今年は夜勤から勤務はスタートしました。その後二連休で、今日は初日勤でした。
年末大晦日から休日体制の我が病棟。本日が最終日です。
何せ休日体制なので、患者さんの清潔ケアはスキップ。とにかく「安全第一」が最大目標なので清潔ケアなんてやっている余裕がないのです。
歩行困難の患者さんが何故か病室からちょっと離れたトイレに座っていたとか、デイルームにいたとか。
スタッフが少ないという事はそれだけ目が少なくなるので、本当にヒヤリハットな事ばかりが起きます。
「私は大丈夫」
患者さんはみんなそう思っています。いやいや、危ない人ほどそう思っています。
危険に対する認知ができないのですよね。それが病気です。
うちは病院なので、
「転倒・転落」という事故は絶対に起こしたくないのですね。
「お年寄りは転ぶものだ」なのですね。ですから、申し訳ないですが、スタスタあるける方でも、自分勝手に歩いちゃダメとお願いするんですね。
皆様「なんで?」と思っているんですね。その都度、「お年寄りは転ぶものだ」という事を遠回しに説明。大きな事後を起こされると困るんですという事を柔らかく説明。が・・・人によっては怒り出す。拗ねてしまう。本当にやっかいな人たちです。
ダメと言っても、多少歩ける人は歩いてしまいますね。
色々、そのための対策もしていますが・・・。はっきり言って手に負えません。
ちょっと前に、転倒して頭部を強打。脳内出血を起こしてしまい重症に。ご家族は積極的治療を望まなかった為に死亡されたという事故がありました。
たまたまよいご家族だったので良かったですが、訴訟問題に発展する場合もあります。
「お宅のおばあちゃまが勝手に歩き出したのがいけない」とはならないのですね。
「お年寄りは転ぶものだ」を前提に、きちっと管理していなかったのですが?という事になるのですよ。
はっきり言って、監視カメラ管理とかしていない限り無理ですね。しかし、人権問題に関わってしまうので無理です。
現在、認知症の患者を抑制してはいけないという風潮となっています。ただ、一般病院は治療上の理由でと言う事で、ご家族の同意のもと抑制を行っています。もし、その同意がない場合は治療続行が難しいという事で即刻退院を求められる事でしょう。
「うちは抑制ゼロです」と誇らしげに言っている病院がありますが、あれはそういう患者さんの入院受け入れを拒否しているからなせる業という事をきいたことがあります。
手足を縛る=抑制ではないのですよ。
その人がしたいと思える事を阻止するように対策する事が抑制なのです。
ベット柵も四点で囲ってしまうのは抑制となります。オムツを外しちゃうからとつなぎと呼ばれる寝間着を着せる事も抑制。階段を降りてしまうと危ないからとバリケードをはっても抑制です。
とある病院は患者さんが這いずっているそうです。そこの病院は抑制ゼロを謡っているのですが・・・。今度は患者さんの尊厳面でクレームが来ますよね。大切なご家族が廊下を這いずって放置されているなんて。真夜中、這いずりながら徘徊。それでも放置されている。それってどうなんですかね。
病院というところはとにかく訴訟になる事を恐れます。
ですから、一人で勝手に歩いても問題ない人でも、「お年寄りは転ぶものだ」を念頭に管理して行きます。
「おトイレに行くときはナースコールで看護師か介護士を呼んで下さい」
見守りなしでは絶対に歩いちゃダメと行動抑制するのです。
まあ、多少ADLがしっかりしている人は、それなりの施設を選択するのが一番だと思います。
「こんなところにいたら歩けなくなっちゃう」と仰った患者さんがおりましたが、本当にそうですよ。
ご自身に合った施設に行くべきです。・・・本当はね。
でも、病院も商売ですから、そう思っても積極的には言わないのです。・・・思うだけ。
ご家族・・・適材適所の施設を探すというのは大変な事です。とりあえず一生面倒をみてくれるところに入れたのだからここで落ち着きましょう。なんですよね。
なんかなぁ・・・なんですよね。
「歩いちゃダメ」「歩くときはスタッフを呼んで下さい」とお願いしているのが三人。
認知能力の問題で私たちの注意事項が届かずに、まあ思うままに危ない事をして下さる人たちが二人。
大きな事故につながらないといいですね。
お年寄りの転倒といえば大腿骨頚部骨折。これがきっかけで寝たきりになる方がほとんど。
そして、頭を打撲して・・・多いですね。最悪は死に至るのです。
事故を振り返って、どうすればよいかと考えると・・・
なかなか綺麗ごとでは、たぶんきっとまた同じ事故は置きますね。
監視カメラとか、、、やっぱり非人道的な事しかないと思うのだけれどなぁ。
さて、本日でお正月シフトも終わって、明日より通常業務。
明日も日勤です。今年も頑張ろう。