お酉さん | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

as200811_tori_phot03.jpg 上野・浅草イベント情報より
さて、昨日は酉の市でした。いよいよ、今年も終わりだなぁ。
お酉さんが過ぎると、師走。そしてクリスマス、大晦日とあっという間だ。
今年二の酉までだけれど、去年は三の酉まであった。
三の酉まである年は火事が多いと言われている。「寒くて空気の乾燥する頃、火の後始末をきちっとしましょう」という由縁という説もあるが、これは二の酉であろうとこの時期はそうなのだから、年中気をつけなくちゃね。
お酉さんにかこつけて吉原にいそいそと出かける男に対して、
「今年は三の酉まであるね。火事が多いというから、そうそう遊んでいられないね」と女房が男の足止めに言ったというのが由縁という説もあるが・・・。
さてさて、本当の由来は何なんでしょうね。

酉の市は、江戸時代から続くお祭りらしい。
神道的解説では、
「大酉祭の日に立った市を、酉の市の起源とする。大鳥神社(鷲神社)の祭神である日本武尊が、東征の戦勝祈願を鷲宮神社で行い、祝勝を花畑の大鷲神社の地で行った。これにちなみ、日本武尊が亡くなった日とされる11月の酉の日(鷲宮神社では12月の初酉の日)には大酉祭が行われる。また、浅草・鷲神社の社伝では、日本武尊が鷲神社に戦勝のお礼参りをしたのが11月の酉の日であり、その際、社前の松に武具の熊手を立て掛けたことから、大酉祭を行い、熊手を縁起物とするとしている」
仏教的解説では、
「鷲妙見大菩薩の開帳日に立った市を酉の市の起源とする。1265年(文永2年)11月の酉の日、日蓮宗の宗祖・日蓮上人が、上総国鷲巣(現・千葉県茂原市)の小早川家(現・大本山鷲山寺)に滞在の折、国家平穏を祈ったところ、明星(金星)が明るく輝きだし、鷲妙見大菩薩が現れ出た。これにちなみ、浅草の長国寺では、創建以来、11月の酉の日に鷲山寺から鷲妙見大菩薩の出開帳が行われた。その後1771年(明和8年)長国寺に鷲妙見大菩薩が勧請され、11月の酉の日に開帳されるようになった」
まあ、こんな感じで解説されている。
でも、江戸のお酉さんは収穫祭及び翌年の五穀豊穣を祈願したお祭りとして始まったのが最初とも言われているようですね。

縁起物の熊手。私も若かりし頃、新宿の花園神社で小さい小さい熊手を競り落としたことがあります。
鷲が獲物をわしづかみすることになぞらえ、その爪を模したともいわれ、福徳をかき集める、鷲づかむという意味が込められているのだそうです。熊手・・・本当は鷲手?!

お酉さんの縁起物として、
「八つ頭」というお芋と「小金餅」という御餅があるそうです。
八つ頭は、古来より頭の芋とも呼ばれ「人の頭に立つように出世できる」といわれがあるそうです。またさらに一つの芋からたくさんの芽が出ることから「子宝に恵まれる」という事で縁起物なのだそうです。
「小金餅」は、粟餅の事で黄金の小判ににている事から「金持ちになるように」という縁起物なのだそです。
八つ頭の方は、今でも商うところがあるらしいですが、小金餅の方を商うところがなくなっちゃったそうです。


日本には四季折々のイベントがあって、
江戸の人々は、ただ寒いから「冬だ」とか、暑いから「夏だ」と言う感じに四季を認識していなかったと思います。
「もうお酉さんの季節かい。早いものでもう今年も僅かだな」
こういった感覚が、だんだん薄れている感じがします。それがすごっく残念ですね。
たぶん、各地方で季節のイベントってあって同じだと思うのですが。
何か、日本人として一番の日本人らしさを失っていく感じですよね。
毎年、酉の市の季節になると
「もう師走、クリスマス、大晦日・・・今年もあっという間だった」と思う感覚。大事にしたいと思います。