まあ、とにかく盛りだくさんの演奏会。私は第二部にいったのですが、一中節もあれば義太夫も常磐津も清元もという感じ。お腹いっぱいの演奏会でした。
長唄と清元以外は、舞踊の会などでなければお目にかからない演目ばかり。ワクワクドキドキでした。
舞踊の会の時は、舞踊やお囃子が入っているので、同じ曲でもぜんぜん別物。退屈しないのですが・・・。何気に眠くなるかな(汗)
予想的中。かなり眠かったです。
一中節『廓の寿』
人形町あたりにあった吉原が振袖火事で焼失。廓は現在の浅草に移転。新吉原と呼ばれた。
その新吉原の情景を唄ったものらしい。
人間国宝の宇治紫文氏の浄瑠璃。さすが味わいのある語りだった。
三味線。すごっく芝居っ気たっぷりで演奏されていたけれど、緊張されていたのかしら。何気に固かった感じ。
長唄は、淡々と三味線を弾くように指導される。この三味線の方のように表情や行動で表現を加えると「行儀が悪い」と怒られたものである。
でも、一中節は全身で音楽を表現しなさいと指導されるのかも知れない。
ジャンルが変われば、こういった奏法も変わるのでしょう。
義太夫『傾城阿波の鳴門』
十郎兵衛住家の段の後編。有名なお話なのでストーリーはカット。女義さんがたの演奏だった。
十郎兵衛役をやられた方の熱演だった。
ストーリーに感動して、涙が出そうだった。
新内『関取千両幟』
全体的なバランスがよく素敵な演奏だった。けれど、とにかく長い。「たった三行語るのに何分かかるの?」くらいに長かった。途中、なんどか睡魔に襲われた。
常磐津『関の扉』
けっこう長い曲なので、本日は小町桜の精が墨染という傾城に化けて出て来る部分からの演奏だった。
女流の方々の熱演でした。特に、墨染役のタテの方はずっと唄いっぱなし。けっこうご高齢に見受けられたけれど・・・凄いなぁと思った。
清元『鳥刺し』
舞踊で何度か観ている。けっこう伴奏だけでも十分に楽しめる曲だと思った。
他のジャンルは舞踊会以外では馴染のない曲で、楽しみ方が分からなくて戸惑っている自分がいた。とっても疲れた。
だから、聴きなれている清元が登場してホッとした。
都山流尺八本曲『霜夜』
ちょっと退屈だった。尺八の音色。。。私はあまり好きではない。
尺八の世界には女性がいないと聞いたことがあるんですが、女性の演奏家の方が混じっていて吃驚した。
女袴姿。可愛い♪
長唄『靱猿』
五三郎先生の演奏。唄は喜三郎氏であった。どちらも人間国宝ですね。
お囃子は藤舎流のお家元率いる一門の方々でした。
御年、九十三歳。それであれだけの演奏ができるのがすごい。ワキ三味線の方。あまり演奏会ではお目に掛らないが、杵五の記念演奏会みたいなのによくお手伝いされている方だ。今日、ご子息は東音会にご出演。そのためにこの方がワキ三味線を務められたのかな???
でも、呼吸が今一つあっていなかったよなぁ。やっぱり、五三郎先生の呼吸を熟知しているご子息とか、上調子を勤められていた五三吉先生だよなぁと思いつつ拝聴していた。
三味線の一の糸巻の調子が悪かったようで・・・ずっと調節しまくっていた。
超高齢になられた五三郎先生。拝聴するたびに味わいが増していく。まだまだ進化し続けているのですね。
いつまでもお元気で。次回、どこかで演奏を拝聴できることを楽しみにしています。


国立劇場のお庭の梅は一分咲きくらいでした。今年は梅が遅いです。