中秋の名月 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

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今日は中秋の名月。
幸い今日の夜空は晴れ渡り、綺麗なお月様を堪能できました。
日本人は月が大好きですね。
「お日様見」なんていう行事はないけれど、
日々形を変えて、夜空に輝く月を鑑賞する「お月見」という行事がある。
まあ、まぶしすぎて太陽を観察しにくいのも確かですが、それでも太陽を詠む歌なんてあまり聞かない。
圧倒的に、和歌や短歌の世界では月の歌が多い。
芭蕉の「名月や 池もめぐりて 夜もすがら」これが一番知られている歌だと思う。
でも、これは江戸時代に読まれたもの。もっともっと古く万葉の時代から月は歌に詠みこまれている。

天武天皇崩御の際に持統天皇が詠んだ一首。
北山にたなびく雲の青雲の 星離れ行き月を離れて
御主人を亡くされた持統天皇の悲しみが良く感じられる歌だ。
月の輝きに私は哀愁を感じるけれど、そうそう失った愛すべき人を思い出すの題材としてはお月様がとても似合う。

長屋王の変で膳部王が亡くなった時にどなたかが詠んだ一首。
世のなかは空しきものとあらむとぞ この照る月は満ち欠けしける
世の無常を詠ったものだそうだ。
やっぱり月光というのは哀愁・無情さを感じるものなんだな。

まだまだ残暑厳しい今日この頃ですが、朝夕の空気は何気に冷たさを感じる。
季節の移り変わり。あと二か月もすれば「寒い寒い」と晩秋から初冬となっていく。
燦々と輝く真夏の太陽。夏という季節は人々の元気で活気のある姿を思い浮かべるけれど、やっぱり冬というと寒さに縮こまる静けさを感じる。そういった静かな季節に近づいている・・・。だから哀愁を感じる今日この頃の季節なのかしら???

しかし、都会というのは背の高い建物がいっぱいあって、
ベランダで静かに月を鑑賞しながら、ひと時を楽しむなんて難しい人が多いのでしょうね。
うちも目の前はビルだしね・・・。
マンションを出て通りに出ないと月なんて見えないや。
はあ・・・。