超久しぶりに『藤船頌』を練習してみる。
曲すら、
「ああ、こんな曲だっけ?!」と思う。
かなりやばい。ずいぶんヤバい!
けっこう素敵な曲♪
名披露目なんていう機会があったら、絶対にこの曲♪
なんてずっと思っていましたが、
いやいや、記憶をずっと放置しておくと、こんなものですね。
この曲は藤舎流にとっては、とても大切な曲。
私が師匠からコピーさせていただいた附けには「四世藤舎呂船襲名の会」とか書いてあった。
今の藤舎流はこの方が、お囃子方として復活させたのよね。
もともと、七世望月太左衛門(後の三世望月朴清)のもとで修行され、七世のお嬢様のご主人となり、そして、囃子方としての藤舎流を復活させた方である。
藤舎流。
初代藤舎芦船(・・・呂船ではなかったのですね)は、五世望月太左衛門の弟子で、後々吾妻能狂言で活躍された方です。
何故か、東流二弦琴を起こして家元となった。
そして、以来「藤舎流」って、二弦琴の流派だったんですよね。
ところが、四世が囃子方としての藤舎流を再興。たぶん、ここで「芦」を「呂」にしたんだと思う。
今も二弦琴の藤舎流ってあって、
我が師匠と同じ読みの「芦雪」を名乗っている方もいらっしゃって吃驚の経験をした事があります。
藤舎流は昭和に入ってからの新しい流派です。
しかし、小鼓の名手だった四世。
新派とは思えない数々のものを残して下さっています。
私は小鼓が大好きなので、
「指が引きつりそうな」我が流派の越後獅子とか大好きです。
基本、「チ、タ、ポ、プ、ペ」の音しかない筈の小鼓なんですが、本当に調べの握り具合で色々な音色を出してくれて、世界をより広くしてくれる打楽器です。
小鼓の一調の曲というのは、そういう楽器の特性を生かしたものですよね。
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小鼓って、音を出す事時点難しい。けれど、一つハードルを越えると本当に一気に世界が広がって、
努力すれば、白黒の長唄の世界を総天然色のすごい世界を表現できる。再興レベルに達したらきっ3Dの世界を表現できると思います。
そんな楽器に魅せられて今日がある。
そして、一つの節目で表現したい曲としてこの曲を選んだのですが。。。
すっかり風化してしまって・・・。
反省、反省です。