第130回温知会に行ってきました。
古くからある長唄の演奏会で、超一流の演奏家の方々がご出演です。
グレードの高い演奏会で、毎回聴きごたえのある演奏を聴かせていただいています。
国立劇場は相変わらず節電モード。早めに到着したので大劇場の喫茶室でお茶をしたのですが、もうクーラー付いているの?状態。まあ、大劇場自体がお休みだったので仕方がないのかもでしたが・・・。しかし、小劇場の方も暗いし・・・。クーラーの設定温度がやや高めで、着物を着ていたので暑かったです。
もっと違うところで節電すればいいのになぁ。
『舌出し三番叟』
唄 岡安晃三郎、他
三味線 貴音抄太郎、他
お囃子 藤舎呂船、他
お囃子がとっても良かったです。感動♪特に小鼓の打ち合わせの部分や一調が良かった。
そうそう、あのように力を抜いて柔らかい曲線のよう。
何気に元気よく打ちたくなるけれど、元気に表現するよりも柔らかく打った方がこの曲らしいことに本日気が付く。この気づきだけでも、本日のお宝発見でした。
唄も『三番叟』を意識した唄い方なのだろうか。やや泥臭い感じでよかった。
そういえば「貴音」。稀音家から分かれた新しい流派ですね。実際にこの「貴音」という苗字をプログラムで拝見したのは初めてです。
『助六』
唄 杵屋東成、他
三味線 杵屋五三郎、他
五三郎氏、このお正月の国立主催の長唄の演奏会の時より、やや小さくなられた気がする。
でも、ますます元気というパワーを感じ。九十二歳?あれ、一歳でしたっけ。どちらにせよ凄い。
超人的ですばらしい演奏でした。
元我が師匠の上調子も美しく綺麗でした。師匠の繊細さは上調子にぴったりマッチしている。
ほれぼれ♪
短い曲ですが、粋で素敵な曲ですね。
『外記猿』
唄 杵屋喜三郎、他
三味線 杵屋寒玉、他
お囃子 藤舎呂船、他
江戸の町並みを感じるような演奏でした。
師匠の太鼓。素晴らしい。
辻内のリズムにのって、江戸の街角で出会うた風を感じた。えっ?いやいや今はもうないけれど生田の江戸の街のオープンセットで体験したあの風ですよ。
外記猿の最初の辻内は本当に難しいと思う。これで曲が決まっちゃう責任がある。
今日は大変勉強させていただきました。あのように打てるまでになるにはまだまだ修行が必要だなぁと思った。
喜三郎氏の唄は素晴らしい。何気なく唄っていらっしゃるのに、一語一語にパワーを感じる。
また、弟の寒玉氏の三味線は歯切れがよい。
すっきりさわやかな気分になる演奏だったと思います。すごいなぁ。
『島の千歳』
唄 貴音三郎助、他
三味線 今藤政太郎、他
小鼓 望月太喜雄
上品で淡々とした演奏でした。
ただただすごいなぁと拝聴。あのような小鼓を打てるようになるにはどれくらい修行すればいいのでしょうか?!ゴールが果てしなく遠くにあるのを感じます。
『靱猿』
唄 杵屋彌十郎、他
三味線 松永忠五郎、他
お囃子 望月太喜雄、他
今日はなぜかお猿さんの曲が二曲もあります。
けっこうお芝居っぽい部分以外はノリノリのイメージがありますが、それにしてもノリノリのペースだった気がします。この曲の外記猿の辻内よりも私はこの曲の辻内の方が好きです。
ハイペースでしたが、心ウキウキ気分になる演奏で頭の中でお芝居が展開していました。
それにしても、場内はご高齢の方が多いです。でもチラホラと若い方もいらっしゃいます。
平日の昼間というせいもあるので、若い方がいっぱいというのは難しいですね。
しかし、演奏家さん方を支えるのはファンの方々。演奏家さん方が次世代の方々にバトンタッチしていくのと同時に、ファンも次世代の層が増えるといいですね。
こういった良い演奏会はいつまでもいつまでも続いてほしいものです。