかし、とってもこだわりが強く、ワンシーンに命がけというような仕事をされていました。
という事で、ワンシーンを撮るのにとても時間が掛かって、順調に撮影が進んだことがない。つまり、自分の出番がなかなか来なくて待ちぼうけ・・・。
朝一番に入って夜中まで待ってやっとの出番。そして早朝に帰宅してトンボ帰りに次の現場にに言った思い出があります。・・・懐かしいな。本当にあの頃は若かったなぁ。
 
ある有名な俳優さんのお嬢さんが不良化して家庭崩壊してしまうというノンフィクションのドラマが当時流行して、そのドラマが映画化。その監督さんもこの方だった。
学校から大勢がエキストラで動員された事があった。晴海埠頭あたりでの撮影だった。
仲良しの先輩と一緒だった。当時、二人ともタバコをたしなんでいた。相変わらずの待ち時間長しという感じ。暇つぶしにタバコをバカバカと。気が付けば二人とも暇つぶしのタバコが一本もなくなってしまった。が、近くにタバコ屋どころか自販機もない感じ。。。二人で「どうする?!」という感じでした。なかなか出番になりそうもないし。
撮影が一段落して休憩時間。なぜか監督が先輩と私のそばにやってきた。たぶん、監督がやってくるような場所に私たちがいたのだと思います。なんでだったかな???
「待たせて悪いな」というお言葉。「いえいえ(^^♪」・・・。そしたら先輩が監督に「タバコが無くなっちゃって」と愚痴をこぼした。そしたら「これで良かったら吸いなさい」と監督の御愛用の缶ピースを差し出された。ゲッ!ピース。。。フィルターがない!と二人で戸惑っていたら、「遠慮しなくていいから吸いなさい」と(笑)が
私たちうら若き女性がたしなむタバコとは比較にならない「ザ・タバコ」といえる知れもの。
クラクラ来て倒れちゃうかもと思いつつ、監督のご厚意を無下にしちゃいけないと一本頂戴した。それも恐れ多くも監督から火を頂戴した。超緊張。クラクラは来ませんでしたが「これぞ本当のタバコ」という味わいだったのを覚えています。
この監督の名前を見ると、寒かった事とピースの味わいが今も蘇ります。(ちなみに今はタバコ吸っていません)
 
この監督は五年前に亡くなったそうです。それも私の誕生日に・・・。
たまたま、この監督が撮影されたドラマの主題歌の部分を「懐かしい」という事でSNSにアップされていて、おお、懐かしいと検索したら五年前の訃報を知りました。
先日は「お兄ちゃん」こと松方弘樹氏もお亡くなりになりました。本当にスター中のスターの方で現場の下々の人たちに心配りがきちっとされている方でした。学生の時は仕事でご縁があってかわいがっていただきました。そして、撮影所と学校が隣り合わせていたので、仕事以外でも食堂などでお目に掛かる事がありました。お目に掛かるたびに「頑張りなさい」と暖かく声を掛けて下さって、本当に励みになりました。
あの頃の思い出の方々がどんどんよその世界に旅立たれてしまい、本当に悲しくて悲しくて仕方がありません。