今回は、邦楽演奏会で筝曲・尺八・能・長唄・舞踊と盛り沢山。こういう演奏会を芸大の奏楽堂でやっているのを知らなかったのですが、御縁があって去年から芸大主催の演奏会に度々足を運ぶようになった。
大学は研究機関ですから、他では体験できない邦楽の世界に接する事ができる。
そうそう、大学は研究機関。話は逸れちゃいますが、大学病院というのはその研究機関に所属するものです。なんか大学病院をありがたく思っている傾向があります。が、研究機関の研究の場。まあ、モルモットとは言いませんが、、、研究のための患者さんなのですよね。それを思うと別にありがたい病院だとは思わないのですが・・・。
・・・ちょっと研究機関という事で思い出しました。すみません。
筝曲の『翁千歳三番叟』を聴いた。もともと河東節だったのですね。それが長唄・筝曲になって今に伝承されているんだ。もちろん本家の河東節にも伝承はされているんでしょうね。
長唄の『翁千歳三番叟』はよく耳にする。いい曲ですよね。
格式の高いお囃子。私は、この曲の小鼓が憧れである。なかなかの大曲なのでお稽古していただけるか分からないけれど・・・。本当にいつか勉強したい曲です。
尺八の方々の出し物は、邦楽なのに洋楽チックな感じだった。お琴や尺八はよく洋楽とコラボレーションするよなぁ。ほらほら、『春の海』なんてその代表ですよね。解説を読むと、尺八とバイオリンとの「対話」とか琴とバイオリンで「コスモス(宇宙)」と言う曲が同時期に作られたらしい。
『鼎(かなえ)』という三種の長さの尺八によるアンサンブル。アジアンチックなそんな感じで面白かったです。
能楽は宝生流の御仕舞『八島』と観世流の舞囃子『巻絹』。やはり能楽というのは武将の音楽ですね。迫力があり何かピンと張りつめる緊張感があります。所作台を踏む足音も何か芯があるというか、こうしてたまに能楽に出会うととても新鮮な気持ちになれます。
筝曲と雅楽のコラボである『越天楽変奏曲』という宮城道夫作曲の曲を聴いた。お琴を奏でる奏者の手の動き。一見優雅に見えるが非常に力強くエネルギッシュだ。武術に通じる美を感じた。
この曲のあとに雅楽の演奏があった。『壱越調音取・胡飲酒 序、破』という題名がついていたが・・・雅楽と言うと全部同じ音楽に聴こえる。非常に雅であるとともに、大地にズッシリという音を感じる。あの鞨鼓の音は素敵ですよね。あと篳篥の音色は私好みの音です。
最後に長唄と日舞のプログラムで『櫻絵巻』。これは華やかで素敵でした。低音三味線が使われていたりと芸大らしいメロディだった。
普通、山台の高い位置には唄や三味線がいるのですが、芸大のステージは一番高いところにお囃子が座っている。いつも面白いなぁと思いつつ拝見。何か理由があるのかしら?
クリスマスバージョンにお化粧直し。イルミネーションがとても綺麗でした。
そして、右の写真は旧奏楽堂。こちらの施設の方が趣があって好きですが・・・。たまにこちらでも演奏会があるようですが、邦楽の演奏会はない様子。こちらでも何かやればいいのになぁ。

