邦楽鑑賞会-長唄の会- | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

国立劇場主催の邦楽演奏会に行ってきた。毎年毎年楽しみの会。でも、けっこうチケット入手に苦労する会です。
今年は幸運にもチケット入手できましたが、上手側(笛側)の後ろの方。
なんか全体が観にくい席でした。

『吉原雀』
(唄)   杵屋東成、他
(三味線) 杵屋勝国、他
(お囃子) 堅田喜三久、他
さすがに勝国氏の三味線は端切れが良くて気分が良い。
「タマ」は一見地味なんだけれど、派手というのでしょうか。素敵でした。
幕開き、近くの席のご夫人の防犯ブザーのようなものがいきなりけたたましい音を立てる。吃驚でした。
あれって、絶対に演奏者にも聞こえていますよね。幕開きの良いところなのに。
ワクワクドキドキとその時が来たというのに、とんだお邪魔虫。
後ろ席のご夫人は、幕が開いて「あら携帯の電源」ときり始める。それも何をやっているんだか手間取ってピッピッと煩い。あのあの国立の客席は携帯の電波が届かないようになっているんだから・・・
本当にやめて欲しいです。
防犯ブザーを鳴らしたご夫人も、きっと携帯の電源を切ろうとして、違うボタンを押したに違いない。

『枕獅子』
(唄)   吉住小代君、他
(三味線) 吉住小三代、他
(お囃子) 望月太喜雄、他
当たり前なのですが、『英執着獅子』や『鏡獅子』に曲想が良く似ている。
うーん、やっぱり鮮麗された『鏡獅子』が一番素敵かもしれない。
女流の演奏はどうしてもボリュームが小さくなってしまう。
いつも思うのですが、やっぱり女流の演奏の時は女流のお囃子さんの方がバランスが取れてもっと良い演奏になるように思う。

『蓬莱』
(唄)   芳村伊四郎、他
(三味線) 杵屋六三郎、他
六三郎氏の三味線は切れ味が良くて、「上手い」とため息が出てしまう。
伊四郎氏の唄も味わいがあって素晴らしい。
長唄も時代によって唄い方とか違うように思う。この伊四郎氏の唄には、何か「昔なつかしい」という言葉が良く似合う気がする。

『紀州道成寺』
(唄)   東音宮田哲男、他
(三味線) 杵屋五三郎、他
(お囃子) 藤舎呂船、他
九十歳を超えた五三郎先生の三味線。さらに超越した芸に成長された気がする。(生意気な言い方ですみません)
ほとんど神の域に達しているように思われる。
九十歳過ぎて、この大曲を最初から最後まで演奏する体力がすごい。
唄の宮田氏。ダイエットをされて唄声が若返った気がする。

本当に素晴らしい演奏ばかりを拝聴できて幸せ。感謝感激です。