# ローマは一日にしてならず芸事というのは、何事も日々の積み重ね。新しい小鼓の皮。初めはカチカチ状態で、“ポン”と鳴らしたつもりでも、“ピアーン”というような、ピッチの高い音がする。これを、柔らかい音にするには、遥かな時間が掛かる。深みのある音にする為には、八十年も百年も掛かるといわれる。「新調の小鼓を早く音がでるようにする方法はないのでしょうか」と師匠に聞いた事がある。皆さん、色々な方法をあみ出している。打ち込まれた小鼓の皮というのは、柔らかく弾力がある。カチカチな