三浦正義退任記念演奏会 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

芸大の奏楽堂にて演奏会があった。
「三浦正義・・・誰???」
お囃子をやっている人でも、そう思う方がいるかも知れない。
しかし、芸名の望月太喜雄と言えば、
「ああ、あの人」と思う人が増えると思う。
望月流のベテラン演奏家の一人。長い間、芸大で教鞭を取られていて、今年度で教授職を退官されるそうです。つまり定年ですね。
華々しく新たなステップに送り出す事にふさわしい素敵な演奏会でした。
とにかく、奏楽堂の音響は素晴らしい。どの曲も最高によかったです。

『蜘蛛の拍子舞』
今藤政十郎氏は太喜雄氏のご子息。そんな彼がタテ三味線でした。
親子共演。DNAの域で呼吸がピッタリとした素敵なタマを拝聴しました。
我が師匠も太鼓で出演。タマからガラッとはんなりした場面展開。「こうだよね」と改めて確認。
長い曲ですが、飽きる事なく一杯勉強させていただきました。
楽しかった^^

『島の千歳』
東音会のベテラン勢がご出演。藤倉氏。。。つまり岡安晃三郎氏がワキ唄を務めていた。先日の温知会よりぜんぜん素晴らしかった。
ただ、毛氈が浅黄色を使っていたためか、その色が反射してみんなの顔色が真っ青に見えた。とくに病み上がりらしい藤倉氏・・・看護師的に「この人、だいぶ貧血が進んでいるみたいだけれど、呼吸苦しくないかしら」とか思っちゃう。水のイメージかもですが、、、うーん、顔色が・・・。
皆川健氏は七十代とは思えない綺麗な声ですね。藤倉氏も綺麗な声だ。
歳をとると、声質がどんどん低くなって綺麗でなくなるのに凄いです。

『翁千歳三番叟』
義太夫の『寿式三番叟』から始まって、筝曲と長唄の掛け合いで構成された『翁千歳三番叟』と舞台展開があった。山田流の萩岡松韻氏は琴の音色も姿も声も素晴らしい。まるで琴の申し子のような演奏家さんです。
いやいや、輝いていました。
この演目、師匠の太鼓も素晴らしかったですが、ワキの太鼓について望月庸子さんは凄いと思った。
フォームが師匠そっくりなのです。普段、彼女はああいう打ち方ではないのに・・・。
つまり、師匠のワキに付くという事でフォームを変えたと思うのですね。それってすごい事だと思います。
撥の高さ、担ぎ撥の担いだ方の撥の高さ・・・。本当に揃っていると美しいです。
いやいや、本来、弟子は師匠そっくりの姿でなくてはいけません。何せ師匠は鏡なのですから。
でも・・・私は師匠に全然にていません。
小鼓のフォームは、亡くなった師匠によく似ていると言われた事がありますが、それじゃあまずいでしょうと思ってフォームを崩した。今は誰にもにていない。
庸子氏・・・驚異ですは。

芸大の奏楽堂。よいホールですね。音響が最高です。
あんなところで演奏したいですね。
今さら芸大に行く訳にもいかず・・・
生まれ変わったのちに夢を果たしたいなぁと夢を持っています。