
この映画はハリウッドミュージカルをいっぱいいっぱい作り出した「MGM」の創立70周年記念に作られた映画だそうです。
有名ミュージカル映画のダイジェスト版みたいなものなんですが、けっこう楽しめる映画です。
PART1とPART2は随分昔に作られていてこれもお勧めの映画です。
それにしても当時のアメリカも生き生きとしていたんですね。今の映画も素晴らしいですけれど、MGM映画黄金時代の映画を観ると本当に生き生きとしていて活力が今とは比較にならない感じがします。
MGM映画の代表作G・ケリーの「雨に唄えば」そしてJ・ガーランドの「オズの魔法使い」は現代でもファンの多い映画ですよね。
そうそう、「雨に唄えば」をネット検索していたら面白いお話に出会えました。
劇中、G・ケリーとシド・チャリシーの幻想的なダンスナンバーが入っています。
あれって、実は別のナンバーが予定されていたみたいです。けれど、監督は凝り性のG・ケリーですから、撮影予定が予定通りに行くはずがありません。大幅に撮影が遅れてしまったのだそうです。実はドナルド・オコナーはユニバーサルからレンタルした役者さんで撮影が大幅に遅れた為に撮影期間中に契約が切れてしまったのだそうです。ドナルド・オコナーは別の映画の撮影に入ってしまった為にこの部分の撮影が出来なくて急遽あのシド・チャリシーのダンスナンバーに差し替えたのだそうです。
うーん、もともとあったナンバーに興味大!けれど、あのシーンはとっても素晴らしかったしな・・・。
シド・チャリシーは黒髪で妖艶な美人。脚線美が売り物のダンサーです。F・ステアと共演した「絹の靴下」は素晴らしかったです。彼女に憧れていた時代もありました。
さて、F・アステアとG・ケリーのタップは本当に素晴らしい。F・アステアのタップは紳士で流麗・上品という感じ。燕尾服が良く似合うタップの神様です。
G・ケリーのタップは本当に楽しげで幸せを与えてくれるタップを踏んでくれます。お腹のそこから「上手いっ!」と溜息が出ちゃいます。
今日の「ザッツ・エンタテイメント3」を観ていて思ったのですが、本当にG・ケリーは天才と思いました。
タップを踏みながら新聞紙と戯れるシーンがあるのですが、彼はその新聞紙を踏む音・破れる音を音楽にしちゃっているんですよね。なんか、凡人には発想できないアイディアだなぁと思いました。
そうそう、「雨に唄えば」でも水溜りをジャブンとする音とか水の音を音楽にしちゃっていますよね。うーんこの人は天才!凄すぎと思いました。
MGMミュージカルも一部の代表作はレンタル屋さんに置いてありますが、ほとんどお蔵入りしちゃっていますよね。
是非、このダイジェスト版を観てMGM黄金時代を堪能してみてください。お蔵入りしちゃった映画の名場面を楽しめると思います。