長唄の三味線を習い始めたのは、小学校の四年生か五年生の時でした。
町の素朴なお稽古場でチンタラチンタラとお稽古していましたね。そのうち、部活動とか受験とかあったりして、お稽古に行ったり行かなかったり。本当に悪い生徒でした。
芝居を初めて、忙しくなったのを理由にほとんどお稽古しなくなり、その先生のもとをフェードアウト。
母は私が高校を卒業した頃だったかしら、同じ先生に習って、そこから名取になりました。
そして、更にステップアップするために、その流派のお家元のもとで勉強するようになっていました。
真面目な母に、不出来な娘ありという感じですね。
さて、二十代半ば頃。「また三味線をやりたい」と熱望。
基礎からきちっと勉強しなさいと、母はお家元のもとでお稽古する事を勧めた。
母の勧め通りにお家元に入門した。
けっこう真面目にあの頃は勉強したなぁ。五年くらいお稽古していたかな。
私にとって、すごい大事件(前のお囃子の師匠が急逝した事)が起きて、本当にショックでショックで何も手に付けられなくなって・・・(たぶん、一種の鬱状態に陥ったのかな)
で、三味線のお稽古も辞めてしまった。
とても可愛がっていただいて、色々と勉強させていただいていたのに・・・不義理な弟子である。
あれから二十年。思う事あってお家元に再入門する事になった。
「・・・ならいいのに」たまに母の口から出る言葉。聞こえないふりしていたけれど、
でも、そうなんだよね。。。うーん。悩んだ。
そして、決断した。うーん安請け合いしちゃったかな?!
と思いつつ、その扉に手を掛けてしまった。
そして、不義理をした弟子なのに快く門戸を開けて下さり、暖かく迎え入れて下さった。
本当に感謝、感謝なのです。
「母の意思を継承したい」
ちょっと、遅すぎる決断なんですが・・・。だから、本当に頑張らないといけないのですが。
まだ、迷いがどこかにあるのだけれど・・・。
そんな迷いを払拭するように、お家元が「頑張ろうね」と仰った。
さて、第一回目のお稽古は『末広がり』。
今の第一目標は「弾き唄いができる」である。
「弾き唄いは馴れだから、お稽古の時に小さい声でいいから一緒に唄いましょう」から始まった。
唄っちゃうと勘所が酷い事になる。
三味線に集中すると唄が止まってしまう。
始まったばかり・・・とにかく頑張ろう。ゴールを目指して頑張るかな。
もちろん、お囃子も頑張りますよ♪