長唄『松』 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。








夫れ老松の目出度きは 雄々し命の御剣を

守りし尾津の一つ松

大宮人がめのひすと こころを野辺の姫小松

遠く寄せこし仇浪を あとなく砕き砕きつる

ひびきは千代の松原や

万代祝う寿と 歳立つ門の松飾り

乙女心に待ち待つと 思いはえこそ岩がねの

かたき契りを結び松

四方の嵐にゆるぎなき 国のしずめの荒磯松

ほがらほがらの昇る日に

さつさつの声ぞ目出度き

そうそうの調べぞ目出度き




十二月にこの曲の小鼓を打つ事になりました。
小鼓の一調の曲です。
島の千歳や、藤船頌といった曲は小鼓のために作られた長唄ですが、たぶんこの曲は一調ですが、小鼓のために作られた感じはしません。なんとなく、作調からそんな感じがします。

本当に珍しい曲です。
師匠曰く、
「今回、君にこの曲と言われなかったら、あと十年はうずもれていたと思うよ」
ぐらいに珍しい曲なのだそうです。
そんな珍曲・・・音があるだろうか・・・
いつの録音のものか分かりませんが、師匠のお父様の小鼓。芳村五郎治氏の唄、三味線はどなたか不明の録音物が師匠のもとにありました。
レコードで存在したのですね。

その後、知人から聞いたのですが、この曲は日本舞踊のF流のお名取試験の課題曲なのだそうですね。長唄『松』は男舞。清元だったかな『藤』とかいう曲があって、それは女舞なのだそうです。
男舞と聞いてちょっと吃驚なんですが、
前半は本当に厳格な品のある感じ。後半は軽快という感じで、七分か八分の短い曲なのですが、よくまとまった素敵な曲です。
さて、、、誰の作曲でしょうか・・・・
佐々木信綱作曲、杵屋栄蔵作曲
杵屋栄蔵氏もたくさんいらっしゃいますが、たぶん杵屋栄次郎のちに三代目杵屋栄蔵を名乗った方の事と思います。
という事は、あの録音物の三味線は作曲者ご本人ですね。きっと^^
なぜなら、五郎治氏とコンビ組まれていましたものね。。。

さて、今月の最後のお稽古からこの曲のお稽古に入りますが、
もう十二月の本番を前提のお稽古なので、師匠の前で打つ時は自分なりに作り上げたものを持っていかなければならないのですよね。
はあ、やっと覚えましたが・・・・。
覚えたところがスタートライン。打ち込んでいかなければなりません。
がんばるぞ♪