
骨折・・・なんか、今週初めにレントゲンで経過確認したのですが、やっぱり良く動く部分なのでシーネで固定していても0.5mmずれちゃっているとの事。つまり、あまり良くなっていない。医師としては、屈伸系統の腱が付いている部分なので、ズレは想定内だったようですが、私としてはショック。
まあ、なるべく右足の薬指に負荷をかけず歩くしかないのですが・・・。
という事で、どこに行くにも今は杖を手放せません。
そして、迷いましたが、どうしても聴きたい曲がありましたので、杖ついて国立劇場まで行きました。
長唄協会の演奏会に行くと、とにかく知っている人に多くお目にかかるので、杖なんていうみっともない格好で行きたくないのですがね。。。
いやいや、全部で二十一曲。すごいです。十一時半から八時過ぎまで。
私はお昼くらいに劇場に到着。最後までいました。
拝聴したのは二十一曲中十三曲。
さすがに、全部はお腹いっぱい過ぎです。
十三曲でもかなりお腹一杯でした。
印象にのこった曲のレポを♪
『菖蒲浴衣』
唄は杵勝派演奏家の方、三味線は杵屋正次郎氏のご一派の演奏家の方々でした。
この曲は二世杵屋勝三郎と三世杵屋正次郎の協同作曲。たまたまの選曲か、あるいはお洒落な選曲か。私は後者だと思いますが。
今蘇るという感じで曲の演奏自体も良かったですが、この選曲じたいにとっても感動しました。
今日は長唄のみでお囃子入りませんでした。というか、それが一般的のようですが、私はこの曲のお囃子習いました。という事で、長唄さんのみの演奏なのですが、私の頭の中ではお囃子入りで聞こえていました。たまに、「あっ間違えた」・・・^^
そうそう、空想の中で私が太鼓を打ったり・小鼓を打ったりしていました。
『三重霞嬉顔鳥』
お初の曲です。実はこの曲が聞きたくて来たのです。
作曲は初代杵屋正次郎で1803年に初演された曲だそうですが、今藤流伝承の曲なのだそうです。
曽我ものでカッコよかった♪
お囃子もカッコよかった♪
この一曲を聴きたいがために、杖をつきつき来て良かったです。
『娘七種』
今日はとっても変わったバージョンでした。えっ♪お囃子がという事です。
まず吃驚は序の舞が入らなかったのですね。なか次第で始まって序の舞が入らないのって・・・
まあ、いろいろと演出ありますしね。はい♪
蓋を明けて吃驚経験でした。
小鼓唄のところ。ここは本当に小鼓だけなんですが、笛が入りました。
情報に精通された方のお話では本番直前にお笛を入れると決まったようです。
「めざす仇は~ホウホケキョ」という下り。鶯を表現する小鼓の手が入るんですが、一緒に笛が“ヒロヒロヒロヒロヒロヒロヒロ”と・・・ちょっと説明しすぎ・・・(汗)
賛否両論なのですが、私は聞く側に少しは想像の余地が欲しい派なので、説明しすぎの演出ってあまり好きではないのですね。
そうそう、「若菜のご祝儀」のあとの出端は太鼓地でした。
一般的に出端をお囃子は打つのですが、そうそう太鼓地バージョンもあると聞いたことがあります。
初めて聞きました。
でも、、、一般バージョンだと「はんなり」とか「穏やかな暖かさ」を感じるんですが、なんか暗い印象。
たとえばその音楽から風景を想像すると、一般バージョンだと今の季節の穏やかな青空なんですが、今日のバージョンだと、ちょっと曇りで寒いかな・・・外出はやめよう。そんな空模様が・・・。
たまたま、ノリがめっていたのかもですが。
『紀文大尽』
これもお目当ての曲でした。
今日、タテ唄を唄われていた方の紀文をどうしても聞きたかったのです。
紀文というとというと、人間国宝の宮田氏がナンバーワンなのだそうです。
確かにいい感じなんですが、私は今日のタテ唄の方の声質の方が私的好みの紀文のような幻想をずっと抱いていました。
イメージちょっと違いましたが、でも、またまたこの味もいい感じでした。
私的には好きです。
紀文大尽は本当に長唄鑑賞のための研精会系の曲なんですが、お芝居っぽくて大好きです。
『俄獅子』
協会女子部各流派の代表総出演。約200名の演奏は圧巻です。すごい♪
この曲のクドキにあたる部分。本当は出端越の手が入りますが、今、ここに出端を入れる方は人間国宝の堅田喜三久氏のみ。それも柔らかく太鼓と笛だれ。今は竹笛のみが一般的なんですよね。
しかし、今日は大勢の演奏だった為か出端越の段が入っていました。
うーんと最初。この曲をお稽古した時(大皮)は、出端越の段入りで習いました。
ですので、入ったほうが素敵というイメージがあるのですが・・・
今日、久しぶりに出端越の段入りの演奏を拝聴。やっぱり素敵でした。
勉強になった演奏。感動した演奏と色々な演奏を拝聴できました。
杖をつきつき、知人に遭遇すると「杖なんてついてどうしたの?」なんて恥ずかしい事もありましたが、本当に演奏会に行って良かったです。