望月晴美囃子演奏会 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

今日は、紀尾井ホールで開催された女流お囃子演奏家の望月晴美先生のリサイタルに行ってきました。楽しかった♪

『太鼓の曲』
杵屋正邦氏の作曲の曲でした。
正邦氏は長唄の方なんですが、長唄を超越した面白い曲が多いというイメージが強いです。
そうそう、作曲者は長唄の方ですが、この曲は長唄というジャンルではなくて現代邦楽です。私は、あまり現代邦楽というのは好きじゃないのですが、この曲は楽しかったです。
三味線と太鼓の掛け合い。両者の息のコラポレーションがとっても心地よかった。

『ざしき童子のはなし』
宮沢賢治の作品を楽器の演奏をしながら朗読するという思考のステージでした。
お琴と打楽器の効果は、私を宮沢ワールドに引き込んでくれました。
ステージを見ているんですがね・・・その向こうに、暖かな日差し、新鮮で美味しい空気、ゆっくり流れている時、素朴な人々のいる世界が広がっているのが見えました。
広い和室の一室。ポツンと座っている可愛い子ども(ざしき童子)。なんか淋しそう。でも暖かい。
その一室の外では、子ども達の笑い声。お母さんが野菜を切っている音。かまどでご飯が炊ける音。そういった生活の音が聞こえています。
温かで、その反面、なんとなく哀愁を感ずるそんなステージでした。
もし、私に子どもがいたら、聞かせたかったな。

『時の砂』
笛、小鼓、大皮、大太鼓、朝鮮の長鼓のコラポレーションでした。
長鼓というものを生で聴いたのは初めて。感動しました。
朝鮮と日本は太古の頃より親戚のような間柄ですよね。
姿、形も良く似ていますし、ハングルと日本語は文法も似ています。
しかし、朝鮮は大陸の半島の国。日本は四方を海に囲まれた島国。
その環境の違いなのでしょうね。気質がちょっと違いますよね。
日本の打楽器を打つ姿というのは静を感じますが、長鼓を打つ姿は動という感じ。しかし、姿はそうなんですが、魂は共通しているんですね。
長鼓は朝鮮の宮廷音楽の楽器なのでしょうかね。
とても激しい動きなのですが、とても上品で鮮麗されたものを感じました。

『尾上の雲賤機帯』
長唄の『賤機帯』は何度も聴いた事がありますが、一中節の『賤機帯』をはじめて鑑賞しました。
長唄の『賤機帯』は華やかで綺麗という印象の強い曲。しかし、一中節は凄みが加わりますね。
すごっく説得力があるというか。私の中にある賤機ワールドとは違う、もう一つの賤機ワールドに出会いました。
そうそう、あの曲に出てくる船長(ふなおさ)には、三太郎という名前があったのですね。初めてしりました。

こういった、長唄ではない・・・というか古典ではないお囃子の会は初体験。なかなか面白いものです。
たまにこういった会に出かけるのも、色々な発見があって良いですね。
今まで、私の中にあった日本の打楽器の世界がさらに広がった感じがして、ますます、楽しい世界だなぁと思いました。
今日は充実していました。