お化け屋敷や、「あなたの知らない世界」とか、そういった関係のもの大好きです。
もちろん、怖いです。でも、怖くて見たいのがお化けものです。
さて、長唄で幽霊というと、すぐに思い浮かぶのが『高尾懺悔』です。
古い長唄で、“めりやす”というものがあります。『高尾懺悔』はめりやすの一つで、ほかに『黒髪』『寿』『五大力』『明の鐘』が現在のこっているものです。
そもそも、歌舞伎の芝居の中で、思いいれを持った場面、、、心中の芝居の時とか、、、情趣を漂う場目の効果を狙ってのバックミュージックとして誕生した長唄だ。
さて、
高尾というのは吉原の筆頭の花魁の名前。十一人の花魁がその名前を継いでいった。
一番、有名な高尾はたぶん二代目であろう。
伊達藩主に見初められ身請け話しが出たのですが、殿様の意の沿わぬ態度をとり、船の上で惨殺された花魁である。
この『高尾懺悔』は1684年頃に作られたものなので・・・
二代目高尾の不幸は、伊達藩のお家騒動に絡んだ悲劇。伊達騒動が起きたのは1660年頃ですから・・・高尾=二代目ですね。
この『高尾懺悔』(もみじば)はくどきの部分のみなんですね。本当はもっと長い芝居。
『七種若柳曽我』というのが本名題。
このお話しは、当時の話題の女性が二人出てくる。伊達のお殿様に殺されてしまう高尾太夫と1683年に放火の罪で死刑になってしまった八百屋お七である。
この演目はお正月公演の演目。お正月の定番は曽我もの。何故か、二人の時の人を曽我兄弟の話しに絡めたものなのだそうです。
放火をして、櫓の太鼓を叩いたお七は人々に追われる。吉原堤の高尾太夫の塚の前で倒れ気を失う。死んだ高尾太夫を回向したのが道哲和尚という人。その道哲がお七を介抱しようとすると、高尾太夫の亡霊が現れ、生前の辛く悲しい境遇を語るというのが、「高尾懺悔の段」なのですね。
めりやすは「気がめいりやんす」という言葉から、めりやすと呼ばれるようになったという説がありますが、本当に重~い感じです。なんか、ずっと聴いていると暗い気持ちになりそうです。
しかし、この高尾懺悔を含め、とっても良いものばかりです。

にほんブログ村
↑
ランキング参加中
愛のワンクリックお願い致します。