本日は夜から芸大の奏楽堂で行われた定期演奏会に行って来ました。
この会は、長唄だけでなく、雅楽から能、筝曲と色々楽しめる会なのですよね。
色々と楽しめて、とってもお得な会です。
何せ、出演者は芸大の生徒さんもご出演ですが、学生さんを指導していらっしゃる一流の演奏家の先生方がご出演。
その上、ありきたりの演奏でなく、色々と思考凝らした演出があって大変面白いです。
<1>山田流筝曲&日本舞踊
『千歳の松』
昨年の萩岡松韻氏のリサイタルにて、ご自身の芸道五十周年を記念として作られた曲だそうです。
おめでたい三番叟もの。
音楽も凛として優雅で美しい旋律でしたが、踊りも可憐でとってもピュアで素敵な舞でした。
そうそう、この奏楽堂で、幾度となく舞踊を拝見していますが、同じ方が踊っても国立劇場とかで拝見するよりも、とってもピュアで地の美しさがかもしだされるなぁというイメージがある。私は、この舞台で踊りを拝見するのが一番好きかも。本当に素敵♪
萩岡氏の唄声はいつ聞いても心打たれる澄んだ声だと思う。
<2>雅楽・管絃
『黄鐘調音鳥』(おうしきちょうねとり)・『越澱楽残楽三返』(えでんらくのこりがくさんべん)
いやいや、よい音色なのですが、どうしても聴いていると後半は睡魔に襲われてしまう雅楽です。
平安の時の流れそのものという感じがします。
そうそう、最近、韓流の時代劇にはまっているんですが、
権力者が音曲や舞を楽しむ場面で似たような旋律を耳にしました。
やっぱり、大陸から半島。そして日本に文化が流れているんだなぁと思いました。
邦楽は色々とお作法がうるさいですが、楽器セッティングから演奏、そしてお片付けの風景を拝見していて、一番お作法が厳しそうな気がしました。やっぱり宮廷のものだからなのでしょうね。
<3>能楽(観世流)
『賀茂』
下鴨神社の御祭神である別雷神を物語る御仕舞でした。
あっという間に終わってしまいましたが、とってもインパクトの強い舞でした。
能楽は武家のもの。潔さをとっても感じました。
本当に素晴らしい演目。よいものに出会いました。
<4>能楽(宝生流)
『松風』
お衣裳をつけていらっしゃいませんでしたが、まるでお衣裳をつけていらっしゃるように見えちゃうのが不思議です。
能楽のお囃子の掛け声というのは絞り出すような感じがします。
まあ、長唄であの掛け声をしたら・・・曲想を乱してしまいますね。
しかし、能楽のお囃子で長唄のような掛け声じゃ、まったくもってつまらないでしょうね。
〈5〉尺八(琴古流・都山流)
『失われた「時」』
邦楽というより、フルートとか洋楽の笛で演奏しているがごとき。
洋楽そのものでした。
お琴とか尺八とか、竹笛というのは、本当に洋楽っぽい。
しかし、日本の楽器を用いて洋楽のような旋律を演奏して、
いやいや、わざわざ日本の楽器を使う理由が分からない。別にフルートでもいいじゃんという気がするのは私だけですかね。
もうちょっと尺八らしい演奏を聴きたかったです。
<6>筝曲(生田流)
和製オーケストラのような演奏でした。フルートにシンバルと洋楽器も登場していました。
が。。。
この曲も旋律も、ほとんど態々和楽器を使用。唄声も美しく、素敵な演奏でしたが、
が・・・やっぱり長過ぎでした。
<6>長唄。常磐津・邦楽囃子
色々の曲のパロディーみたい。けっこう楽しめちゃいました。
確か数年前に舞踊協会の踊りの会で拝見した気がします。
・・・こんな曲だったかな?!
もうすぐクリスマスですよね。この奏楽堂前のイルミネーションは大好き。もうすぐ師走だなぁという気分になります。
今日は例年に比べて、ちょっとあったかだったきがします。
でも、帰りは寒かったなぁ。