青濤会に行く | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

本日は深川資料館のホールにて、藤舎流の若手演奏家の先生方の演奏会に行ってきた。
今年は
『娘七種』
『角兵衛』
『石橋』の三曲でした。
たった三曲でも、お腹いっぱいの演奏会です。
これくらいの規模の演奏会の方が、じっくり一曲一曲を楽しめてよいですね。

『娘七種』は好きな曲ベストテンに入る長唄です。
全体的に堅いかなという印象でした。かなり気合が入った演奏で、きっとその「やる気」が堅さに感じたのかも知れない。
この曲で一番好きな鼓唄。もう少し唄い手さんに唄いきってもらってもいいのではないかと感じたけれど、それは私の解釈であって、こういった前に前に小鼓がイニシャチブを取るような演奏も「実は曽我もの」というこの曲らしさがあっていいかなとも思った。

『角兵衛』
今日は太鼓に注目をしていた。この曲の太鼓。一応、打つことは決まっているけれど打つ人によってだいぶ違うというのがこの曲である。
本日は非常にエキセントリックな芸の持ち主の太鼓。ちょっと楽しみでした。
彼らしい色にそまりかけた演奏でした。
そう、
「染まりかけた」です。彼は彼なりにこの曲を解釈して、演出したんだと思う。ただ、何かが足らない感じがした。素敵なんだけれど・・・。
芸は一度出来上がったら、倉庫に寝せて熟成させる期間が必要なんだと思う。この熟成期間を経ていないと何か堅さを感じてしまう。
そうそう、ワインも一番搾りはさっぱりして味わいが今一つ。何年も寝せているワインは味わいが深いのと一緒だと思う。
もう一度、熟成したのちの彼の『角兵衛』を聴きたいと思った。

『石橋』
迫力のある演奏であった。
いつも思うけれど、狂い以降の唄や三味線が聞き取りにくくなるのが今一つのように思う。
CDやテープは編集しているからなのでしょうけれど。。。
いやいや、歌舞伎や日舞の会で獅子ものが出た時、こんなにも唄や三味線が聞こえなくなっちゃうかな???
たぶん、お囃子のボリュームに対して長唄や三味線のボリュームが足らないという事なんでしょうかね。
バランス・・・難しいのですね。

今年も色々と勉強させていただきました。
毎年、毎年とても楽しみの演奏会。また来年が楽しみです。