昨日、テレビで『明日の記憶』という映画を放映していましたね。
渡辺謙さん主演の映画。バリバリに働く男性が若年性アルツハイマーを発症して。。。という、ホラー映画よりもある意味怖い映画です。
アルツハイマー。
私は、ナースになって、ずっと老年看護に携わっていたので、この手の病気の方を沢山症例としてみています。
アルツハイマー=高齢者と思いがちですが、ピック病とか若年者でも掛かる病気です。
癌という病気になっても、人は大きな衝撃を受けますよね。
しかし、癌は治る可能性のある病気です。
でも、アルツハイマーは進行を抑制するお薬はありますが、治らない病気です。
失われていく記憶と共に生きていかなければならない病気です。
もし、私だったら。。。
癌と言われるよりも、人生終わったと衝撃の大きな病気です。
人間の日常生活全ては、赤ちゃんの頃から学習した記憶によって成り立っています。
単に物忘れ程度なら苦にもなりませんが、この病気の恐ろしいのは、そう言った日常生活に必要な記憶も忘れてしまうのです。
例えば、食べる事を忘れてしまう方って多いです。
お腹が空いているのに、目の前にある食べ物が食べ物と認識できない。
食べ物と分かっているんですが、どうやって口に入れて良いか分からない。
口に入れたものの、噛むという行動を忘れてしまう。
嚥下するという作業を忘れてしまう。
・・・
結局、経口的な食事は難しくなって、違うルートの食事が考慮される事になります。
今まで自分が培った歴史も忘れてしまう。
愛する家族まで忘れてしまう。。。。
本人も悲しいですが、周りの人にとっても切ない病気ですね。
そして、その切ない気持ちもありますが、こういった病気の方を介護するというのは非常に心身共に大変な事です。
『明日の記憶』は映画なので、非常に感動的に綺麗にまとまっていましたが。。。実際はあんなものではないですね。きっと。
たぶん、あの映画を観られた方は、あれでも恐ろしいと感じたに違いないと思いますが、いやいや、実際にあれ以上に大変で恐ろしい病気だと思います。
アルツハイマー。。。成りたくない病気ベストワン。
しかし、病気は選択できないのですよね。
そして、原因が良く分からないから、予防も難しいですね。