本日は日本橋公会堂(日本橋劇場)に、藤舎流の御家元主催の演奏会に行って来ました。
毎年、毎年、素晴らしい演奏を拝聴できて、ルンルン気分になれる演奏会。
今年は六曲の素晴らしい演奏を聴いて来ました。
『風流船揃』
唄 杵屋利光・杵屋巳之助・杵屋利次郎
三味線 杵屋五三助・松永忠一郎・稀音家一郎
笛 藤舎貴生
小鼓 藤舎清成・藤舎千穂
大皮 藤舎清鷹
太鼓 藤舎円秀
この曲は粋で且つ美しい曲です。もと師匠である五三助氏が演奏されるという事でとっても楽しみにしていました。それも唄が利光氏ですからなおいっそうの期待♪
そして、期待通りの演奏に満足♪満足♪
舞台上の乾燥がとても厳しかったようだ。タテ小鼓の方の音が抜けていない・・・。
ちょっと気の毒。
太鼓はとっても丁寧に演奏されていて、とっても勉強になりました。
そうそう、藤舎流の場合・・・アンバを打たない事ありと聞いた事があるのですが、
今日はアンバありでした。
しまった!翔りの出発部分を注意して聴くのを忘れてしまいました。
『田舎巫女』
唄 松永忠次郎・今藤政之介・今藤龍之右
三味線 今藤長龍郎・今藤龍市郎・柏要一郎
笛 藤舎伝生
小鼓 藤舎華鳳・藤舎朱音
大皮 藤舎呂秀
太鼓 藤舎呂雪
師匠がご出演の曲。
この曲を演奏曲として聴くことって少ない。どちらかというと舞踊の曲ですね。ですから、お囃子は蔭も入るので非常に明るく賑やか。
蔭がないと、何気に寂しい感じがする。
でも、また違った趣で落ち着いた『田舎巫女』という曲を楽しめた気がします。
この曲、小鼓も楽しそう。ちょっと勉強したいと思った。
『大原女』
唄 杵屋勝四郎・杵屋巳之助・杵屋勝四寿
三味線 今藤美治郎・今藤政十郎・稀音家一郎
笛 藤舎推峰
小鼓 藤舎清之・藤舎清鷹
大皮 藤舎成光
太鼓 藤舎呂英
美治郎氏は、いっけん目立たない感じの方ですが、非常に三味線の腕前が素晴らしい方です。
本日もきっちりと決めていらっしゃいました。
全体的にまとまった演奏だったように思います。
小鼓のお二人は、乾燥にもめげずに柔らかな小鼓らしい音を表現されていました。
『安宅の松』
唄 貴音三郎助・貴音直明・杵屋利光・今藤政貴
三味線 今藤政太郎・今藤美治郎・今藤長龍郎・(上)杵屋彌四郎
笛 藤舎名生
小鼓 藤舎呂船・藤舎呂英・藤舎呂裕
大皮 中村寿慶
人間国宝お二人の演奏。そしてお家元の演奏だ。
小鼓という楽器。なんでも「ポンポン」いってりゃあいいというものではないのですね。
お家元の芸術的な一調に感動です。
お家元の小鼓は本当に表現力が豊かで、私も真似っことおもっていても・・・
未熟な私には微塵にも真似ができない。
お家元の演奏を拝聴すると、自分何て、地の底を這いずっているような小鼓を打っているなぁと思う。
この曲。一調のあとの竹笛がとても素敵なんですよね。
名生氏の味わい深い演奏にうっとり。
『おかる』
唄 杵屋直吉・松永忠次郎
三味線 稀音家祐介・松永忠一郎
笛 中川義男
最初の出だしが『二つ巴』と一緒?!
とても華やかな曲。
直吉氏の唄は本当に色気を感じる。そこそこ美声の方の多い本日の演奏。
中川氏の笛は「乙女心にグッサリ熱い熱い熱した鉄の矢じりを放つ」そんなイメージ。
本日もすっかりメロメロです。
『鏡獅子』
唄 今藤政貴・今藤政之祐・今藤龍之右・杵屋利次郎
三味線 杵屋栄八郎・今藤政十郎・今藤龍市郎・柏要次郎
<上の巻>
笛 藤舎理生
小鼓 藤舎花帆・藤舎清穂
大皮 藤舎朱音
太鼓 藤舎千穂
<下の巻>
笛 藤舎推峰
小鼓 藤舎悦芳・藤舎成光
大皮 藤舎呂裕
太鼓 藤舎呂凰
女流の先生方はしっとりと上品に演奏をまとめて下さった。
打ち合わせの部分。そう解釈するのかと勉強になった。清穂氏は昨年の紀尾井ホールでお世話になった。昨年まで芸大生。今年が真しほ会デビュー。心底応援してしまいました。
デビュー戦。緊張されているという感じでした。これからもずっと応援しています。頑張って♪
このメンバーで最後まで拝聴したかったのに・・・
下の巻からメンバーチェンジでした。
若手の力闘でしたね。頑張りすぎると、狂い以降から三味線伴奏をかき消してしまう・・・いただけない現象が起こるのですが、今回は大丈夫でした。
いつもこうであって欲しい。
きっとたぶん・想像ですが、
呂凰氏は堅田喜三久氏に憧れ、あの方のよう表現を目指されているように思います。
でもなぁ・・・。
これからが楽しみの面々の演奏でした。