昔、よき時代 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

戦後の時代から、私の誕生前後の日本の映画。
今の邦画はあまり好きではないのですが、この時代の映画というのは大好きです。

足を怪我して、外出もしにくいので
テレビばっかり見ている。
稽古?!逢引きを使ってやっています。でもね、足でリズムを取る癖があって、気をつけてはいるんですが、ついつい悪い足でトントンとリズムをとって
痛ーァい!
本当に間抜け・・・
そういう事もあって、長くできないのです。
で、結局・・・テレビです。

うちはケーブルテレビを導入しているんですが、
ケーブルテレビで、けっこう良い映画に立て続けに出会えています。
全部、大映だぁ。
『雪之丞変化』
現、オーラの泉の美輪明宏氏が丸山明宏と名乗っていた時代の映画です。
まあ、とにかく美しい。
『近松物語』
世界に誇る溝口監督の映画です。長谷川一夫が主演。
芸術性の高い映画ですが、堅苦しくなく見ごたえのある映画でした。
『千姫』
京マチ子主演の映画。
そういえば、京マチ子・・・あの人は今どうしているのかしら。

大映映画。
今はない映画会社ですね。一応、角川映画として残ってはいるんですが。
『羅生門』『雨月物語』『山椒大夫』と立て続けにヴェネチア国際映画祭で受賞。『地獄島』はカンヌ映画祭で受賞。1950年代は大映黄金時代です。
そうそう、
大映というと、勝新太郎が所属していました。
勝新太郎は、ご存知のように長唄の杵屋勝東治氏のご子息です。長唄名は二世杵屋勝丸。ちなみに初代杵屋勝丸と言う方は、先代の杵屋五三郎氏とともに松永和風氏の三味線を弾いていたように思います。三味線の腕前は天才的だったそうな。もし、彼が長唄の道進んでいたら、凄かったでしょうね。
お兄さんの若山富三郎は勝新よりもちょっとお先に映画の世界に。
彼は、三味線がいやでいやでたまらなくて家出しちゃうくらいの青年だったそうです。という事で、新東宝にスカウトされ、新人としては破格な待遇で入社したそうですが、けっこうすんなりだったかもですね。
お父さんの勝東治氏は天才の三味線の腕前をもつ弟が跡を継いでくれるだろうと大きく期待していたと思います。
ところがですね、長唄の三味線弾きとしてアメリカに巡業に行った際に、人を介してジェームス・ディーンに出会います。すっかり感化されちゃって、勝新もお兄さんのあとを追って映画デビュー。
お父様、超反対だったようですが・・・
勝新は大映に所属。兄とは違い、新人らしく冷遇されていたそうですが、あっという間にスターの座についたそうです。
兄はスターだったのですが、新東宝から東映、そして大映に移籍。大映では「二人も勝新はいらない」と言われて、不遇の日々。その後、再び東映に移籍。
この二人はとっても仲良しだったらしい。
普通、こういう世界の兄弟って仲が悪いのですが。
たまたま、二人の逸話が紹介されている読み物があって、
つくづく、昔の撮影所は活気があって、ハチャメチャだけれど熱く燃えている人たちが集まった場所なんだなぁと思いました。
もう、今となってはずいぶん昔の映画ですが、
『蒲田行進曲』という映画があったじゃないですか。
本当にあんな感じだったんだと思います。
私が女優を目指した頃、まだまだその名残がありました。
その時代に生きていた人がまだ中心にいましたから。
たぶん、よき時代の最後だったんだろうな。

邦画
けっこう話題になって、それなりに面白かったりするんだけれど
どうも今ひとつ。
黄金時代のあのパワーがないのがとっても残念です。