先月だったか、スピルバーグの『帝国の太陽』をDVDで観て、そのあとに、こんな映画が間もなく封切られる事を知って、とても楽しみにしていました。
『帝国の太陽』で、特攻隊の少年を演じた片岡孝太郎丈。今回は昭和天皇を演じた。
片岡仁左衛門のご子息。土曜日の「ぶらり旅」の旅人なんてやっているけれど、実は国際派の役者さんだったのですね。
この映画のオファーを受けたものの、歌舞伎の舞台とダブルブッキング。非常に悩んだそうですが、故中村勘三郎丈が応援してくれたとか・・・。さすがです♪
さて、昭和の大戦。昭和天皇に戦争責任はあったのか、なかったのか。
それが主題の映画。
日本人でもよく分からない社会。すべてがグレーなのです。
黒と白とはっきりしたがる民族の方々には分からない民族性です。
が、
この映画を観て、
日本人は昭和の敗戦を機に日本人としての素晴らしい民族性を失ったと思いました。
「日本は信奉の精神に基づいている」という台詞があった。
あの時代はそうだった。
しかし、今は「信奉」なんていう言葉は死語に等しい。
誰が「天皇陛下万歳」と敵の大軍に飛び込むだろうか。
封建時代や軍国主義は大変生きにくい時代だったと思う。けっしてよい時代とは思わない。しかし、その伝統から育まれ守られた日本人の民族性はとても素晴らしいものだと思う。
たぶん、親日家という西洋人は、そういった民族性に魅力を感じ、憧れを抱くのだと思う。
戦争が終わって、日本国民は人権と平等、平和、富といった素晴らしいものを得てきた。しかし、それと引き換えに、大切にしなければならないものを失ってしまったように思える。
そんな事を気が付かせてくれる映画でした。