パッチワークな長唄 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

来月、我が病院で演奏する長唄は四季をイメージして、『花見踊り』『あやめ浴衣』『四季の山姥』『俄獅子』のある部分をパッチワークして編集しました。
今回は唄の方がいらっしゃらないので、三味線とお囃子のみのメロディーで舞踊家お二人に踊っていただく感じとなります。私のわがままパッチワークなので、既存の振り付けではなくて、新たに振りをつけていただく感じに。
ボランティアなので、手間ばかりお掛けしてしまい、本当に申し訳ないな
ぁと思っています。
しかし、
新作のお芝居を作っている感じと似ていて、本当に楽しいです。
お浚い会というのは、全部、師匠がお膳立てしてくださるのですよ。楽器の調整も、地方さんとの打ち合わせも全てです。出演する弟子は綺麗に髪の毛をセットして着物を着てそこに座っていればOKという感じですよ。
けれど、今回は企画、そして出演者や会場となる病院の担当者とのスケジュール調整をはじめとした打ち合わせ、曲の構成を考え演奏者に依頼・・・などなど、本当に全部初体験なことばかりです。とっても勉強になります。
今回はボランティアなので、一番肝心な金銭的な事がないので良いのですが、演奏会とかリサイタルだとそこに金銭が絡んでくるから大変ですよね。

以前にも書いたと思いますが、
私の勤めている病院は長期療養型です。何かしらの疾患を持っていて、お家で療養生活ができない患者様の生活の場です。多くの患者様はどこかの一般病院で急性期を過ごして、病状が落ち着いた頃に転院してきます。
そして、それが最後の外部との接触となられる方が多いです。
ご家族のお見舞いもありますが、中にはご家族が滅多にいらっしゃらないケースもあります。
うちの病院では年間数度ボランティアの方々にいらしていただいて、コンサートなどなどしていただきます。
患者様にとっては、生の音楽などを楽しめるだけでなく、久しぶりの外部との接触の機会なのですね。
病院を出られるわけではないのですが、外部から来た方々が持ってくる外の空気を感じるのでしょうね。

私は職員ですので、どんなにお作りしても「看護師さん」なんですが、
私が媒体になって、外部の風を吹き込むことができたらなぁと思います。
せっかく日本に生まれたのですから、
きっとたぶん、生の日本の楽器の音を聴いた事がない方もいらっしゃると思います。
また、日本独自の踊りを生で観た事のない方もいらっしゃると思います。
何しろ日本は明治維新以来、欧米の音楽を一般的なものにして、日本本来の音楽を特殊なものにしてしまいましたからね。
私が子どもだった頃、もう既に子どもに着物を着せられない親御さんが大勢いました。
もう、戦争を体験として良く覚えていない世代の方もお年寄りとして入院していらっしゃる時代ですからね。

パッチワークな長唄。
昨日、生で聴いて自分ながら選曲が素敵だったと関心。
とっても綺麗に仕上がりました。
さてさて、城跡の虫笛隊。今ひとつです。ああ、センスないなぁと自分ながらに思います。
ここに踊りが付いて・・・どうなるのかな???とっても楽しみです。
いやいや、皆様のお力沿いで叶った企画。
素人でこんな経験って、滅多にできないと思います。
せっかくのチャンスですから、いっぱいいっぱい勉強したいと思います。