第256回東音会 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

雨じゃなくても、この時期は本当にムシムシして不快です。

小鼓君にとって快適な季節でも、私はこのドヨ~ンとした季節は嫌いです。


さて、久々の東音会です。

『神田祭』

『猿舞』

『雪の庭』

『晒女』

『風流船揃』

『座頭』

『靱猿』

の七曲。


神田祭終演後、体調悪くなり、我慢して『猿舞』は拝聴したのですが、楽しみの『雪の庭』はロビーにて拝聴しました。あとは、全部堪能。やっぱり、東音会はすべてのプログラムが安定していると思う。

『猿舞』・・・。この“猿”は秀吉の事なんですね。解説を聞いて一つお利口になりました。

そうそう、この『猿舞』も『晒女』もお囃子が入った方がぜんぜん素敵だと思うのですが、何故か本日は地味にまとめられましたね。

師匠ご出演の『神田祭』、『風流船揃』、『靱猿』。前々からとっても楽しみでした。特に師匠の『靱猿』は好きなので♪♪♪
今日もとても勉強になりました。強弱の使い方とか・・・。筆記用具持参でメモしながら鑑賞したかった。

演奏会は純粋に演奏を楽しみたいから、筆記用具持参なんて野暮な事はしませんが。

本当に、ライブの師匠の演奏は勉強になります。

なかなか・・・師匠のようにはできないのですよね。本当に頑張らねば。


『座頭』が一番良かった。人間国宝の宮田氏の独吟。彼は八十を過ぎて脱皮した感じ。素晴らしい。美しい声に感動。三味線のダブルYUTAKAちゃん。タテ三味線は我が元師匠。演奏会前より色々夢想をしてワクワクしていましたが、本当に素敵でした。本当に繊細で素敵な音締です。


真後ろの女性陣。どなたかのお弟子さんかしら。

私前後の女性と、私の母前後の女性との会話。

若 「長唄の美学という全集は長唄が全部入っている」

いやいや、全部じゃないけれど。。。代表作がだいたい網羅されていますよね。

老 「何それ。そういうのがあるの」

美学が発売されて何十年も経ちます。・・・今さら・・・

若 「そうそう、今日のこれもあれも入ってますよ」

老 「へえ。そうなの」


老 「昔は芳村伊十郎という人の全集があって、あれも色々な長唄が収録されていたわ」

若 「・・・・」

老 「芳村伊十郎・・・知らない?!」

若 「知りません(誰?!そんなの知らないわよ!)」


その会話を聞いてガックリ来た。先代の芳村伊十郎を知らない人がいるんだ。。。

松永和風→芳村伊十郎→芳村五郎治→宮田哲男

流れはこんな感じかしら。

五郎治さんと、宮田氏の間には今藤長之という一世風靡した美声の唄い手さんもいらっしゃいましたが、全集を作る前に早世されましたしね。


何か、いきなり年寄りになった気分です。たぶん、彼女は五郎治さんも知らないわよね。



長唄の美学。

聞いていて、途中でお囃子さんバトンタッチが本当に多すぎ。

流派も違いますが、個々に芸風も違いますし、非常に違和感を感じます。

非常に高価な全集なんですが・・・

本当に、こういうのやめて欲しい。


録りなおすなら、そのメンバーを揃えてやってほしい。

頭がガチャガチャになるよ!



久々の演奏会。楽しかったです。