神楽と神舞 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

高天原に天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神という三神が現れ、次いで宇摩志阿斯訶備比古遅神と天之常立神と二神が誕生する。
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『古事記』や『日本書紀』による、天地開闢いわゆる天地創造日本版で冒頭に語られる神々の名前。

日本は仏教の国と思っている人も多いかも知れないが、それはのちのちの話で日本は神々を崇め祭る神道の国であった。
稲作文化が定着したのは弥生時代だと言われているけれど、そんな時代から人々は「五穀豊穣」を願い、そして「国土安泰」を願い様々な神様をお祀りしていた。
秋のお祭りのシーズン。先週の土曜・日曜はこの辺りの氏神様のお祭りだった。
こういったお祭りは、だいたい「国土安泰、五穀豊穣」を願ったり感謝するものとして、ずっと昔からその土地土地の人々によって続けられているものですよね。
神様というのは芸能好き。
天岩戸に隠れた天照大神。彼女のご機嫌を取り戻したのも天宇受賣命の舞い踊り。
そのせいですかね。お祭りというと、境内の神楽殿でのお神楽をはじめとして奉納芸能が行われる。
神楽には「御神楽」と「里神楽」がある。御神楽というのは宮中の賢所で行われる神楽のこと。一般的に目にする神楽は「里神楽」と呼ばれるもので、ヤマトタケルの大蛇退治のお話などを題材にした舞とか、それぞれの土地土地で伝わる舞い踊りが神社の神楽殿等で行われる。
三番叟などは、その里神楽の一種として誕生したものと理解している。

さてさて、長唄のお囃子の中にも「神楽」という手組がある。
「舌だし三番叟」とか「鏡獅子」の胡蝶、「常盤の庭」等に使われている。
よく「神楽」と「神舞」を混同する方がいる。
能楽のお囃子の手組で「神舞」という手組がある。御神体が出現して舞う時に用いられる手組という事で長唄のお囃子でも使われている。
まあ、字を見て明らかで
「神楽」は神が見て楽しむもの。ものの本によると神子や女神の舞曲で神前に奉奏する舞と書いてあった。
「神舞」は神自身が踊るもの。
・・・ぜんぜん違う。
神舞には「掛り」「初段」「二段」「三段」とがある。長唄のお囃子では「三段目」という手は頻回に出て来る。きっとたぶん、お囃子のお稽古をはじめて、初めて出会う能楽の手組は「三段目」ではないでしょうかね。初心者のうちに習う『末広がり』。この曲の最後が神舞の三段目である。
三段目は本当に長唄のチラシでよくよく使われる手組。「また三段目」と思っちゃうくらいです。
「掛り」とか「初段」はあまり聞いたことがないけれど、
『老松』『常盤の庭』では二段目・三段目と使用している。

久しく氏神様の奉納芸能であるお神楽を観てないなぁ。
子どもの頃の夢は、文楽の人形遣いになること。またはあのお祭りでお神楽を踊っている人になりたかった。文楽の人形遣いは男性の世界でダメと分かる。
お神楽の方は・・・本当はどうか分からないけれど「あれも男の人がやるもので女の子はダメなのよ」と言われて断念。
何故か、男性のやるものばかりやりたがる子どもだった。
女の子らしく
「保母さん」とか「スチュワーデス」とか
「お嫁さん」になりたいなんて夢を一度たりとも持ったことがない。
現職業のナースになりたいと思ったのも三十路過ぎですものね。はははっ^^
至って男の子らしい女の子でした。