本日は藤舎流の御家元主催の演奏会が、日本橋劇場にてありました。
本日は、余裕を持って行動をしたかったので、勤務の希望を「早番」で申請した。
今回のシフトは、舞さて台があったりで「休み」希望をいっぱい出してしまったので、、、、
さすがに「休み」は入れにくかった。という事で、早起きが辛いですが、早番を希望しました。
朝四時半に起きて、六時に家を出て・・・。昨日、ちょっと早めに寝たけれど眠い!
さて演奏会♪
今年もとても充実していました。
『若菜摘』
<唄> 今藤政貴・今藤政之祐・杵屋利次郎
<三味線>杵屋栄八郎・松永忠一郎・柏要二郎
<囃子> (笛)藤舎推峰(小)藤舎清鷹・藤舎呂凰(大)藤舎呂裕(太)藤舎成光
本当に品があって良い曲ですね。
今でも、一月七日に七草粥を食べる風習があります。
万葉の時代から、お正月に七種類の若菜を摘み調理するという行事が宮中であったようです。
万葉集でも、この「若菜摘」を題材にした歌が幾つかあるようです。
また、枕草子の中にも「七日は 雪間の若菜 青やかに摘み出でつつ~」とある。
この曲は宮中の「若菜摘」の行事を唄ったもので、とても上品で美しい。
この曲をお囃子入りで生で聴くのは初体験でした。短いけれど、聴き応えがありました。
満足、満足^^
『元禄花見踊』
〈唄〉 松永忠次郎・杵屋巳之助・杵屋喜太郎
<三味線>今藤長龍郎・今藤政十郎・今藤龍市郎
<囃子> (笛)藤舎理生(小)藤舎呂英・藤舎花帆(大)藤舎呂凰(太)藤舎朱音
三味線がとても冴えていて、花見ワールドがとてもワイルドな感じ我がハートに届きました。
プロってすごいなぁと思うのは、様々な技法を駆使して、平板の世界を立体的にして、より説得力ある情景を観客に提供してくれることです。
とても華やかな桜満開のワクワクする世界を感じました。
今日も寒かったですが、桜満開の季節が本当に待ち遠しくなりました。
『五色の糸』
<唄> 貴音三郎助・杵屋利光・杵屋弥一郎
<三味線>杵屋勝国・今藤美治郎・今藤長龍郎
<囃子> (笛)中川義男(小)藤舎呂船・藤舎呂裕(大)藤舎呂英(太)藤舎呂雪
一般的に、演奏会で演奏される際は、お囃子が入らない事が多い。ですから、とても貴重体験です。
真しほ会は、毎回、必ずと言っていいほどこういった貴重体験ができるので嬉しいです。
さて、この曲は、七夕と娘の恋心が題材となっているこの曲。とても綺麗な旋律でクリアな曲。そこにどんなお囃子が入るのかワクワクしていました。
お家元の小鼓の音色は曲想をキャッチして素敵でした。控えめではあるのですが、それなのに説得力のある音色。すごいなぁ。
全体的にとてもバランスが取れた素敵な演奏でした。
『月の巻』
<唄> 杵屋直吉・今藤政貴・杵屋巳之助
<三味線>稀音家祐介・今藤政十郎・稀音家一郎
<囃子> (笛)藤舎貴生(小)藤舎華鳳・藤舎清成(大)藤舎悦芳(太)藤舎清之
登場人物が、御殿女中と仕丁という面白い組み合わせ。
曲のメリハリがはっきりしていて名曲ですよね。
直吉氏の声は本当にうっとりするほどに美しい。野路の玉川で美しい月を眺めている気になってしまいました。
しかし、この曲のお囃子は難しい。とても苦労した記憶が蘇りました。
そういえば、骨折して1か月くらい不便な生活をしていた頃があったが、この曲をお稽古していた頃だったなぁ・・・と。変な事を思い出してしまった。
『もみじ葉』
<唄> 杵屋勝四郎
<三味線>杵屋五三助・今藤龍市郎
<笛> 藤舎名生
五三助氏の三味線の音色は、本当に透明感があってガラス細工のように繊細で美しい。
感動の涙を誘うような演奏でした。
そんな美しい三味線の音色に流れる笛の音もしっとりと素晴らしかった。
日本人に生まれて良かった。
『英執着獅子』
<唄> 杵屋利光・松永忠次郎・今藤政之祐・杵屋利次郎
<三味線>今藤美治郎・松永忠一郎・柏要二郎・稀音家一郎
<囃子> (笛)藤舎正生(小)中井一夫・藤舎悦芳(大)中村寿慶(太)藤舎円秀
大皮の名奏者である中井氏なので、小鼓の位置にいらっしゃると何か不思議な感じがする。
獅子もの中で『相生獅子』『枕獅子』についで古い曲に位置づけられるこの曲。
旋律が古さを感じさせるが、この古さがたまらなく素敵である。
そうそう、久しぶりにこの曲の太鼓地を聴いたけれど、難しいですよね。何気に『娘道成寺』の“ただ頼め”の太鼓地に似ていて、頭が混乱状態に陥った事を思い出した。
・・・
四時半起きが効いて、演奏中、襲いかかる睡魔と戦ってしまった。おかげ様でウトウトしつつ最後まで聴くことできました。良かった♪
来年の事をいうと鬼も笑うと言いますが、来年の演目が楽しみです。