長唄 (1992/04/21) 今藤長之、今藤尚之 他 商品詳細を見る |
今藤長之氏が亡くなられて随分経ちます。まだお若かったのに本当に残念です。
今藤長之氏と言う方は、この世にないくらいの美声持ち主。
この方の長唄を聴いていると、長唄にそんなに興味がなくてもきっと好きになっちゃうだろうなぁ。
太鼓の課題曲『元禄花見踊』。
大好きな曲です。ウキウキ気分。本当に目を瞑ってこの長唄を聴いていると、桜満開の穏やかな春の風景。桜見物の賑やかな風景が目に浮かびます。
しかし、この曲・・・当初はあまり好きではありませんでした。
確かに、賑やかで華やかだけれど、ガチャガチャ煩いというイメージがあってあまり好きではなかったのです。
この曲を聴いて幸せ気分の味わいを教えてくれたのが、ご紹介のCDです。
イメージがないので、残念ですが。
長之氏の声は、本当にがさつな私の心を綺麗に浄化してくれます。
そして、澄み切った世界を私の中に作ってくれるのです。
二、三十年前だったかしら?
今藤長之氏と芳村伊十七氏のコンビが非常に流行った時代がありました。
伊十七氏は現在、大和楽のお家元となられているので、長唄三味線の方というより、大和楽の方という方が印象深いのですが、いやいや、長唄の方もそうとういけている方です。
伊十七氏の三味線だから、長之氏の唄が映える。長之氏の唄だから伊十七氏の三味線が映えるという感じで名コンビでした。
お二人の名人のおかげで好きになった長唄の曲かなりあります。
現在、この楽曲を使用して、『花見踊』の太鼓の自主トレしていますが、ついつい美しい声に惑わされ、お囃子が迷子になっちゃうことしばしばです。
非常に覚えやすい曲なんですが、けっこう似ている手が続くとかで頭の中がグルグルしてしまうのです。狂言鞨鼓(お囃子の手の名前)オンパレードのとこなんて、太鼓には四種類の狂言鞨鼓があるんですけれど、やつている内にだんだん迷子になっちゃって、「私は誰?ここはどこ?」になってしまいます。
なかなか、順番を克服できなくて、未だ一つも間違えずにスムーズにこの部分を終えた事があります。
普段の私だったら、「まあいいか」といい加減になってしまうのですが、
好きな曲なんですね。「まあいいか」という気分にはならない。
という事でついつい、太鼓に掛ける自主トレ時間が長くなってしまっています。
ああ、時間がもっともっと沢山あればいいのに。
今日のように、日勤の仕事の日は帰宅してからの稽古。本当に欲求不満になってしまいます。
明日は夜勤だから、もっと欲求不満だなぁ。
明後日の明けで頑張ろう。
本当に、楽器たちと戯れている時間が一番幸せ。
一日36時間くらいあったら、もっともっとお囃子を楽しむ時間があるのになぁ。