道成寺色々 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

この度の太鼓のお稽古の『娘道成寺』では、覚え難い“ただ頼め”もやっうと先日のお稽古で決まりました。
今回の『娘道成寺』は大変奥が深く、いつもの倍以上、雑学を勉強しています。←別に雑学だから勉強しなくてもいいのですが。。。(汗)

長唄や踊りなどをお稽古されている方は知っていらっしゃると思いますが、『娘道成寺』は色々なバージョンありますよね。
抜き挿しオンパレード。まるでパッチワークのような曲です。
クドキが終わって、鞨鼓の合い方で踊りの方はお着替え。そして“山尽くし”があって、“去るほどに”バージョンに行く場合と“そのに色よく”の方に行くバージョン。“そのに色よく”の前に太鼓地の“ただ頼め”を入れるバージョン。。。などなど
各パーツをしっかりお勉強して、どうつなぎ合わせても良いようにするというのが、この曲のお稽古の重要ポイントだと私は思います。
でも、頭の中、上手く整理できなくて納豆状態。最近、ようやく整理が付いてきました。

さて、いつもの如く音源探し。
今回は一つの音源では足りません。
なにせ、色々なパーツの組み合わせだから、この音源にこれは入っているけれど、あれがないという感じで、帯に短し襷に長しのものばかりです。
基本的には、あれとこれを使おう。
鞨鼓の通常パターンでない合方は、友人が分けてくれました。
これって踊りの時ぐらいにしか入らない特殊バージョンなので、なかなか普通では手に入りません。
さて、“ただ頼め”は伊十郎全集と五郎治全集に入っていたので、それを参考にお稽古。。。

あれ、附けを見ていて、なんか正体不明の手組みがある。
これは一体何?
実は、“山尽くし”から“ただ頼め”の間に、踊りの場合、踊り手さんが袖に着替えに入ってしまうので、そのつなぎの合い方があるそうなんですよ。その正体不明の手組みはそのつなぎのお囃子である事が判明しました。
これ。。。さすがに。。。
と思いきや、またまた、友人が音源を下さいました。
おお、神様m(_ _)m
これで、一応全て音源が揃いました。
しかし、全て違う方々の演奏、場所、などなど条件が違うのでバラバラなノリで変な感じ。。。(汗)

ところで、ある方が“ただ頼め”のつなぎの合方には何種類かあるという事を教えてくださいました。
さっそく、お勉強。大きく分けて、堀留派のものと、菊五郎劇団のものと二つある事が判明。
堀留派とは、杵栄派という長唄の流派の事です。
で、私の手元にある正体不明の手組みは、検索したところ菊五郎劇団のものと判明しました。
そうそう、面白い話を発見。
堀留派も、菊五郎劇団のつなぎの合方もけっこう派手なんですけれど、この菊五郎劇団のつなぎは特に派手という事で、“軍艦マーチ”と呼ばれているのだそうです。
そうそう、話は違いますが、つなぎの鞨鼓の合方も、通常パターンをお肉、天天チリカラバージョンを野菜と呼ぶそうで、きっと地方さんの打ち合わせは、「今日は肉肉野菜で、まだ掛かるようだったら肉で行こう。それから、“ただ頼め”のつなぎは軍艦マーチでね」てな具合なんでしょうね。
全然、知らない人が聞いたら、なんのこっちゃ?と思いますよね。
まさか、『娘道成寺』の伴奏の打ち合わせだなんて。。。絶対に思えないですよね。

さて、一つのつなぎの合方が菊五郎劇団のものと判明。もう一つが知りたくなるのが人情。
家中のテープ・CD・ビデオをひっくりかえして、やっとそれらしき音源を発見。
古い録画で、中村歌右衛門さんと中村芝翫さんの『二人道成寺』でした。
ああ、こんなの録画していたんだ。
演奏は芳村五郎治氏の唄と松島寿三郎さんの三味線、お囃子は今の望月朴清先生。。。若い♡
思わず、必要のところだけでなく、全部鑑賞しちゃいました。